発表年:1974年
ez的ジャンル:N.Y.ラテン鍵盤の巨人
気分は... :異色の面白さ!
今回はN.Y.ラテン作品からCharlie Palmieri『ElectroDuro』(1974年)です。
これまで弟Eddie Palmieriの作品は何枚も紹介してきましたが、兄Charlie Palmieriの紹介は初めてになります。
Charlie Palmieri(1927-1988年)はN.Y.生まれの鍵盤奏者。
ニューヨーク・サルサを代表する人気ピアニストEddie Palmieriの兄としても有名ですが、Charlie本人もN.Y.ラテン"鍵盤の巨人"として存在感を示したピアニストです。自身のリーダー作以外にもThe Alegre All Starsでもお馴染みですね。
本作はN.Y.ラテン"鍵盤の巨人"であるCharlie Palmieriがピアノは一切弾かず、全編オルガンをプレイするという異色作です。
プロデュースはHarvey Averne。
レコーディング・メンバーはCharlie Palmieri (leader、org、per)以下、Victor Velazquez(vo)、Rafael Cortijo(congas)、Louie Goicoichea(congas)、Manny Oquendo(timbales)、Mike Collazo(timbales)、Tito Puente(timbales)、Manny Gonzalez(bongos)、Roberto Roena(bongos)、Andy Gonzalez(b)、Israel "Cachao" Lopez(b)、Alberto (Panama) Demercado(tp)、Lou Laurita(tp)、Bobby Nelson(sax、fl)、Adalberto Santiago(coro)、Yayo El Indio(coro)等。
プエルトリコ出身の偉大なパーカッショニストCortijoをはじめ、名うてのラテン・ミュージシャン達が勢揃いしています。
伝統的ラテンとストリート感覚のN.Yラテンがバランス良く配されていますが、Palmieriのオルガンの音色がいいアクセントになっています。
ストリート感のある格好良いラテン・グルーヴ「The Taxi Driver」、強力リズム隊によるノリの良いソン・モントゥーソ「Maracaibo Oriental」、ハイテンション・パーカッシヴ・ラテン・グルーヴ「Las Negritas De Carnaval」、格好良いチャチャチャ「Al Vaiven De Mi Carretta」あたりがオススメです。
鍵盤の巨人によるラテン・オルガン・グルーヴ!
異色作ですが楽しめます。
全曲紹介しときやす。
「Para Caracas Me Voy」
Charlie Palmieri作。本作らしいオルガン・ラテン・グルーヴを楽しめるオープニング。タイトルの通り、ベネズエラの首都カラカスがモチーフになっています。南米有数の犯罪都市のレッテルも貼られているカラカスですが、本演奏では街の賑わいが伝わってきます。
「Swing Y Son」
Arsenio Rodriguez作のソン・モントゥーソ。ノスタルジックなスウィングの少しルーズな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aFxNJbYhCB8
「Vista Hace Fe」
Chano Pozo作。オーセンティックなソンの演奏ですが、オルガンの音色が加わることでいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Jk4mkk_wKX8
「Que Bien Los Haces」
Miguel Angel Amadeo作のボレロ。Victor Velazquezのヴォーカルをフィーチャーしたムーディーなラテン・ワールドをどうぞ!
https://www.youtube.com/watch?v=jbTSWY0Xx34
「Maracaibo Oriental」
Jose Artemio Castaneda作。Beny Moreヴァージョンで知られるソン・モントゥーソ。強力リズム隊によるノリの良いラテン・グルーヴを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=enRX7qv3kVs
「Salazon」
Charlie Palmieri作。オルガンの音色、開放的なホーン・アンサンブル、雰囲気のあるコロが織り成すチャチャチャ。寛いだラテン・グルーヴでリラックスできます。
https://www.youtube.com/watch?v=IzJ15b-aZBw
「Las Negritas De Carnaval」
Charlie Palmieri作。ハイテンションで加速する格好良いラテン・グルーヴ。押し寄せてくるパーカッション・シャワーにテンション上がりまくりです。
https://www.youtube.com/watch?v=8ISMa9AtoMo
「Cuando Te Fuiste De Mi」
Bobby Manrique作のボレロ。オルガン・ボレロ独特の味わいを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=6ErOQt9seh4
「The Taxi Driver」
Charlie Palmieri作。今日的にはこのラテン・ソウルが本作のハイライトでしょうね。ストリート感のあるラテン・グルーヴはかなりキマっています。ミュート・トランペット、サックスのホーン・サウンドもセクシーです。
https://www.youtube.com/watch?v=smh0mEfd4Kw
「Al Vaiven De Mi Carretta」
Antonio Fernandez作。Orquesta Aragonや映画『Our Latin Thing』におけるIsmael Miranda & Orquesta Harlowの演奏でも知られる楽曲ですね。個人的には90年代にAfro Cuban All Starsのヴァージョンで本曲を知りました。ここではオルガンの音色がハマったストリート感のあるチャチャチャに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_Uuvg4uTTeY
Charlie Palmieriの他作品もチェックを!
『Latin Bugalu』(1968年)
『Vuelve El Gigante』(1975年)
『Adelante Gigante』(1975年)
『Impulsos』(1975年)
Charlie Palmieri & Menique『Con Salsa Y Sabor』(1977年)
『The Heavyweight』(1978年)
『Giant Step』(1984年)
Alegre All-Stars『Alegre All-Stars Vol.2 - El Manicero』(1964年)
Alegre All-Stars『Alegre All-Stars Vol.3 - Lost & Found』(1965年)
Alegre All-Stars『Alegre All-Stars Vol.4 - Way Out』(1966年)
Alegre All-Stars『Alegre All-Stars Vol.5 - They Don't Make 'Em Like Us Anymore』(1976年)
Alegre All-Stars『Alegre All-Stars Vol.6 - Perdido/Te Invita 』(1977年)