2016年12月31日

ezが選ぶ2016年の10枚

年末最後のエントリーは、毎年恒例の年末特別編『ezが選ぶ2016年の10枚』です。今年購入した新譜CDからお気に入りの10枚を紹介します(順不同)。
※全て当ブログで紹介した作品です。作品の詳細は各エントリーをご参照下さい。

KING『We Are KING』
We Are King
「The Greatest」
https://www.youtube.com/watch?v=UbpSV3gBRfk

Anderson .Paak『Malibu』
MALIBU [国内仕様盤 / 帯・解説付き](ERECDJ218)
「The Season/Carry Me」
https://www.youtube.com/watch?v=niDDE91qBgI

Phonte & Eric Roberson『Tigallerro』
TIGALLERRO (ティガレロ) (直輸入盤帯付国内仕様)
「It's So Easy」
https://www.youtube.com/watch?v=waSG69WNeuw

Sacha Vee『Luminous』
Luminous
「Leave Me All Your Love」
https://www.youtube.com/watch?v=Tf7nHQ9UwDo

SouLutions『Destiny』
デスティニー
「Listen (Drizabone Extended Version)」
https://www.youtube.com/watch?v=iYYjCvDYFyk

Virginia『Fierce For The Night』
FIERCE FOR THE NIGHT
「1977」
https://www.youtube.com/watch?v=BJXeAowT4mE

Los Stellarians『Los Stellarians』
Los Stellarians
「I Can't Understand You」
https://www.youtube.com/watch?v=7K77wgTJAJM

Bacao Rhythm & Steel Band『55』
55
「Bacao Suave」
https://www.youtube.com/watch?v=6ZDs_Te-rRg

Camila Meza『Traces』
Traces
「Para Volar」
https://www.youtube.com/watch?v=pAkoUj96wOo

Robert Glasper Experiment『ArtScience』
アートサイエンス
「Day To Day」
https://www.youtube.com/watch?v=YjQxpPkeQRI

リストからわかるように、今年は久々にブラジルものが1枚も入りませんでした。その分、R&B/ソウル比率が高まっています。今年の僕の音楽ライフを象徴しているかもしれません。

まず今年のR&Bの顔として挙げたいのがKINGAnderson .Paakの2組。

R&B新時代を予感させる女性R&BユニットKINGは、Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)でフィーチャリングされて以来、フル・アルバムをずっと心待ちにしていました。そんな期待を遥かに上回るドリーミーなデビュー・アルバムに大満足です。

今最も注目を集める西海岸Hip-Hop/R&BアーティストAnderson .Paakの2nd『Malibu』は、僕にとって今年最大のインパクトでした。同時に西海岸Hip-Hop/R&Bの勢いを見せつけられました。Knxwledgeとの強力タッグの初フル・アルバムNxWorries『Yes Lawd!』や1stアルバム『Venice』も含めて、Paakワールドに席巻された1年でした。西海岸Hip-Hop/R&Bでいえば、Knxwledgeとも親交のある期待のプロデューサー/ビートメイカーの作品、Mndsgn『Body Wash』もよく聴きました。

The Foreign Exchange(FE)のメンバーとしても活躍するR&Bシンガー/ラッパーPhonteと実力派R&BシンガーEric Robersonの共演アルバム『Tigallerro』は、モロに僕好みのR&B作品でした。音源に挙げておいた「It's So Easy」は、今年の僕の再生回数No.1楽曲です。FEファミリーでいえば、FEのミュージック・ディレクターZo!『SkyBreak』も候補でしたが『Tigallerro』を入選させたので泣く泣く選外に・・・。インディR&BではHeston『Transparency』が次点といったところでしょうか。

オルタナティブ/クロスオーヴァー感のある次世代ネオソウルからはSacha Veeをセレクト。欧州産の次世代ネオソウルには、USのR&B/ソウルとは異なるハイブリッドな魅力がありますね。次世代ネオソウルの他作品でいえば、オーストラリア出身、ロンドンを拠点に活動する男性SSW作品、Jordan Rakei『Cloak』もかなり気に入っています。

今年もブームが続いたバック・トゥ・80'sなディスコ/ファンク/モダン・ソウル。Ryle『The Adventures Of Jefferson Keyes』The Doggett Brothers『Colours』あたりも気に入っていましたが、最も多く聴いていたのはUKモダン・ソウル作品SouLutions『Destiny』でした。

クラブミュージックからは、ベルリンを拠点に活動する女性ヴォーカリスト/プロデューサーによるモダンなベルリン・スタイルのハウス作品Virginia『Fierce For The Night』をセレクト。シカゴ・ハウス/アシッド・ハウスの香りを感じるディープ・ハウスが癖になります。ハウス作品ではハウス界のレジェンドの最新作Louie Vega『Louie Vega Starring...XXVIII』もよく聴きました。

