2017年04月17日

Michael Franks『The Art Of Tea』

都会派男性SSWの代表作☆Michael Franks『The Art Of Tea』
アート・オブ・ティー(紙ジャケット/SHM-CD)
発表年:1976年
ez的ジャンル:都会派男性SSW
気分は... :春はジャジー&メロウで・・・

AORファンから根強い人気の男性シンガーソングライターMichael Franksの出世作『The Art Of Tea』(1976年)です。

カリフォルニア出身の男性シンガーソングライターの紹介は、『Sleeping Gypsy』(1977年)、『Burchfield Nines』(1978年)に続き2回目となります。

本作『The Art Of Tea』(1976年)は、『Sleeping Gypsy』(1977年)と並ぶ代表作であり、ジャズ・フィーリングの良質なシティ・ミュージックで一躍脚光を浴びた出世作としてお馴染みですね。

鉄板すぎるアルバムで僕も6〜7年聴いていませんでしたが、久々に聴いたら春モードにフィットしたので取り上げることにしました。

プロデュースは今年惜しくも逝去したTommy LiPuma。エンジニアはAl Schmitt

レコーディングにはJoe Sample(key)、Wilton Felder(b)、Larry Carlton(g)といったCrusaders勢、John Guerin(ds)、Jerry Seinholtz(congas)、Michael Brecker(ts)、 Dave Sanborn(as)、Larry Bunker(vibe)が参加しています。Nick De Caroがストリングス・アレンジを手掛けています。

決して上手とは言えないFranksのジェントル・ヴォーカルが、Crusaders的ジャジー・メロウ・サウンドと調和しているのがいいですね。主張しすぎないヴォーカルが吉と出た感じです。

シングルになった「Popsicle Toes」「Nightmoves」「Eggplant」「Monkey See-Monkey Do」という前半3曲が注目されることが多いと思いますが、「I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad」「St. Elmo's Fire」あたりも個人的にはオススメです。

ど定番のAOR作品ですが、意外に飽きの来ない1枚かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Nightmoves」
この曲のみMichael Franks作詞/Michael Small作曲。線の細いFranksのジェントル・ヴォーカル、Larry Carltonのジャジー&ブルージー・ギター、Joe Sampleのメロウ・エレピが織り成すオトナのミディアム・チューン。本作の魅力が凝縮されたオープニングです。Dee Dee Bridgewaterがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=KX4sVYTVx7A

「Eggplant」
都会的なジャズ・フィーリングが心地好い爽快メロウ。聴いていると、街へ繰り出したくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=peuy_DcJhp8

「Monkey See-Monkey Do」
都会的なファンキー・フィーリングが実にクールです。David Sanbornがサックス・ソロで盛り上げてくれます。Ringo Starrがカヴァーしていましたね。
https://www.youtube.com/watch?v=EPSHcYbBAf8

「St. Elmo's Fire」
SSWらしい楽曲をメロウ・サウンドで聴かせてくれます。Joe Sampleのエレピの響きがひたすら気持ちいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=bcpGL-fyYQI

本曲はサンプリング・ソースとして大人気です。Fabolous「We Get High」、Logic「We Get High」、Problem feat. T.I. & Snoop Dogg「Roll Up」、Gym Class Heroes「6th Period: Viva La White Girl」、Tanya Morgan feat. Kay「We're Fly」、Smoke DZA feat. Cory Gunz & Big Sant「Crazy Glue」、C-Sick「We Get High」、Fiend feat. Corner Boy P「We Get High」、Issa Gold「Musical Chairs」等のサンプリング・ソースとなっています。
Fabolous「We Get High」
 https://www.youtube.com/watch?v=zkhV1NQg-9A
Logic「We Get High」
 https://www.youtube.com/watch?v=nG1IjDsK9Fs
Problem feat. T.I. & Snoop Dogg「Roll Up」
https://www.youtube.com/watch?v=4N4wGUEuxQ0
Tanya Morgan feat. Kay「We're Fly」
 https://www.youtube.com/watch?v=c4RNqRZF384
Smoke DZA feat. Cory Gunz & Big Sant「Crazy Glue」
 https://www.youtube.com/watch?v=EwjtH-Cqkac
C-Sick「We Get High」
 https://www.youtube.com/watch?v=T_5ucWqZE8Q
Fiend feat. Corner Boy P「We Get High」
 https://www.youtube.com/watch?v=aRx8tbGqyHg
Issa Gold「Musical Chairs」
 https://www.youtube.com/watch?v=Z-j5Du4VmYk

