発表年:1966年
ez的ジャンル:国民的歌手系MPB
気分は... :女王の貫禄!
今回はブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品から『Elis(1966)』(1966年)です。
Elisの場合、セルフタイトルのアルバムが多数あるので、便宜上、発表年をカッコ内に記載しています。
これまで当ブログで紹介してきたブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品は以下の12枚。
『Elis Especial』(1968年)
『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
『Elis Regina in London』(1969年)
『Em Pleno Verao』(1970年)
『Ela』(1971年)
『Elis (1972)』(1972年)
『Elis (1973)』(1973年)
『Elis (1974)』(1974年)
『Falso Brilhante』(1976年)
『Elis (1977)』(1977年)
『Essa Mulher』(1978年)
本作『Elis(1966)』(1966年)は、Gilberto Gil、Caetano Veloso、Edu Lobo、Milton NascimentoといったMPB世代のアーティストの作品を数多く取り上げたスタジオ録音作であり、その後のElisを方向づけたターニングポイントの一作だと思います。
ここで取り上げたアーティスト達のその後の活躍を見れば、女王Elisの先見の明は明らかですね。また、単に作品を取り上げるのみならず、歌声を通してそれらアーティストの魅力を余すことなく伝えてくれるところがElisの凄さと思います。
オープニングの「Roda」(Gilberto Gil作品)とラストの「Cancao do Sal」(Milton Nascimento作)が本作を象徴していると思います。
本作時のElisはまだ21歳ですが、とても21歳とは思えない豊かな表現力と貫禄のある歌いっぷりに驚かされます。
プロデュースはLuiz Mocarzel、アレンジはChiquinho de Moraes。
ブラジル音楽の新時代到来を女王Elisが先導した1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Roda」
Gilberto Gil/Joao Augusto作。本作のハイライト!軽快なリズムにのって、Elisがブラジル音楽の新時代到来を高らかに歌い上げます。思わず手拍子してしまいます!
https://www.youtube.com/watch?v=YGxuay9XAK8
本曲に関して、当ブログでは有名なSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンをはじめ、Gimmicks、Conjunto 3Dのヴァージョンも紹介済みです。
「Samba em Paz」
Caetano Veloso作。Gilの次はCaetano!開放的なサンバのリズムと共に、Elisが自由に舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=C_avZSNxOnM
「Pra Dizer Adeus」
Edu Lobo/Torquato Neto作。Edu Lobo作品の1曲目。オーケストレーションをバックに、愁いを帯びたメロディを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=v3aj-nKkv9w
本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana Souza、Maria Bethania、Sebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques、Agustin Pereyra Lucenaヴァージョンも紹介済みです。
「Estatuinha」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。Edu Lobo作品の2曲目。後期のElisを予感させるオトナのMPBに仕上がっています。1曲の中にドラマがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=0v7DKdFKLdg
「Veleiro」
Edu Lobo/Torquato Neto作。Edu Lobo作品の3曲目。壮大なオーケストレーションをバックに堂々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=I5o5kzloXdA
当ブログでは作者Edu LoboのヴァージョンやBossa Rio、Sergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。
「Boa Palavra」
Caetano Veloso作。緩急つけた変幻自在のアレンジが面白い1曲。こういった曲も難なくこなせるのがElisですね。
https://www.youtube.com/watch?v=58iVAH9YZ5o
「Lunik 9」
Gilberto Gil作。この曲も歌手の技量が問われるようなアレンジですが、結果として女王Elisの天才歌手ぶりを際立たせることに成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=YISlAM-J0HE
「Tem Mais Samba」
Chico Buarque作。小粋なジャズ・サンバを思い入れたっぷりに歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=tdMESAzq-Ak
「Sonho de Maria」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。当ブログではConjunto 3Dヴァージョンも紹介済みです。エレガントなオーケストレーションをバックに、しっとりとしたヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t_e79zlcpow
「Tereza Sabe Sambar」
Francis Hime/Vinicius de Moraes作。少しノスタルジックな雰囲気でスタートしますが、緩急をうまく使ったアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=uvYmTYLne7k
「Carinhoso」
Joao de Barro/Pixinguinha作。当ブログではTania Mariaヴァージョンも紹介済みです。アコースティックな質感のアレンジをバックに、Elisらしい豊かな表現力で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=nP5YtBOk0u4
「Cancao do Sal」
ラストはMilton Nascimento作の名曲「塩の歌」。個人的には「Roda」と並ぶ本作のハイライト。この曲もブラジル音楽の新時代を予感させます。Milton Nascimentoという才能の魅力をElisが余すことなく伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lQoxmxwDQnw
本曲に関して、当ブログではBossa Rio、Ronald Mesquita、Christiane Legrand、Tania Mariaのカヴァーも紹介済みです。
Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。
『Elis Especial』(1968年)
『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
『Aquarela Do Brasil』(1969年)
『Elis Regina in London』(1969年)
『Em Pleno Verao』(1970年)
『Ela』(1971年)
『Elis (1972)』(1972年)
『Elis (1973)』(1973年)
『Elis (1974)』(1974年)
『Falso Brilhante』(1976年)
『Elis (1977)』(1977年)
『Essa Mulher』(1978年)