発表年:2016年
ez的ジャンル:個性派カナディアン・ポップ職人
気分は... :2017年最初の1枚は・・・
今日から通常のエントリーに戻ります。
2017年最初に紹介するのはMocky『The Moxtape Vol.3』(2016年)です。
Mocky(本名:Dominic Salole)は1974年カナダ生まれの男性シンガー/ソングライター/マルチ・プレイヤー/プロデューサー。
これまで『In Mesopotamia』(2002年)、『Are + Be』(2004年)、『Navy Brown Blues』(2006年)、『Saskamodie』(2009年)、『Key Change』(2015年)といったアルバムをリリースし、独自のポップ感覚で根強いファンの獲得に成功しています。
また、UK出身の白人男性ソウル・シンガーJamie Lidell、カナダ人女性シンガー・ソングライターFeist、幼少時より活躍する女性シンガーNikka Costa、元Wu-Tang ClanのGZA、カナダ出身でドイツを拠点に活動するミュージシャンChilly Gonzales、カナダ人女性アーティストPeaches等の作品への関与でも知られています。
トロントを経てドイツ、ベルリンを拠点に活動していたMockyがL.A.に拠点を移し、6年ぶりの新作『Key Change』をリリースし、好評を得たのが一昨年でした。その勢いに乗って制作したのが8曲収録のEP『The Moxtape Vol.3』(2016年)です。このEPは『Graveyard Novelas EP (The Moxtape Vol.1)』(2013年)、『Living Time EP (The Moxtape Vol.2)』(2015年)に続くThe Moxtapeシリーズの第3弾となります。
そして、ネット配信のみであった『The Moxtape Vol.3』に未発表5曲を加えて、日本独自でCD化したのが本作です。
全13曲ですから、EP、ミニ・アルバムというよりアルバムに近い体裁ですが、EP感覚で聴いた方が楽しめる1枚だと思います。
オリジナルEPの8曲は、自らの音楽を"My own vision of Pop"と称するMockyらしいポップ・ワールドを楽しめます。特に「Exception To The Rule」を聴けば、Mockyの魅力が一発でわかると思います。
一方、追加収録の未発表5曲はインスト中心でMocky風ジャズを楽しむことができます。
Jamie Lidell、Hilary Gay、Miguel Atwood-Ferguson、Joey Dosik、Nia Andrewsがゲストとしてフィーチャリングされています。
ホッと一息つける癒しのポップ・ワールドを堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Keep Feelin' This」
Mockyとは関連が深いアーティストであるJamie Lidellをフィーチャー。クールな中にもポップ感覚が散りばめられたファンク調のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=N_Q-nhbafiQ
「Starless Sky」
追加未発表曲。Hilary Gayをフィーチャー。男女ユニットFM Fataleとしてもアルバムをリリースしている女性シンガーであり、これまでもMocky作品に参加したことがあります。ヴァイオリンを織り交ぜたビューティフル&ドリーミーな仕上がりです。
「Read My Mind (Nothing To Fear)」
Mockyらしい鼻歌感覚の素朴なポップ・チューンです。口笛の響きが何ともいい味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=mcGL2tlCPpE
「Put It Away」
絶妙のヘタウマ感が癖になるジャジー・ポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=4bJgiH3x42U
「Art Brakey」
追加未発表曲。タイトルはジャズ・ジャイアントの一人Art Blakeyを意識したものでしょうね。Art Blakeyのようなファンキー・ジャズが聴けると思いきや、Mocky風ジャズになっているあたりが、"Blakey"ではなく"Brakey"なのかもしれませんね。
「Skipping Stone」
追加未発表曲。この曲もMocky風ジャズを楽しめるインスト。何処となくカリビアンなエッセンスを感じられるあたりもいいですね。
「Peace Of Mine」
追加未発表曲。メロトロンも交えた透明感のあるインスト・チューン。静と動のメリハリがあるのがいいですね。
「Resonance」
追加未発表曲。ジャズに牧歌的なエッセンスが加わり、Mockyらしいインストに仕上がっています。
「Surprise You With A Smile」
Mockyのコンポーザーとしてのセンスが窺える美しい1曲。優しく柔らかな音色で包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UhdxMBUWjbE
「When Paulie Gets Mad (Miguel Atwood-Ferguson Edit)」
L.A.ジャズのキーマンの一人、Miguel Atwood-Fergusonをフィーチャー。『Key Change』収録曲をAtwood-Fergusonのストリングスのみで堪能できます。こういったL.A.ジャズ・シーンとの接触がMockyに新たな刺激を与えたのでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=B8ZTj81k7UM
「Exception To The Rule」
この1曲を聴けば、すべてが分かる!Mockyワールドが凝縮された木漏れ日ポップ。聴けば、いつもの自分が取り戻せるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=6w62ZwNqmP4
「For Toots」
この曲もかなり好き!ゆったりとしたジャジー・ポップは聴く者に安らぎを与えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ejMR6hrN5CY
「Amaimono (Sweet Things)」
Build An Arkのメンバーであるアメリカ人ピアニスト/キーボード奏者Joey Dosikと、Dexter Story、Mark De Clive-LoweやDegoのアルバムにフィーチャリングされ、昨年は日本独自アルバムもリリースされたL.A.の女性ヴォーカリストNia Andrewsをフィーチャー。爽快なフォーキー・ジャズ調のポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Zmw72hSS9n0
Mockyの他作品もチェックを!
『In Mesopotamia』(2002年)
『Are + Be』(2004年)
『Navy Brown Blues』(2006年)
『Saskamodie』(2009年)
『Key Change』(2015年)