発表年:2001年
ez的ジャンル:ブラジル人女性SSW
気分は... :今さらながら・・・
人気ブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyce(Joyce Moreno)が2001年にリリースした『Gafieira Moderna』です。
これまで当ブログで紹介したJoyce作品は以下の8枚。
『Feminina』(1980年)
『Agua e Luz』(1981年)
『Tardes Cariocas』(1983年)
『Music Inside』(1990年)
『Hard Bossa』(1999年)
Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
『Bossa Duets』(2003年)
『Tudo』(2012年)
本作『Gafieira Moderna』は『Hard Bossa』(1999年)に続く、UKの人気レーベルFar Out Recordingsからの第二弾アルバムとなります。
Far Outの総帥Joe Davisがエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ね、Joyce本人がプロデュースしています。
レコーディングにはJoyce(vo、g)、旦那様のTutty Moreno(ds)、娘のAna Martins(back vo)をはじめ、Jorge Helder(b)、Lula Galvao(g、cavaquinho)、Marcos Suzano(per)、Teco Cardoso(bs、fl)、Nailor Proveta(as、clarinet)、Vittor Santos(tb)、Eduardo Neves(ts、fl)、Nilton Rodrigues(tp、flh)が参加しています。さらにゲストとしてElza Soaresの名がクレジットされています。
話が脱線しますが、Joyceの娘であるAna Martinsと、ハウス界のレジェンドLouie Vegaの奥方Anane Vegaが同一人物であることを、恥ずかしながら最近知りました。
Ana MartinsがJoyceの娘でClara Morenoの妹であることも知っていたし、Anane Vegaについても初ソロ『Selections』(2006年)を当ブログで紹介するなど気になる女性ヴォーカリストでした。実際、それぞれの名は当ブログでも何度も登場していましたが、別ジャンルだったので全然結びついていませんでした。
話を本作『Gafieira Moderna』に戻すと、アルバム・タイトルにはクラブミュージックとブラジルの伝統的なダンスホール"ガフィエイラ"の橋渡し的な意味が込められているようです。
アルバムの内容もそうしたコンセプトを反映した内容に仕上がっています。ブラジル音楽ファンもクラブ世代の人も魅了するJoyceらしい音世界を楽しめます。
サンバ/アフロ・サンバの先人達も捧げられた「Forcas D'Alma」、アルバム・コンセプトを象徴する「Pega Leve」、Elza Soaresがゲスト参加した「Samba Da Silvia」、グルーヴィーな「Bota De Sete Leguas」、爽快グルーヴ「Diz Que Eu Tambem Fui Por Ai」、スキャットが栄える「Azul Bahia」あたりがオススメです。
楽曲はすべてJoyceのオリジナルです(共作含む)。
全曲紹介しときやす。
「Forcas D'Alma」
Clementina De Jesus、Moacir Santos、Baden Powellというサンバ/アフロ・サンバの先人達も捧げられたオープニング。JoyceとLula Galvaoが奏でる美しくもミステリアスな弦の響きに魅了されます。このオープニングを聴けば、本作の充実ぶりが一発で分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=0PG_OKKKXZM
「Na Casa Do Villa」
♪心の中の耳が大事♪というミュージシャンとしての基本スタンスをJoyce節で歌い上げます。
「Pega Leve」
「DJ」「サンプリング」「ドラムンベース」なんて言葉も飛び出す、Far Out作品らしい1曲。クラブミュージックと"ガフィエイラ"の橋渡しするアルバム・コンセプトを反映した1曲に仕上がっています。気の利いたホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=4AuT8Q-5c5w
「The Band on the Wall」
英語で歌われるボッサ・グルーヴ。瑞々しい魅力があります。涼しげなフルートの音色がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=U_myL_9KJ0c
「Samba Da Silvia」
Joyce/Silvia Sangirardi作。Elza Soaresがゲスト参加したサンバ。圧倒的な存在感のあるElza Soaresの歌声による下町サンバ感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=WciX5bMpB-o
「Bota De Sete Leguas」
Joyceがクラブ世代からも支持が高いのが頷けるグルーヴィーな仕上がり。Lula Galvaoのギター、Teco Cardosoのバリトン・サックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vBClS4kwKz4
「Risco」
Lea Freire/Joyce作。50代になっても透明感を失わないJoyceの歌声の魅力を実感できる1曲。神秘的な美しさに包まれた仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=UQ-5s6zLRE8
「Diz Que Eu Tambem Fui Por Ai」
『Feminina』がお好きな人であれば気に入るであろうスキャット入りの爽快グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=Rsx0hFxu-4I
「Azul Bahia」
スキャットのみのインスト曲ですが、Far Out作品らしい雰囲気の漂うグルーヴィーな仕上がりです。スキャットに寄り添うクラリネットの音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cgZ_K67UydE
「Quatro Elementos」
Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。Paulo Cesar Pinheiroによるミステリアスな詩を、ベテランならではの語り口で歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=uHTnz7vDVAY
Joyceの過去記事もご参照下さい。
『Feminina』(1980年)
『Agua e Luz』(1981年)
『Tardes Cariocas』(1983年)
『Music Inside』(1990年)
『Hard Bossa』(1999年)
Joyce & Banda Maluca『Just A Little Bit Crazy』(2003年)
『Bossa Duets』(2003年)
『Tudo』(2012年)