発表年:2017年
ez的ジャンル:ベルリン産新世代男性R&B
気分は... :自由と創造性・・・
今回は新作アルバムからベルリン産の新世代R&B作品Wayne Snow『Freedom TV』です。
Wayne Snow(本名:Kesiena Ukochovbara)はナイジェリア出身で現在ベルリン在住の黒人男性シンガー・ソングライター。
これまで「Red Runner」(2014年)、「Rosie」(2015年)という2枚の12"シングルをリリースしています。
本作『Freedom TV』は、彼のデビュー・アルバムとなります。
メイン・プロデューサーは「Red Runner」、「Rosie」をプロデュースしたベルリンを拠点とするDJ/プロデューサーMax Graef。それ以外にNeue Grafik、Nu Guineaもプロデューサーとして参加しています。
R&Bとハウス、Hip-Hopブロークンビーツ、アフロ、ビートミュージック等を独自の感性で融合させた音世界は、実に自由で刺激的です。また、儚く甘美な楽曲はオルタナティブR&Bとしても楽しめます。
1枚の中にダンス・ミュージックとオルタナティブR&Bがバランス良く配されているのがアルバムの魅力です。
新世代ミュージシャンらしい多彩なビート感覚は、今ジャズ的な視点からも楽しめるのでは?
全曲紹介しときやす。
「Cooler」
儚く甘美な空気が漂うオープニング。ゆったりとした音世界の中にジワジワと引き込まれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=skqMIHj9tk4
「Still In The Shell」
Wayneの繊細なヴォーカルや孤高の佇まいには、D'Angeloに通じる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=1pTIYPzE0Ws
「Drunk」
新世代ミュージシャンらしいビート感覚を楽しめる1曲。セクシーな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=XdYidu1Dn8Q
「Red Runner」
Wayne Snow流のダンス・ミュージックを楽しめます。流行のディスコ/ブギーとベルリンらしいハウス・フィーリングを融合させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pYM6RfHWZf8
「The Rhythm」
僕の一番のお気に入り。タイトルの通り、リズムの洪水で聴く者を陶酔させます。中毒性のあるダークなダンス。ミュージックです。
https://www.youtube.com/watch?v=x_2M0Mi83mQ
「Rosie」
甘美なセクシーR&B。Wayneのヴォーカルやサウンドに色気が漂います。WayneとMax Graefのセンスを感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=mYLPgfuyB4k
「Fall」
オルタナティブR&B的な魅力を感じる1曲。美しくも儚く落ちていきます。後半のビートミュージック的な展開も面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ART28uWYCiI
「Nothing Wrong」
トライバルなリズムが印象的なソウルフル・ハウス調の仕上がり。本作のダンス・アルバムとしての魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7aMdg4kdT7A
「Freedom R.I.P.」
人権解放運動に尽力したジンバブエの女性詩人Freedom Nyamubaya(1958-2015年)の詩を引用した1曲。ダンサブル・サウンドにのって自由へのメッセージを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8g7U-vg2_zU
「Nothing But The Best」
本編ラストは変則ビートが印象的なオルタナティブR&Bで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MX3U_OitFy8
国内盤CDには「Rosie (Hubert Daviz Remix)」、「Red Runner (Glenn Astro & Imyrmind Remix)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
ご興味がある方は、本作に大きく貢献しているプロデューサーMax Graefの作品をチェックするのも楽しいのでは?ハウス好きにオススメです。
Max Graef & Glenn Astro『The Yard Work Simulator』 (2016年)
私は最近知ったのですが、新世代のR&Bという感じが、非常に良いです。
個人的には最近のトラップ系のミュージシャンよりこういうミュージシャンが増えて欲しいです。
ありがとうございます。
R&Bというジャンルの枠に収まらないのが魅力ですね。
ベルリンという環境に、こういったクロスオーヴァーで面白い音を生む下地があるのかもしれませんね。