発表年:2016年
ez的ジャンル:男性R&B
気分は... :年内最後の新作紹介です!
今回は人気男性R&BシンガーJohn Legendの最新作『Love In The Future』です。
グラミー賞9冠に輝く実力派男性R&BシンガーJohn Legendについて、当ブログでこれまで紹介した作品は以下の3枚。
『Once Again』(2006年)
『Evolver』(2008年)
John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
『Love In The Future』(2013年)
少し前にCommonがアメリカ社会の抱える人種差別問題に鋭く切り込んだアルバム『Black America Again』をリリースしましたが、そのCommonと血の日曜日事件(1965年)で有名なセルマからモンゴメリーへの行進を描いた映画『グローリー/明日への行進(Selma)』(2014年)のテーマ曲「Glory」を歌っていたJohn Legendの新作も社会派アルバムになると勝手に予測していました。
しかし、その予想は外れました、Johnの場合、社会問題に直接言及するのではなく、自分の身近なテーマを歌うことで世界に希望や光を与えるというアプローチを選択したようです。
また、プロダクションもメンバーを一新している点も興味を引きます。
Johnが制作パートナーとして迎えたのがBlake Mills。グラミーでAlbum of the Yearに輝いたAlabama Shakes『Sound & Color』(2015年)のプロデュースを手掛けた彼をエグゼクティブ・プロデューサー&メイン・プロデューサーに抜擢しています。それ以外にもPitbull「Fireball」の共作者John Ryanが1曲共同プロデュースしています。
また、Adele「Hello」の共作者Greg Kurstin、Madonna、Justin Bieber、Lady Gagaを手掛けたBloodPop(Michael Tucker)、Selah Sue『Reason』にプロデューサーの1人として参加していたスウェーデン人コンポーザーLudwig Goransson、US姉弟デュオThe Belle BrigadeのEthan Gruska、Adele「Chasing Pavements」、Duffy「Warwick Avenue」、Diana Vickers「Once」のソングライティングで知られるEg White等がソングライティングで参加しています。
ゲストとして、注目のラッパーChance the Rapper、Alabama Shakesの女性ヴォーカル/ギターBrittany Howard、人気男性R&BシンガーMiguelがフィーチャリングされています。
それ以外にベテラン人気ベーシストPino Palladino(b)、元Robert Glasper ExperimentでD'Angelo & The Vanguardのメンバーとしても活躍するChris Dave(ds)、現在L.A.ジャズ・シーンを代表するサックス奏者Kamasi Washington、Blake Millsとつながりの深いギタリスト/バイオリニストRob Moose(strings)、Zac Rae(p)、Larry Goldings(org)等がレコーディングに参加しています。
サウンドよりも、アーティストとしての自らの姿勢を表明する歌の内容に重きが置かれた作品かもしれません。
John自身は、サウンド面は原点回帰と述べているようですが、Blake Millsにプロデュースを全面的に委ねているように、R&Bに囚われないオルタナティブな方向を模索しているようにも思えます。
必ずしも今の僕の音楽嗜好に合致する作品ではありませんが、アーティストとしての立ち位置を表明したJohn Legendの心意気は支持したいと思います。
暗闇の中から光明を見出すために・・・
全曲紹介しときやす。
「I Know Better」
ゴスペル調のオープニング。オルガン・サウンドにのって、♪音楽が僕を選んでくれたならば♪僕が知っていることを歌う♪という自分の歌を追い求める姿勢をしっかり歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=CUAbbNmKYtU
「Penthouse Floor」
Chance the Rapperをフィーチャー。アルバムからの2ndシングル。Pino Palladino & Chris Daveのリズム隊が素晴らしいバッキングで盛り上げてくれます。サウンド面ではコレが一番面白かったです。後半はChance the Rapperが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GHdBsQFcYrw
「Darkness and Light」
Alabama ShakesのBrittany Howardをフィーチャー。タイトル曲はアーシーな香りのするソウル・チューンに仕上がっています。Blake Millsのギターもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9DEGFE1dM50
「Overload」
Miguelをフィーチャー。切々と歌われるバラード。Kamasi Washingtonが参加していますが、かなり控えめのプレイです。
https://www.youtube.com/watch?v=x7A6e9pUtq0
「Love Me Now」
John Ryan/Blake Millsプロデュース。アルバムからの先行シングルにもなりました。本作のテーマである愛を訴えます。必ずしも僕の好みではありませんが、今のJohn Legendらしい1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=NmCFY1oYDeM
「What You Do to Me」
シンセ・サウンドが強調された1曲。アルバムの中ではいいアクセントになっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=EmVYabYDiAg
「Surefire」
Selah Sue『Reason』に関与したスウェーデン人コンポーザーLudwig Goranssonもソングライティングに加わっているせいか、オルタナティブなサウンドが印象的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HWI_OKIxCIM
「Right by You (For Luna)」
Blake Millsプロデュース。娘Lunaに捧げられた1曲。Rob Mooseの美しいストリングスをバックに、Johnが切々と歌い上げます。
「Temporarily Painless」
僕好みのメロディアスなミディアム・グルーヴ。ダークネスよりライトな雰囲気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9-e7WJx8Kd8
「How Can I Blame You」
Eg Whiteがソングライティングで参加しているビューティフル・ソング。最近のJohn Legendにはよく似合うバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=UOJgn4wBfAg
「Same Old Story」
シンセとRob Mooseの美しいストリングスをバックに切々と歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=R_Ycb76dpak
「Marching Into the Dark」
本編のラストはタイトル曲を対を成すようなタイトルで締め括ってくれます。暗闇の中を行進したその先に光はあるのか・・・インディ・ロック的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=41mdlnKa-HI
ここらはデラックス・エディションで追加収録の3曲。
「Drawing Lines」
Blake Millsプロデュース。ア・カペラで歌い上げます。
「What You Do to Me (Piano Demo)」
John Legendプロデュース。「What You Do to Me」のピアノの弾き語り。アルバム・ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいです。
「Love You Anyway」
Blake Millsプロデュース。オルタナティブR&B的な面白さのある仕上がり。こういうのがあと1、2曲欲しかったかな?
https://www.youtube.com/watch?v=vbGsHc-09pQ
John Legendの過去記事もご参照下さい。
John Legend『Once Again』(2006年)
John Legend『Evolver』(2008年)
John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
『Love In The Future』(2013年)
John Legend & The Roots『Wake Up!』
John Legend『Love In The Future』
の記事にコメントさせて頂いたことのあるamiです。現在は自分のブログがありそこでjaunecitronと名乗っているため、今回はjaunecitronで名乗らせて頂いています。
先日ジョン・レジェンド来日公演が3月12日、13日とあり、私は13日の方に行って参りました。ライブ感激しました!
私のブログ(はてなブログ)の方で、「ジョン・レジェンド来日公演3月13日火曜日分ライブリポート JOHN LEGEND LIVE IN TOKYO Mar 13 Tue」という記事を書いております。もしよろしければご覧下さい。
来日公演、本当に素晴らしかったです。
ありがとうございます。
来日公演を満喫されたようですね。
John Legendはアーティストとしての円熟味が増してきましたね。
これからも多方面での活躍を期待しています。