発表年:1976年
ez的ジャンル:ディスコ/ソウル系キュート女性ヴォーカル
気分は... :エンジェル・ヴォイス!
今回は黒人女性シンガーKellee Pattersonが1976年にリリースした2ndアルバム『Kellee』です。
シカゴ生まれ、インディアナ州ゲイリー育ちでミス・アメリカにノミネートされた経歴も持つ美人シンガーKellee Pattersonの紹介は、1stアルバム『Maiden Voyage』(1973年)に続き2回目となります。
Black Jazz Recordsからリリースされた1stアルバム『Maiden Voyage』(1973年)は、ブラック・ジャズ屈指の1枚としてレア・グルーヴ人気作となっています。
2ndアルバムとなる本作『Kellee』は、大きく路線変更したディスコ/ソウル作品であり、『Maiden Voyage』とは全く異なる内容のアルバムですが、『Maiden Voyage』同様にレア・グルーヴ人気作となっています。Kelleeの華のあるキュート・ヴォーカルを存分に満喫できます。
ジャケからして、神妙な表情の『Maiden Voyage』とは真逆な感じですよね!
レコーディング・メンバーは前半4曲と後半5曲で分かれています。
前半4曲はGene Russell(p)、Bill Upchurch(b)、Johnny Kirkwood(ds)、Marlo Henderson(g)、Rick Geragi(congas)によるバッキングです。
後半5曲はRick Bolden(p)、Larry Klein(b)、Carl Burnett(ds)、Danny Jacob(g)、Don Cunningham(congas)によるバッキングです。
また、バック・ヴォーカルでGene Russell、Kimberly Boyer、Ricky Zunigar、Shelly Michelle が参加しています。
アルバムはソウル、ロック、ジャズの有名曲のカヴァーが中心ですが、レア・グルーヴ/フリーソウル好きの人を満足させる選曲・サウンドです。
ハイライトとなるのはレア・グルーヴ人気曲「I'm Gonna Love You Just A Little More, Baby」(Barry Whiteのカヴァー)です。
それ以外にも「What You Don't Know」(Jackson 5)、「I Love Music」(The O'Jays)、「Jolene」(Dolly Parton)、「Time To Space」(Loggins & Messina)といったカヴァー曲は、レア・グルーヴ好きならばグッとくるはずです。
唯一のオリジナル曲「Once Not Long Ago」もフリーソウル的メロウ・グルーヴでかなりイケてます。
『Maiden Voyage』とは異なるKellee Pattersonの魅力を楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「I'm Gonna Love You Just A Little More, Baby」
Barry White作。全米チャート第3位となったBarry Whiteのヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『I've Got So Much to Give』(1973年)に収録されています。本ヴァージョンは本作のハイライトと呼べるレア・グルーヴ人気曲です。セクシー・モードのKelleeの満喫できるナイスなメロウ・グルーヴに仕上がっています。このオープニングを聴けば、本作が買いの1枚だと思えるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=UstGEU0XTCU
「What You Don't Know」
Gene Marcellino/Gerry Marcellino/Mel Larson作。Jackson 5のヒット曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Dancing Machine』(1974年)に収録されています。パーカッシヴに疾走するスピード感がたまらない、僕好みのファンキー・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3ttpgcxpzAo
「Mister Magic」
Ralph MacDonald/William Salter作。Grover Washington Jr.の人気曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Mister Magic』(1975年)に収録されています。落ち着きのある都会的ファンキー・サウンドを聴かせるバッキングがいい感じの1曲に仕上がっています。特にMarlo Hendersonのギターがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4ALXRHlyXdU
「You Are So Beautiful」
Billy Preston/Bruce Fisher作。Joe Cockerヴァージョンでも知られる名バラードをカヴァー。Billy Prestonのオリジナルはアルバム『The Kids & Me』(1974年)に収録されています。名バラードをしっとりと歌い上げます。Kelleeのヴォーカルに寄り添うMarlo Hendersonのメロウ・ギターもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=cq7WEJ7alYk
「I Love Music」
Kenneth Gamble/Leon Huff作。全米R&Bチャート第1位、ポップチャートでも第5位となったThe O'Jaysの大ヒット・シングルをカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介したアルバム『Family Reunion』(1975年)に収録されています。オリジナルはThe O'Jaysのマイ・フェイヴァリット・ソングなので、本カヴァーも大歓迎です。ダンス・クラシックとして大人気のオリジナルの雰囲気を受け継ぐ、スピード感のあるファンキーなダンス・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=32JgLGy5zMo
「Stop, Look & Listen To Your Heart」
Linda Creed/Thom Bell作。The Stylisticsの名曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『The Stylistics』(1971年)に収録されています。Kelleeのキュートで素直なヴォーカルの魅力を実感できるカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=LyXsCeFkKSE
「Jolene」
Dolly Parton作。Olivia Newton-Johnヴァージョンでもお馴染み、Dolly Partonのカントリー名曲をカヴァー。このカントリー名曲をファンキー・グルーヴで聴かせてくれます。Danny Jacobのファンキー・ギターが先導され、Kelleeのキュート・ヴォーカルも弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=en3_U6tIaQ8
「Time To Space」
Dona Lyn George/Kenny Loggins作。
Loggins & Messinaのカヴァー。オリジナルはアルバム『Mother Lode』(1974年)に収録されています。オリジナル同様、メロウなイントロからギア・チェンジしてファンキーに加速する展開がいいですね。特に本ヴァージョンはパーカッシヴなファンキー・メロウ感がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=w0A4qZU_4Xw
「Once Not Long Ago」
Kellee Patterson/Rick Bolden作。ラストは唯一のオリジナル曲。これが実にフリーソウル的で素敵なメロウ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=H55sLjeKKBM
僕の保有CDはオリジナルの9曲のみですが、最近の再発CDにはボーナス・トラックが追加されています。
未聴の方は1stアルバム『Maiden Voyage』(1973年)もチェックを!
『Maiden Voyage』(1973年)