
録音年:1972年
ez的ジャンル:ブラックスプロイテーション・サントラ
気分は... :結末はいかに・・・
今回は人気ジャズ・ギタリストGrant Greenをフィーチャーしたブラックスプロイテーションのサントラ『The Final Comedown』(1972年)です。
これまで当ブログで紹介したGrant Green作品は以下の5枚。
『Carryin' On』(1969年)
『Green Is Beautiful』(1970年)
『Alive!』(1970年)
『Visions』(1971年)
『Live at the Lighthouse』(1972年)
本作はBlue Note初のサントラ作品らしいです。きちんと調べた訳ではありませんが意外ですね。
映画はブラック・パンサーをモデルとした黒人グループを描いたブラックスプロイテーションです(Oscar Williams監督)。
楽曲&オーケストレーションをWade Marcus が手掛け、レコーディングにはGrant Green(g)、Cornell Dupree(g)、Richard Tee(p、org)、Grady Tate(ds)、Gordon Edwards (el-b)、Marvin Stamm(tp、flh)、Irving Markowitz(tp、flh)、Harold Vick(ts、as)、Phil Bodner(fl、as、piccolo、oboe)、Ralph MacDonald(congas、bongos)、George Devens(vibe、per)、Eugene Bianco(harp)等が参加しています。
プロデュースはGeorge Butler。
一応、Grant Green名義の作品となっていますが、Wade Marcus によるブラックスプロイテーションのサントラとして聴いた方が楽しめる1枚だと思います。
ブラックスプロイテーションのサントラらしいスリリングでグルーヴィーなサウンドを随所で楽しめます。
「Battle Scene」、「Traveling To Get To Doc」、「Afro Party」、「The Final Comedown」、「Past, Present And Future」あたりが僕のオススメです。
ジャケも含めてブラックスプロイテーション好きの人は手元に置きたい1枚なのでは?
全曲紹介しときやす。
「Past, Present And Future」
序盤はオーケストレーションによる不穏な空気が流れ、その後はマーチ調のファンキー&グルーヴィーな展開となります。緊張感のあるサウンドは映画の内容を象徴しているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=xf3RwZaFfO8
「The Final Comedown」
Grant Greenらしいファンキーなギター・ジャズ・ファンクを楽しめるタイトル曲。
https://www.youtube.com/watch?v=B3entIVDG88
「Father's Lament」
Richard TeeのオルガンとGreenのギターがソウルフルに響きます。なかなか味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=gVc8_b2vwug
「Fountain Scene」
美しいホーン・アンサンブル&ストリングスが印象的なサントラらしい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=xxiMprePISA
「Soul Food-African Shop」
前半はソウルフルなリラックス感が印象的な演奏です。中盤以降はアフロ・パーカッシヴな展開へ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=hJbXUrteTmE
「Slight Fear And Terror」
Ralph MacDonaldのコンガが不気味に響くブラックスプロイテーションのサントラらしい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=w6eikLkuT4w
「Afro Party」
Harold Vickのサックスが活躍するグルーヴィーなジャズ・ファンク。レア・グルーヴらしい演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=o8OtAzuxELk
「Luanna's Theme」
メロウ・ギターとオーケストレーションによる美しい演奏は一時の平穏といったムードです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ygb-JDuAYOo
メロウ・ギターのイントロはDigable Planets「Black Ego」 のサンプリング・ソースとなっています。
Digable Planets「Black Ego」
https://www.youtube.com/watch?v=NbMGHEQNmgo
「Battle Scene」
シングルにもなりました。緊張感のあるリズムにGreenのワウワウ・ギターが絡むスリリングな展開はブラックスプロイテーションらしさ全開です。。
https://www.youtube.com/watch?v=Ah2pkB0rCHc
「Traveling To Get To Doc」
僕の一番のお気に入り。ラテン・フレイヴァーの効いたパーカッシヴ・サウンドが全開です。
https://www.youtube.com/watch?v=i_l4gqX7e28
「One Second After Death」
ラストは悲劇的な結末をイメージさせるサウンドで寂しげな余韻があります。
https://www.youtube.com/watch?v=1uC1gbLBBJo
Grant Greenの過去記事もご参照下さい。
『Carryin' On』(1969年)

『Green Is Beautiful』(1970年)

『Alive!』(1970年)

『Visions』(1971年)

『Live at the Lighthouse』(1972年)
