発表年:1992年
ez的ジャンル:サンバ・リバイバル
気分は... :佐藤琢磨、歴史的快挙!
今、日本人として初めて世界三大レースの一つ「インディ500」を制した佐藤琢磨の勇姿を再放送で見ながら興奮気味です。
今回はサンバ愛に溢れたブラジル作品Cristina『Resgate』(1992年)です。
CristinaことCristina Buarqueは1950年サンパウロ生まれの女性シンガー。
Chico Buarqueを兄に、Miucha(Joao Gilbertoの元妻、Bebel Gilbertoの母)を姉に持つ音楽ファミリーの女性シンガーです。
1974年に初ソロ・アルバム『Cristina』をリリース。その後リオのサンバ・アーティストとの交流しながら、サンバ愛を深めていきます。
そんなCristinaのサンバ愛を反映した1枚が本作『Resgate』(1992年)です。
再発CD帯には1988年作品とありますが、国内盤は1992年リリース、本国ブラジルでは1994年リリースだと思います。
本作では名門エスコーラ、ポルテーラのベテラン・サンビスタが集まったグループVelha Guarda da Portelaをゲストに迎えるなどして、Cristinaが隠れたサンバ名曲の数々を歌い上げます。
また、Cristinaと交流が深かったものの、レコーディングの前年に逝去したサンバ・アーティストMauro Duarteの作品を3曲取り上げ、哀悼の意を示しています。
とにかく伝統サンバへの愛情に満ちた1枚です。
ノスタルジックな味わいがセンチメンタル気分を高めてくれるのがいいですね。
サンバに真摯に向き合うCristinaの思いが伝わってくる素敵なサンバ作品です。
全曲紹介しときやす。
「Amor Proibido/Eu Perdi Voce/Adeus, Eu Vou Partir」
Velha Guarda da PortelaのメンバーManaceiaとその兄弟であるAniceto、Mijinha(二人とも既に故人)の楽曲をメドレーで歌います。Manaceia、Cristina、さらにはManaceiaらの古くからの仲間Monarcoがリード・ヴォーカルをとります。
https://www.youtube.com/watch?v=40f6CCNCGR0
「O Mau Lavrador」
Elton Medeiros/Delcio Carvalho作。Orquestra De Cordas Brasileirasの哀愁メロウな演奏をバックに、Cristinaが切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=D-RvQ-fau68
「Pedem Socorro」
Cartola作。偉大なサンビスタCartolaの未発表曲。ノスタルジックな躍動感がいいですね。終盤には姉Ana de Hollandaもヴォーカルに加わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=R3yMJearURc
「Samba Da Ilusao」
Paulo Cesar Pinheiro作。哀愁サンバをCristinaが雰囲気たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8DWthQQ-c9Y
「Carioca Da Gema」
Mauro Duarte/Paulo Cesar Pinheiro作。作者Paulo Cesar Pinheiroも参加しています。リオ出身のPauloがサンパウロ出身のCristinaに、本物のカリオカを教えているといった感じでしょうか。カラっとした心地よさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vTHiauOWU9Q
「Ficara Comigo」
Nelson Sargento作。別れを歌った哀愁サンバですが、実に雰囲気があります。透明感のあるCristinaのヴォーカルもグッド”
「Quebrei A Jura」
Haroldo Lobo/Milton de Oliveira作。1930年代のヒット曲を楽し気に演奏します。
https://www.youtube.com/watch?v=7r_gyH3OuZQ
「Nunca Mais」
Ivone Lara/Dflcio Carvalho作。Cristinaの哀愁モードの節回しがいいですね。
「Nao Ha Mais Amor」
Aniceto Jose de Andrade作。再びVelha Guarda da Portelaのメンバーが参加しています。ポルテーラの定番曲らしく、息の合った一体感のあるヴォーカルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Twf7NahS8lI
「Coracao Marinheiro」
Marcio Proenca/Paulo Cesar Pinheiro作。アコーディオンが導かれ、哀愁のメロディをCristinaがしっとりと歌い上げます。
「Volta Para A Minha Companhia/Violao Amigo/Eu Pensei/Eu Vou Embora」
Mauro Duarte作品のメドレー。Walter Alfaiateもヴォーカルで加わっています。一体感のある演奏&ヴォーカルでMauro Duarteへのリスペクトを示しています。ラストにはWalter AlfaiateによるMauroへの讃辞の言葉も述べられます。
https://www.youtube.com/watch?v=eoX13fNJlbA
「Resgate」
Mauro Duarte/Paulo Cesar Pinheiro作。1987年に生前のMauro DuarteとCristinaによる自主制作シングルとしてレコーディングした音源で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=39Cgp4nC1o4
Cristina Buarqueの他作品もチェックを!
『Prato E Faca』(1976年)
Cristina Buarque & Henrique Cazes『Samba Sensual (Cancoes De Noel Rosa)』(1995年)
Cristina Buarque e Terreiro Grande『Ao Vivo』(2007年)