発表年:2003年
ez的ジャンル:UKクラブジャズ
気分は... :流儀を貫く!
今回はUKクラブジャズ作品より、Two Banks Of Four『Three Street Worlds』(2003年)です。
元GallianoのRob Gallagherと、Young Disciples等を手掛けた敏腕エンジニアのDemus(Dill Harris)によるクラブジャズ・ユニットTwo Banks Of Four(2BO4)の紹介は、1stアルバム『City Watching』(2000年)に続き2回目となります。
『Three Street Worlds』(2003年)は、完成度の高い2BO4作品として評価の高い1枚ですね。勢いが魅力だった1stアルバム『City Watching』に対して、本作『Three Street Worlds』はより深みが増した印象を受けます。
Rob Gallagherの奥方Valerie Etienne、前作にも参加していたPaul Jason Fredericks、西ロンドンの歌姫Bembe Segueがヴォーカリストとしてフィーチャリングされています。
それ以外にSki Oakenfull(p、el-p)、Robbie Taylor(p)、Shawn Lee(g)、Robin Mullarkey(b)、
Andy Hammil(b)、Chris Bowden(sax)、Andy Ross(sax、fl)、Ben Castle(sax、fl)、Chris Storr(tp、flh)、Matt Colman(tb)といったミュージシャンが参加しています。
本作のハイライトは、ジャズ・サックス奏者Carlos Garnettのジャズ・クラシック・カヴァー「Banks Of The Nile」、Gilles Peterson『Worldwide Programme 3』にも収録されていたクラブジャズ人気曲「One Day」の2曲。
それ以外の曲も派手さはないものの、2BO4の美学が貫かれたディープで美しいUKクラブジャズ・サウンドを楽しむことができます。
聴き直すほどに完成度の高さを実感できる1枚です。
クラブジャズ好きの人であれば、ぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Two Miles Before Dawn」
Paul Jason Fredericksをフィーチャー。派手さはありませんが、ジワジワと盛り上がってくるオープニング。ダンディズムがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=aRvrfNx2rvw
「Angel's Walk」
Paul Jason Fredericksをフィーチャー。抑えたトーンの落ち着きがいいですね。Chris Storrのフリューゲルホーンの音色が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=JeNbXEmY9VA
「One Day」
Gilles Peterson『Worldwide Programme 3』にも収録されていたクラブジャズ人気曲。 Valerie Etienneのヴォーカルをフィーチャーし、Andy Hammilの格好良いベース・ラインとエレガントなホーン・アンサンブルがキマった極上のワルツ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HbrASYyV0w4
「Banks Of The Nile」
ジャズ・サックス奏者Carlos Garnettのジャズ・ダンサー・クラシックをカヴァー。Dee Dee Bridgewaterのヴォーカルをフィーチャーしたオリジナルはアルバム『Black Love 』(1974年)に収録されています。Ski Oakenfullの小粋なピアノとRobin Mullarkeyのベースに先導され、Valerie Etienneのヴォーカル、Ben CastleとChris Storrの二管が存在感を示します。
https://www.youtube.com/watch?v=9lDEbh5ooA0
Carlos Garnettのオリジナルもチェックを!
Carlos Garnett「Banks Of The Nile」
https://www.youtube.com/watch?v=OyQk2VYcdpU
「Stiles」
アブストラクトHip-Hop的な小曲。
「Bluse For Brother」
Paul Jason Fredericks/Valerie Etienneをフィーチャー。Shawn LeeのギターとHip-Hop調の乾いたビートが印象的な哀愁フォーキー・ジャズ。
「Unclaimed」
Valerie Etienneをフィーチャー。Valerieの美しいヴォーカルが栄えるビューティフル・バラード。さり気ないですが愛があります。
https://www.youtube.com/watch?v=5IYBE_Tqf2Q
「Endless」
Paul Jason Fredericks/Valerie Etienneをフィーチャー。淡々とした中にもUKクラブジャズならではの美学が貫かれていてクールです。
「Closer」
Valerie Etienneをフィーチャー。ミステリアスな雰囲気の哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ShX5ATcIljg
「The Bird Monstar」
アヴァンギャルド感のあるインタルード的な小曲。
「Three Street Worlds」
Valerie Etienneをフィーチャー。ダンサブルなビートでクールに疾走します。
「Rising」
本編のラストは西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャーした約9分の大作です。ダンサブルなクロスオーヴァー・サウンドとBembe Segueの個性的なソウルフル・ヴォーカルが織り成すコズミックな仕上がりです。
「Moving」
国内盤ボーナス・トラック。Valerie Etienneをフィーチャーしたクラブジャズらしいダンサブルな仕上がり。
Two Banks Of Fourの他作品もチェックを!
『City Watching』(2000年)
『Junkyard Gods』(2008年)