夏のヘビロテだったのが、カリフォルニア産ミクスチャー・ソウルLos Stellarians、ドイツ産カリビアン・ファンクBacao Rhythm & Steel Bandというラテン/トロピカルな2作品。特にLos Stellariansは痛快でしたね。今の僕の音楽嗜好でいえば、このタイプの音は欠かせません。同じ系統であれば、バルセロナ産ジャマイカン・ジャズThe Oldians『Out Of The Blue』、ピアノ・ジャズ・ミーツ・レゲエ/ダブNew Zion w. Cyro『Sunshine Seas』も愛聴していました。

ジャズからはCamila MezaRobert Glasper Experimentをセレクト。

チリ出身でN.Y.を拠点に活動している女性ジャズ・シンガー/ギタリストCamila Mezaは、透明感があると同時に変幻自在なヴォーカルの魅力に加え、ギタリストとしても楽しませてもらえる今ジャズ的ワールド・ジャズでした。

Robert Glasperは、帝王Miles Davisの伝記映画『Miles Ahead 』のサントラ、Miles音源を再構築したMiles Davis & Robert Glasper『Everything's Beautiful』でも話題になりました。RGEとしての新作『ArtScience』は豪華ゲストは一切なく、『Black Radio』のような衝撃はないかもしれませんが、逆にレギュラー・メンバーのみでこのユニットの真髄を力強く示してくれました。

ジャズの他作品でいえば、Gretchen ParlatoRebecca MartinBecca Stevens Bandという女性アーティスト3名によるスペシャル・ユニットTillery『Tillery』や、先日紹介したばかりのJosef Leimberg『Astral Progressions』も、最後まで候補に残っていました。

さて、例年の如く今年も10枚で収まらず、特別賞として3枚をセレクトしました。

功労賞
A Tribe Called Quest『We Got It From Here…Thank You 4 Your Service』
We Got It From Here… Thank You 4 Your Service
「The Space Program」
https://www.youtube.com/watch?v=Fbuf6VbVQBQ

Phifeの死という悲報を乗り越えて、正真正銘のラスト・アルバムをリリースしたA Tribe Called Quest(ATCQ)。アルバムは全米チャートNo.1となり有終の美を飾りました。これまでのATCQ作品に感謝すると共に、Phifeの冥福を祈りたいと思います。

ベテランHip-Hopアーティストであれば、Common『Black America Again』も復調を感じさせる素晴らしい1枚でした。

最優秀ホープ賞
BJ The Chicago Kid『In My Mind』
In My Mind
「The New Cupid」(feat. Kendrick Lamar)
https://www.youtube.com/watch?v=OrzTkP2bJpk

Anderson .Paakと並び、R&B期待のホープとして俄然注目度が高まったBJ The Chicago Kid。今後益々目が離せない存在となりそうですね。

殊勲賞
Terrace Martin『Velvet Portraits』
Velvet Portraits [日本語解説・帯付]
「Curly Martin」(feat. Robert Glasper, Thundercat & Ronald Bruner Jr.)
https://www.youtube.com/watch?v=hO10m-t0jNI

ジャズ・ミュージシャンであると同時に、ビートメイカーでもあるTerrace Martin『Velvet Portraits』は、L.A.ジャズとHip-Hop/R&Bの融合を楽々やってのけた意欲作でした。参加メンバーのピープル・ツリーを整理するだけも楽しめる1枚でもありました。

素晴らしい音楽の数々に感謝!
当ブログの閲覧者の皆様に感謝!
それでは良いお年を!
posted by ez at 00:01| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
ジャズ、ヒップホップ、ソウル、R&Bを中心にイロイロ聴いている大学生です。ezさんのレビュー記事、毎回楽しみにしています(*^^*)
個人的にもKINGとアンダーソン・パークがお気に入りな2016年でした。KINGは来日公演にも行きましたが、CDのドリーミーな雰囲気を生で堪能できて、とても楽しかったです。MalibuとYes Lawd!は何回聴いたか分かりません(笑)
今年もツボに突き刺さる音楽に出会えることを楽しみにしています!:D
Posted by きゃっぷ at 2017年01月18日 18:02
☆きゃっぷさん

ありがとうございます。
若い世代の方にコメントいただけると嬉しいです。

KINGもアンダーソン・パークもインパクトありましたね。

KINGの独特のドリーミー感は実に新鮮でした。

パークは才能が一気に開花した感じですね。
今後も活発な活動が期待されるので、目が離せないですね。

この2組も含めて、現在のL.A.の音楽シーンは才能あるアーティストが集結していますね。楽しみです。

今後も紹介する作品、アーティストを気に入ってもらえれば幸いです。
Posted by ez at 2017年01月19日 08:46
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