「I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad」
個人的には一番のお気に入り。程良くパーカッシヴなジェントルなメロウ・チューンです。ここでもJoe Sampleのエレピに魅せられます。フリーソウル好きの人は気に入る1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=2KL_rYttA5o

「Jive」
Michael Breckerのテナー・サックスも加わった小粋なジャズ・フィーリングにセンスの良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=sSQ4FwdXrCE

「Popsicle Toes」
シングル・カットされ、全米チャート第43位になった代表曲。本作らしいシティ感覚を存分に楽しめるジャジー・メロウ。ヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。The Manhattan TransferやDiana Krall等がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=3VGZ6M6t4vA

「Sometimes I Just Forget To Smile」
寛いだ気分にさせてくれる小粋なファンキー・メロウ。Ben Sidranあたりと一緒に聴きたくなるサウンドですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QqtmSVT42V8

「Mr. Blue」
ラストはJoe Sampleピアノをバックに、哀愁バラードで締め括ってくれます。David Sanbornのサックスが哀愁気分を高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=DKuMRCrG6lA

Ginuwine「So Anxious」、Styles of Beyond feat. Space Boy Boogie X「Hollograms」のサンプリング・ソースとなっています。
Ginuwine「So Anxious」
 https://www.youtube.com/watch?v=DHpUtOcwhyU
Styles of Beyond feat. Space Boy Boogie X「Hollograms」
 https://www.youtube.com/watch?v=1gVzACCZy5Q

Michael Franksの他作品もチェックを!

『Sleeping Gypsy』(1977年)
スリーピング・ジプシー(紙ジャケット/SHM-CD)

『Burchfield Nines』(1978年)
シティ・エレガンス(紙ジャケット/SHM-CD)

『Tiger in the Rain』(1979年)
タイガー・イン・ザ・レイン(紙ジャケット/SHM-CD)

『One Bad Habit』(1980年)
N.Y.ストーリー(紙ジャケット/SHM-CD)

『Objects of Desire』(1982年)
愛のオブジェ(紙ジャケット/SHM-CD)

『Passionfruit』(1983年)
パッションフルーツ(紙ジャケット/SHM-CD)
posted by ez at 01:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Tommy LiPuma、素晴らしいプロヂューサーでしたね。
かつ、美声の持ち主でした。
Posted by ドコドン at 2017年04月17日 17:17
☆ドコドンさん

ありがとうございます。

Tommy LiPuma関連の作品にはずいぶん世話になりました。
彼の手掛けた作品を聴き続けることが供養かもしれませんね。
Posted by ez at 2017年04月19日 02:56
こんばんは。
私はマイケル・フランクス、ベスト盤から入ったクチですが、その中でも本作収録の「Eggplant」「Monkey See, Monkey Doo」が大好きでした。本作発表からもう40年以上経過しているとは思えないくらい、今聴いても色あせない名作ですね。
(それにしてもezさんの長年、精力的に記事をアップされている姿勢、同じ音楽ブロガーとして脱帽する思いです…)
Posted by 240 at 2017年04月19日 23:14
☆240さん

お久しぶりです。

久々に聴き直して、魅力を再認識できました。
ジャズ・フィーリングが今の季節にフィットする1枚ですね。

ブログ開設から10年以上経ちますが、すっかり生活習慣となりました。

手間もかかりますが、趣味の世界なので苦にならないみたいです。
好きな音楽に没頭できる時間を日々作ることが、
心身のリフレッシュになっているのだと思います。

お互い音楽ブロガー生活をこれからも楽しみましょう!
Posted by ez at 2017年04月20日 12:31
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