発表年:2010年
ez的ジャンル:ラテン・トライバル・ミニマル
気分は... :桜舞うころ・・・
今回はラテン・トライバル・ミニマル作品Pier Bucci『Amigo』(2010年)です。
Pier Bucciはチリ出身のDJ/プロデューサー。現在はドイツ、ベルリンを拠点に活動しています。
Pier Bucciのソロ名義以外にも、Skipsapiens、Mambotur、Monne Automne、Maluco等のさまざまなユニット名義でも多くの作品をリリースしています。
本作『Amigo』(2010年)は、『Familia』(2005年)に続く2枚目のソロ名義作品です。
アルバムには、フレンチ・ロック・バンドHoldenの女性ヴォーカリストArmelle Pioline、チリのロック史に残る重要バンドLos Prisionerosの中心メンバーJorge Gonzalezチリのミクスチャー・バンドLa Floripondioやネオ・クンビア・バンドChico Trujilloでも活動するAldo Asenjo (Macha)、さらにWashington Mirandaといったヴォーカリストがフィーチャーされています。
アルバム・タイトルやジャケからは華やかなラテン・ハウスをイメージするかもしれませんが、中身はエクスペリメンタルなラテン・トライバル・ミニマルといったサウンドが占めます。ヴォーカル曲でもヴォーカルはサウンドの一部であり、クール&ミニマルな美学で貫かれています。
Victor Jaraの代表曲のリメイク「Canto Libre」、フォルクローレ的なエレクトロニカ「Eternelle」、ノスタルジックなのにフューチャリスティックな哀愁ラテン・トライバル「Verte Tan」、少しダーク・トーンのトライバル・ミニマル「Wayna Wasi」あたりが僕のオススメです。
ありそうで無かった中毒性の高いラテン・トライバル・ミニマル作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「La Cortina De Hierro Y El Pajaro Cantor」
Jorge Gonzalezをフィーチャー。静寂のラテン・エレクトロニカ。アンビエントな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=CxJG83iLX4o
「Canto Libre」
歌を通じて社会変革を目指した「ヌエバ・カンシオン(新しい歌)」運動の旗手であり、軍事政権下で虐殺されたチリ・フォルクローレの英雄的シンガー・ソングライターVictor Jara(1932-1973年)の代表曲をリメイク。Armelle Piolineのヴォーカルをフィーチャーしたトライバルなミニマル・チューンに仕上がっています。クールなトライバル感が僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=RCf6-eDJnDc
「Papa Guede」
トライバル・リズムと土着的ヴォイスが織り成す覚醒的なダンス・ミュージック。トライバルとエレクトロニカの折り合いの付け方が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=Q6N8cn8x_cI
「Cuando」
Aldo Asenjo (Macha)をフィーチャー。ミニマルなパーカッシヴ・サウンドと哀愁モードのラテン・ヴォーカルの組み合わせが独特の雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=Kh591AbI_fo
「Eternelle」
Armelle Piolineのヴォーカルをフィーチャー。フォルクローレ的なエッセンスを取り入れたエレクトロニカ・チューン。癒し系のエレクトロニカといった趣がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=XYy9vrQ484c
「Verte Tan」
Aldo Asenjo (Macha)をフィーチャー。ミサ曲調のヴォーカル+哀愁ラテン・トライバル・ミニマルがノスタルジックなのにフューチャリスティックという不思議な音世界に誘います。
https://www.youtube.com/watch?v=CZG0Lu1eou8
「Iskrenne」
ミニマルなインスト・チューン。エレクトロニカ好き人向けの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=ngEsBLudP00
「Wayna Wasi」
少しダーク・トーンのトライバル・ミニマル。ジワジワくるトライバル・ビートが僕好み。未開の地のミニマル・チューンって感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=MrLyc2xbeCg
「La Payaya」
Jorge Gonzalezをフィーチャー。ラストは覚醒的なラテン・リズムにヤラれるテック・ハウスで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=D-QVbP5q7R0
「For Free」
https://www.youtube.com/watch?v=KAt8nFdl1vc
Pier Bucciの他作品もチェックを!
Pier Bucci『Familia』(2005年)
Skipsapiens『Skipsapiens』(2001年)
Skipsapiens『Eco』(2005年)
Mambotur『Atina.Latino』(2002年)
Mambotur『Al.Frente』(2005年)
Monne Automne『Introducing Light & So』(2004年)
Maluco『Right Time』(2008年)