2017年03月11日

Dwele『Subject』

その才能をR&Bファンに知らしめた2ndアルバム☆Dwele『Subject』
Subject
発表年:2003年
ez的ジャンル:デトロイト系ネオ・ソウル
気分は... :絆・・・

今回はデトロイト出身の男性R&BシンガーDwele『Subject』(2003年)です。

J Dillaがその才能を認めた男性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサー/マルチ・プレイヤーDwele(本名:Andwele Gardner)の紹介は、『Some Kinda...』(2005年)に続き2回目になります。

本作『Subject』(2003年)は、自主制作の1stアルバム『Rize』(2000年)に続く2ndアルバムであり、Virgin Recordsからの第1弾アルバムとなります。

アルバム全体としては、Dweleというアーティストの才能をR&Bファンに知らしめるネオ・ソウル作品に仕上がっています。R&Bシンガーとしてのみならず、ソングライター、プロデューサー、マルチ・プレイヤーとしての魅力も伝わってきます。

大半の楽曲がDwele本人のセルフ・プロデュースですが、それ以外にG-1Jake & The PhatmanRonald EstillDwayne Bastiany、/Eric RobersonPete KuzmaJoint Custodyといったプロデューサーが起用されています。

Slum Village(T3/Baatin)がフィーチャリングされ、Eric Robersonとの共演曲もあります。また、当ブログでアルバム『Blacka Da Berry』(1996年)を紹介したAlfonzo Hunterがソングライティングで関与している曲もあります。

J Dillaがその才能を認めた男性R&Bアーティストという観点から注目されることも多いDweleですが、本作からもジャジー&メロウな中にも"J Dilla以降"を感じるR&B/ネオ・ソウルといった印象を受けます。

シングルになった「Find a Way」「Hold On」Slum Villageをフィーチャーした「A.N.G.E.L. (reprise)」あたりがハイライトだと思います。

それ以外に「Truth」「Sho Ya Right」「Money Don't Mean a Thing」、ボーナス・トラックの「Let Your Hair Down」あたりもオススメです。

ネオ・ソウル好きの人には間違いない1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「Poppa Yo (Intro)」
Dwele作/プロデュース。ダークなリズムジャジー&メロウな上モノ、無機質なヴォーカルが調和したオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=z43lD96IUlY

「Truth」
Dwele作/プロデュース。ジャジー&メロウな至極のネオ・ソウル。浮遊しながらも粘りのあるヴォーカルがJ Dilla以降のネオ・ソウルって感じでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DRr1Dc3V1Mc

「Find a Way」
Dwele/G-1作。DJ Quikとの仕事で知られるG-1がプロデュース。アルバムからの先行シングルにもなりました。The Blackbyrds「Dreaming About You」のドラム・ブレイクをサンプリングしたシャープ&メロウなトラックにのって、Dweleのヴォーカルが巧みな歌い回しで疾走します。Dweleというアーティストを印象づけるR&Bクラシックの風格がある1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=yxGkLOY0lwI

「Twuneanunda」
Dwele作/プロデュース。柔らかく穏やかなエレピが心地好いジャジー&メロウ感で気持ちを落ち着かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2VWWL7dauk0

「A.N.G.E.L. (Interlude)」
Dwele作/プロデュース。イントロの巧みなヴォーカル・プロダクションに惹き込まれます。ジャジー&メロウ・グルーヴにのってDweleのヴォイスが浮遊します。ヴォーカルというより、サウンドの1パーツとして自身のヴォイスを埋め込んでいるあたりに、サウンド・クリエイターとしてのDweleのセンスを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=g0f2PukBC3w

「Day at a Time」
Dwele作/プロデュース。アコギによるオーガニック感が印象的です。さり気ないですが、ヴォーカルもよくコントロールされています。
https://www.youtube.com/watch?v=JQYRBizvb9w

「Subject」
Dwele作/プロデュース。ストリングスのみのバックとDweleのヴォーカルのみでスタートし、そこにリズムやサウンドが徐々に重なりながら幻想的な音世界を創り上げていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=p0PJu4JX1xM

「Sho Ya Right」
Dwele/Kelvin Wooten/Bobby Ozuna/Glenn Standridge作。Lucy PearlRaphael SaadiqAngie Stone等を手掛けたJake & The Phatmanのプロデュース。Dweleらしいヴォーカルが栄えるネオ・ソウルらしい歌い回しがいい感じの完成度の高い1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ZMpwLlpn-WM

「Money Don't Mean a Thing」
Dwele/Alfonzo Hunter/Ronald Estill作。Ronald Estillプロデュース。Alfonzo Hunterもソングライティングに関与しています。「Find a Way」に並ぶキャッチーさを持つ仕上がり。アコギの音色と哀愁ヴォーカルがよくマッチしたR&Bグルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=oiRpBhhmaaI

「Hold On」
Dwayne Bastiany/Eric Roberson/Kev Brown作。Dwayne Bastiany/Eric Robersonプロデュース。2ndシングルにもなりました。DweleとEric Robersonの顔合わせというだけでグッときますね。実力派ネオ・ソウル・アーティストの共演に相応しい素敵なミディアム・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dwZ1NIsGfp8

「Kick Out of You」
Dwele作/プロデュース。Dweleのヴォーカルが優しく包み込んでくれるジャジーなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=E3hMi2hSINQ

「Without You」
Dwele/Pete Kuzma作/プロデュース。Touch Of JazzのPete Kuzmaとの共同プロデュース。ヴォコーダーでアクセントをつけたジャジーなネオ・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4Lo9u0FX5oo

「Whoomp (Interlude)」
Dwele作/プロデュース。Dweleと女性ヴォーカルが浮遊するインタールード的な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=l4br1yEgmcQ

「Lady at Mahogany」
Dwele作/プロデュース。派手さはありませんが、Dweleならではのソウル・フィーリングを楽しめる1曲。Kendra Parkerがスポークン・ワード&バック・コーラスで加わっています。
https://www.youtube.com/watch?v=B6JNV7nV5GU

「A.N.G.E.L. (reprise)」
Dweleプロデュース。Slum Village(T3/Baatin)をフィーチャー。クレジットからするとJ Dillaの関与はありませんが、アブストラクトなトラックはJ Dilla作品のように思えてきます。いずれにしてもDweleとJ Dillaの絆を感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pFYj2BNRems

L.A.ジャズの重要ミュージシャンMiguel Atwood-FergusonによるJ Dilla追悼ライブ「Timeless」でDwele本人をフィーチャーした演奏が披露されています。
Miguel Atwood-Ferguson feat. Dwele「A.N.G.E.L. (reprise)」
 https://www.youtube.com/watch?v=61otxtoOV30

「Let Your Hair Down」
ボーナス・トラック。Dwele/Mischke Butler/Anthony Nance/A. VanDerVeer作。Joint Custodyプロデュース。爽快に疾走するメロウR&B。わかりやすいキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=L8UprhppHUk

Dweleの他作品もチェックを!

『Some Kinda...』(2005年)
Some Kinda

『Sketches of a Man』(2008年)
Sketches of a Man

『W.ants W.orld W.omen』(2010年)
Wants World Women

『Greater Than One』(2012年)
Greater Than One
posted by ez at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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