発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラジリアン・メロウ
気分は... :ビジョンを形に!
今回はの70年代ブラジリアン・メロウ作品Ronie & Central Do Brasil『Ronie & Central Do Brasil』(1975年)です。
Ronie & Central Do Brasilは、ブラジル人ドラマーRonie Mesquita(Ronald Mesquita)が結成したユニット。
Ronie Mesquitaは、Bossa Tres
、Bossa Rio等の活動でも知られるドラマーであり、当ブログではRonald Mesquita名義のアルバム『Brasil 72』(1972年)を紹介しています。
裏ジャケに写るRonie & Central Do BrasilのメンバーはRonie Mesquita(ds)以下、Jayme Rocha(vo)、Ze Carlos(fl、ts)、Jorjao(el-p)、Decio Cardoso(b)、Sonia Burnier(vo)、Octavio Burnierという7名。
Octavio BurnierとSonia Burnierは、偉大なブラジル人ギタリスト/コンポーザーLuiz Bonfaの子供です。当ブログではOctavio BurnierとClaudio CartierというLuiz Bonfaの息子による兄弟デュオBurnier & Cartierのアルバム『Burnier & Cartier』(1974年)も紹介済みです。
プロデュースはAquarius Y Luiz Antonioなどで知られるRaymundo Bittencourt。
全体としては、男女混成ヴォーカルによるブラジリアン・メロウに仕上がっています。セルメンやBossa Rioを、もう少しジャズ/フュージョン寄りにしたような印象です。
ソフトなヴォーカル・ワークを前面に打ち出したメロウ・ポップと、ジャズ/フュージョン的なエッセンスを活かしたグルーヴィーな楽曲がバランス良く配されています。
個人的には「Atoa Atoa」、「Essa Mare」、「Voce Nao Ser」といったグルーヴィーなブラジリアン・メロウがお気に入り。よりソフトな「Remelexo」、「Falsa Baiana」、「Visgo De Jaca」、「Somente O Samba」あたりもオススメです。
ジャケは地味ですが、中身はメロウ満載です。
全曲紹介しときやす。
「Remelexo」
Eduardo Pratts作。Ronieの格好良いドラミングと共に始まるオープニング。♪ダバダバ・スキャットを含むJaymeとSoniaによるソフト・ヴォーカルが栄えるメロウ・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=P9AdqRs6_ME
「Atoa Atoa」
Ivan Wrigg/Octavio Burnier作。本作のハイライトかもしれませんね。爽快に疾走するブラジリアン・メロウです。本作の魅力が凝縮された1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Sr8xxTm6EoA
「Albatroz」
Raymundo Bittencourt作。ミステリアスなイントロに続き、Jorjaoのメロウなエレピを存分に楽しめるインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=81v9pOMkGgs
「Voce Nao Ser」
Ivan Wrigg/Octavio Burnier作。躍動するギター・カッティングが格好良いクロスオーヴァー/フュージョン調のブラジリアン・グルーヴ。
「Falsa Baiana」
Geraldo Pereira作の古典サンバをカヴァー。当ブログではBanda Brasileiraのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンはソフトなヴォーカル・ワークが心地好いメロウ・チューン。Raymundo Bittencourtプロデュースらしい1曲に仕上がっているのでは?終盤にはアフロ・ブラジリアン・サウンドで盛り上げてくれます。
「Visgo De Jaca」
Rildo Hora/Sergio Cabral作。当ブログでも紹介したTamba Trioヴァージョンも知られる楽曲です。セルメン好きの人であれば気に入るであろうブラジリアン・ポップ。ハーモニカ音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GOpWtj039YM
「Somente O Samba」
Beto Quartin/Nelson Lins E Barros作。落ち着きのあるソフト・ヴォーカルにホッとするポップかつ小粋なメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=9jUnBPhwBbg
「Madeira De Lei」
Luis Bandeira作。この曲も爽快ヴォーカル・ワークが心地好いメロウ・チューンです。特にSoniaの可憐な女性ヴォーカルがいいですね。
「Deus Te Acompanhe」
Alberto Arantes/Sergio Bittencourt作。哀愁メロディをしっとりと歌い上げるメロウ・ボッサ。
「Essa Mare」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro作。Ivan Linsのオリジナルは名盤『Modo Livre』(1974年)に収録されています。ラストは哀愁ブラジリアン・グルーヴで締め括ってくれます。もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ICVCxrgbonI
ご興味がある方は、Ronald Mesquita『Brasil 72』(1972年)もチェックを!
Ronald Mesquita『Brasil 72』(1972年)