2017年06月28日

Greetje Kauffeld『And Let The Music Play』

再評価の高いヨーロピアン女性ジャズ・ヴォーカル作品☆Greetje Kauffeld『And Let The Music Play』
アンド・レット・ザ・ミュージック・プレイ
発表年:1974年
ez的ジャンル:ヨーロピアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :ビッグバンド・ジャズの魅力・・・

今回は70年代ヨーロピアン女性ジャズ・ヴォーカルからGreetje Kauffeld『And Let The Music Play』(1974年)です。

クラブ方面で再評価の高い1枚です。

Greetje Kauffeldは1939年オランダ、ロッテルダム生まれの女性シンガー。

1959年にプロのシンガーとして活動を開始し、60年代にはドイツやハリウッドのショービジネス界でも活動しました。1970年に母国オランダに戻り、シンガーとしての活動を続けました。

本作『And Let The Music Play』(1974年)は、Joop De Rooがプロデュースし、ドイツのケルンでレコーディングされた作品です。

レコーディングにはAck Van Rooyen(tp)、Eddie Engels(tp)、Palle Mikkelborg(tp)、Rick Kiefer(tp)、Erik Van Lier(tb)、Jiggs Whigham(tb)、Rudi Bosch(tb)、Ake Persson(tb)、Ferdinand Povel(sax)、Herb Geller(sax)、Herman Schoonderwalt(sax)、Piet Noordijk(sax)、Wilton Gayner(sax)、Frans Elsen(p)、Rob Franken(org)、Wim Overgaauw(g)、Rob Langereis(b)、 Tony Inzalaco(ds)、Claudio Szenkar(per)、Sabu Martinez(per)といったミュージシャンが参加しています。

ビッグバンドらしいサウンド、アレンジが栄えるヨーロピアン女性ジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。

再評価が高まったのは、「Day By Day」「Cabaret」「Tristeza」「A Time For Love」といったクラブ受けしそうなグルーヴィー、ボッサな楽曲が収録されているためです。個人的にもこの4曲に惹かれました。

それ以外であれば、「Mr. Bojangles」(Jeff Walkerのカヴァー)が他の曲にはない独特の雰囲気があってオススメです。

グルーヴィー&ボッサなヨーロピアン・ジャズがお好きな人であればフィットする1枚だと思います。

また、ビッグバンド・ジャズの魅力を再認識させてくれる1枚でもあります。

全曲紹介しときやす。

「This Is All I Ask」
Gordon Jenkins作。Tony Bennett、1963年のヒット曲として知られる楽曲をカヴァー。しっとりとしたムーディーなオトナのミディアム・バラードがオープニングです。

「Day By Day」
Stephen Schwartz作のポピュラー・スタンダードをカヴァー。今日的には「Tristeza」と並ぶハイライトですね。グルーヴィー・サウンドと可憐なGreetjeのヴォーカルがよくマッチしています。中盤以降はビッグバンドらしいホーン・アンサンブルでも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1dxm1pdH4zk

「Cabaret」
John Kander作。ブロードウェイ・ミュージカル『Cabaret』の主題歌。Liza Minnelliが主演を演じた映画も有名ですね。ここではパーカッシヴ&グルーヴィーなオルガン・モッド・ジャズのグッド・カヴァーで楽しませてくれます。Ferdinand Povelのテナー・サックス・ソロもキマっています。

「By Myself」
Arthur Schwartz/Howard Dietz作によるジャズ・スタンダードをカヴァー。ヴォーカルとストリングスのみのアレンジで、Greetjeのシンガーとしての表現力を堪能できるバラードに仕上がっています。

「Tristeza」
Haroldo Lobo/Niltinho作のブラジリアン名曲をカヴァー。本作のハイライトの1つ。当ブログではBirgit LystagerSergio Mendes & Brasil'66Elis Regina、、Carlos LyraSonido 5Lill Lindforsのヴァージョンを紹介済みです。ヨーロピアン女性シンガーという点で、Birgit LystagerLill Lindforsのヴァージョンがお手本になっているのでは?可憐なGreetjeのヴォーカルが栄える楽曲ですね。本作らしいビッグバンド的な盛り上げ方がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=gpt_H4M_5is

「The Greatest Performance」
Steve Allen作。ホーン&ストリングスをバックに哀愁バラードを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=G7e7cir3SAM

「A Time For Love」
映画『An American Dream』(1966年)挿入歌をカヴァー(Johnny Mandel/Paul Francis Webster作)。ここではボッサ調のグルーヴとエレガントなオーケストレーションをバックに、Greetjeがオトナなジャズ・ヴォーカルを聴かせてくれます。

「Morenal」
Jose Luiz Amalio作。ポルトガル語で歌われるしっとりとしたボッサ・チューンです。サンセットな雰囲気が似合います。

「Mr. Bojangles」
男性カントリーSSW、Jeff Walkerの楽曲をカヴァー。Nitty Gritty Dirt Bandなどもカヴァーした楽曲です。女性SSW風の仕上がりですが、ブルース、R&B、ジャズ、フォーキーが融合した素敵なクロスオーヴァー感がいいですね。他の曲にはない雰囲気があって好きです。

「You And I」
Leslie Bricusse作。Petula Clarkが歌った映画『Goodbye, Mr. Chips』(1969年)の挿入歌をカヴァー。スケール感のある素敵なポップ・バラードを堂々と歌い上げて締め括ってくれます。

ご興味がある方はGreetje Kauffeldの他作品もチェックを!

『Young Girl Sunday Jazz』(2015年)  ※60年代音源のコンピ
Young Girl Sunday Jazz

『Heaven's Open』(2012年) ※バラード集コンピ
Heaven's Open
posted by ez at 01:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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