発表年:2016年
ez的ジャンル:男性セクシーR&B
気分は... :今が全盛期!
新作アルバムから良質なR&B作品をリリースし続ける男性シンガーEric Benetの最新作『Eric Benet』です。
これまで当ブログで紹介したEric Benet作品は以下の6枚。
『True to Myself』(1996年)
『A Day In The Life』(1999年)
『Love & Life』(2008年)
『Lost In Time』(2010年)
『The One』(2012年)
『From E to U : Volume1』(2014年)
『The One』(2012年)より約4年ぶりのオリジナル・アルバムとなる最新作『Eric Benet』です。
『The One』(2012年)より自らが設立したレーベルJordan Houseから作品をリリースしているEric Benet。
ソロ・デビューから20周年となる今年、セルフ・タイトルのアルバムをリリースあたりに、ソロ・アーティストEric Benetの自信が窺えます。
プロデュースはEric Benet本人と長年のパートナーDemonte Poseyが務めています。2曲のみDavy Nathan、Jonathan Richmondがプロデュースしています。
レコーディングにはDemonte Posey(key、p、syn、programming)、Jairus Mozee(g)、Nick Smith (ds)、Dammo Farmer(b)等が参加しています。
楽曲はすべてEric BenetとDemonte Poseyを中心としたオリジナルです。
どの曲をオススメに挙げるか迷うほど全曲充実しています。70年代、80年代、90年代のソウル/R&Bのエッセンスを2016年仕様でうまく取り入れている感じがいいですね。その一方で、現行オルタナティブR&Bに通じるアトモスフィアな雰囲気の楽曲もあり、彼の音楽に対する貪欲さも感じます。
デビューから20周年経っても、EricのセクシーなR&Bワールドは健在です。
この揺るぎないリアル・ソウルをぜひ!
全曲紹介しときやす。
「Can't Tell U Enough」
ファンキー・ホーン隊の高らかなファンファーレと共にスタートするオープニング。Eric Benetらしいソウル・ヴァイヴに満ちた本曲を聴けば、本作の充実ぶりが一発でわかります。リズム・トラックはJoe Tex「Papa Was Too」をサンプリング。
「Sunshine」
先行シングルにもなった曲。ヴィンテージ感のあるソウル・サウンドをバックに、Eric Benetらしいセクシーなファルセット・ヴォーカルで歌い上げる味わい深い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SSh0l2Rer5g
「Insane」
"愛の伝道師"Eric Benetらしいエロ・モードのセクシー・バラード。甘い囁きで女性を口説き落とします。Jairus Mozeeのギターが雰囲気を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OVbF9Q8zHFk
「Cold Trigger」
ダンサブルなファンク・チューン。曲調やシンセの音色を聴いていると、何処となくPrince殿下の影響を感じます。殿下へのトリビュートと勝手に推測してしまいます。
「Home」
ホームで待つ愛する人への思いを切々と歌い上げるラブ・バラード。『From E to U : Volume1』でカヴァーしていた80年代ヒット・バラードに通じるキャッチーさがあります。
「Holdin On」
90年代に活躍したフィメールラッパーMC Lyteをフィーチャー。EricとMC LyteにはToto「Georgy Porgy」という共通点があります。Ericは『A Day In The Life』で同曲をカヴァーし、MC Lyteは同曲をサンプリングした「Poor Georgie」(1991年)をリリースしています。本曲もToto風のロック・サウンドが印象的なミディアムR&Bグルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C6FbVYuSVqI
「Fun & Games」
ストリングスを配した70年代風のソウル・バラード。Ericの歌力を存分に堪能できる1曲に仕上がっています。
「Run To Me」
Irakere等でも活躍したキューバン・ジャズ・トランぺッターArturo Sandovalをフィーチャー。Arturo Sandoval参加から想像できるよううに、ラテン/スパニッシュ調のパーカッシヴなダンサブル感が印象的な1曲に仕上がっています。Arturo Sandovalが流石のトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
「Floating Thru Time」
現行オルタナティブR&Bに通じるアトモスフィアな雰囲気のバラード。Ericのセクシー・ファルセットがアトモスフィアなサウンドにうまく溶け込んでいい感じです。
「Broke Beat & Busted」
Jonathan Richmondプロデュース曲。Al Greenらを輩出したHi Recordsの本拠地であった名門Royal Studioでレコーディングです。そう聴くと、ソウル・ヴァイヴがマシマシになります(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=ncD6f8T6IHw
「That Day」
Davy Nathanプロデュース曲。永遠の愛を歌い上げるラブ・バラード。かなりベタな雰囲気もありますが、Ericが歌うと絵になるところにアーティストとしての底力を感じます。
「Never Be The Same (Luna's Lullaby)」
サブ・タイトルにもあるように愛娘Lunaに捧げたバラード。娘に問いかけるような優しい歌声でアルバムを締め括ってくれます。
「Sunshine Remix」
国内盤ボーナス・トラック。Tamiaをフィーチャリングした「Sunshine」のリミックスです。Tamiaとのデュエットといえば、全米R&Bチャート第1位となった「Spend My Life With」(『A Day In The Life』収録)を思い出します。Mtume「You, Me And He」をサンプリングしたトラックも含めて、オリジナルとは異なる「Sunshine」を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=6LrPmcSnLs8
Eric Benetの過去記事もご参照下さい。
『True to Myself』(1996年)
『A Day In The Life』(1999年)
『Love & Life』(2008年)
『Lost In Time』(2010年)
『The One』(2012年)
『From E to U : Volume1』(2014年)
ありがとうございます。
オリジナル・アルバムとしては約4年間隔が空いたので少し心配しましたが、全くの杞憂でしたね。
今回のアルバムは70年代、80年代、90年代のエッセンスをうまく取り入れつつ、2016年のソウル/R&Bになっているのがいいですね。
「Holdin On」はMC Lyteを客演に迎えて、TOTO風のサウンドというのが心憎いですね。
改めて、彼のセクシーなR&Bの魅力を再認識しました。