発表年:2004年
ez的ジャンル:最強Hip-Hopバンド
気分は... :リコンストラクション!
今回は最強Hip-HopバンドThe Rootsの『The Tipping Point』(2004年)です。
これまで当ブログで紹介したThe Roots作品は以下の11枚。
『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
『Things Fall Apart』(1999年)
『Phrenology』(2002年)
『Game Theory』(2006年)
『Rising Down』(2008年)
『How I Got Over』(2010年)
John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』(2011年)
『Undun』(2011年)
Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)
『...And Then You Shoot Your Cousin』(2014年)
前々作『Things Fall Apart』(1999年)で大成功を収めたThe Rootsですが、前作『Phrenology』(2002年)は、変化を求めてロックへのアプローチなども見られたため、賛否両論あったかもしれません。
本作『The Tipping Point』(2004年)では、前作での試行錯誤を経て、Hip-Hopバンドとしてスケール・アップしたThe Rootsサウンドを楽しむことができます。アルバムは全米アルバム・チャート第4位、同R&Bアルバム・チャート第2位に輝いています。
本作でバンド・メンバーとしてクレジットされているのは、Ahmir "?uestlove "Thompson(ds)、Tariq "Black Thought" Trotter(vo)、 Kamal Gray(key)、Leonard 'Hub' Hubbard(b)の4名。
さらにセッション・メンバーとして、Kirk "Captain Kirk" Douglas(g)、Omar Edwards(key)、Frank "Frankie Knuckles" Walker(per)といった後に正式メンバーとなる面々の名がクレジットされています。また、Scott Storchがプロデュースしている曲もあります。
ゲストとして、元メンバーのDice Rawをはじめ、Martin Luther、Wadud Ahmad、Aaron Livingston、Devin The Dude、Jean Grae & Mack Dub、Latifが参加しています。
特に、グラミーにノミネートされたオープニング曲「Star/Pointro」から「I Don't Care」、「Don't Say Nuthin'」、「Guns Are Drawn」、「Stay Cool」、「The Web」までの前半6トラックにグッときます。
特別なことはしていないけど、音楽の幅を拡げ、バンドにブレない芯のようなものが通った1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Star/Pointro」
Wadud Ahmadをフィーチャー。グラミーのBest Urban/Alternative Performanceにもノミネートされた楽曲です。メッセージ性の強いPVも印象的でしたね。Wadudが歌うSly & The Family Stone「Everybody Is a Star」のフレーズとBlack Thoughtのラップのコントラストが聴く者の胸に刻まれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=8Z9HvjbAYtA
「I Don't Care」
Domをフィーチャー。僕の一番のお気に入り。最強Hip-Hopバンドらしいグルーヴを存分に楽しめるのでは?鋭いナイフのようなBlack Thoughtのフロウもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wWmu4-u80K4
「Don't Say Nuthin'」
Scott Storchがプロデュースしたアルバムからの先行シングル。The Rootsらしいダークなトーンの緊張感がある1曲に仕上がっています。シンセの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=VB5coQcelAk
「Guns Are Drawn」
Aaron Livingstonをフィーチャー。前作でのロック・アプローチからの学習を踏まえた1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=a8LJDyFmdFo
「Stay Cool」
Martin Lutherをフィーチャー。独特の雰囲気を持つAl Hirt「Harlem Hendoo」ネタを巧く使ったジャジー・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cTT1R2WJ6nU
「The Web」
The Rimshots「Dance Girl」ネタのドラムが格好良い1曲。大好きな「75 Bars (Black's Reconstruction) 」(『Rising Down』収録)あたりと一緒に聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=q2dZKf1fnO8
「Boom!」
かつての同僚Dice Rawをフィーチャー。Hugh Masekela「Up-Up and Away」ネタを使ったオールドスクール調の仕上がりです。
「Somebody's Gotta Do It」
Devin The Dude/Jean Grae & Mack Dubをフィーチャー。The Rootsにしては少しユルめのサウンドが印象的です。Jean Graeの女性ラップが入ることでいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gc2NgotkfWE
「Duck Down!」
Domをフィーチャー。タイトルの通り、アヒルの鳴き声が聞こえてきます(笑)
「Why (What's Goin' On?)」
Latifをフィーチャー。ソウル・フィーリングのある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7PIt580K85s
「Why (What's Goin' On?)」の後に、隠れトラックとして、「The Mic」、「Din Da Da」の2曲が収録されています。「The Mic」はBarry White「Standing in the Shadows of Love」をサンプリングしています。「Din Da Da」はGeorge Kranz、1983年のエレクトリック・ダンス・チューン「Din Daa Daa (Trommeltanz)」のカヴァーです。
The Rootsの過去記事もご参照下さい。
『Do You Want More?!!!??!』(1994年)
『Things Fall Apart』(1999年)
『Phrenology』(2002年)
『Game Theory』(2006年)
『Rising Down』(2008年)
『How I Got Over』(2010年)
John Legend & The Roots『Wake Up!』(2010年)
Betty Wright & The Roots『Betty Wright: The Movie』(2011年)
『Undun』(2011年)
Elvis Costello & The Roots『Wise Up Ghost』(2013年)
『...And Then You Shoot Your Cousin』(2014年)