発表年:1975年
ez的ジャンル:独創系女性SSW
気分は... :夏草の誘い・・・
人気女性シンガー・ソングライターJoni Mitchellが1975年にリリースした8thアルバム『The Hissing Of Summer Lawns』です。
独創的で研ぎ澄まされた感性を持つ女性シンガー・ソングライターJoni Mitchellについて、これまで当ブログ紹介したのは以下の6枚(発売順)。
『Clouds』(1969年)
『Blue』(1971年)
『For The Roses』(1972年)
『Court and Spark』(1974年)
『Hejira』(1976年)
『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)
約6年ぶりのJoni Mitchellの紹介です。僕の中では、Joni Mitchellという人は、いつ聴いても新鮮な印象を受ける数少ないアーティストの一人のはずなのですが、こんなに間隔が空いていたとは気づきませんでした。
『The Hissing Of Summer Lawns』(1975年)は、ライブ・アルバム『Miles of Aisles』(1974年)に次ぐアルバムですが、スタジオ作としては『Court and Spark』(1974年)に続く作品となります。プロデュースはJoni Mitchell自身。
基本的には、『Court and Spark』の路線を受け継ぐ、都会的ジャズ・フィーリングを取り入れたフォーキー作品に仕上がっています。
Joni Mitchell(vo、g、moog、p、key、arp)以下、Graham Nash(back vo)、David Crosby(back vo)、James Taylor(back vo、g)、Robben Ford(g、dobro)、Jeff Baxter(g)、Larry Carlton(g)、Joe Sample(el-p、key)、Wilton Felder(b)、Victor Feldman(el-p、congas、vibes、key、per)、John Guerin(ds、moog)、Max Bennet(b)、Chuck Findley(tp、flh)、Bud Shank(sax、fl)、The Warrior Drums of Burundi等がレコーディングに参加しています。
個人的には、メロウな魅力の「Edith And The Kingpin」、今回聴き直して一番グッときたフォーキー・バラード「The Boho Dance」、かつての恋人であった名だたるミュージシャン達がバック・コーラスを務める「In France They Kiss On Main Street」、Joniらしい世界観が反映された「Shades Of Scarlett Conquering」、少し愁いを帯びたタイトル曲「The Hissing Of Summer Lawns」あたりがオススメです。
「Centerpiece」以外はすべてJoniのオリジナルです(共作含む)。
自作イラストによるジャケも秀逸ですね!
改めて、Joni Mitchellというアーティストの才能に惚れ直してしまいました。6年間もご無沙汰しててゴメンナサイ・・・
全曲紹介しときやす。
「In France They Kiss On Main Street」
『Court and Spark』収録の「Free Man in Paris」を彷彿させるフランスをテーマにしたオープニング。
Joni姉さんらしいメロディを楽しめます。ギターはRobben FordとJeff Baxter。Graham Nash、David Crosby、James Taylorという、かつての恋人が一堂に会してバック・ヴォーカルを務めるのも痛快です。
https://www.youtube.com/watch?v=sEgcHrbyTgk
「The Jungle Line」
The Warrior Drums of Burundiによるアフリカン・ドラムをフィーチャーしたトライバル・フォーキー。Adam & the Antsが登場する以前に、こんなビートを先取りしていたJoni姉さんに脱帽です。
https://www.youtube.com/watch?v=vF2_1Jfgo4I
「Edith And The Kingpin」
今日的にアルバムで一番人気の高い曲はコレなのでは?Joe SampleのエレピやLarry Carltonのギター等が彩る素敵なメロウ・フォーキーです。
https://www.youtube.com/watch?v=h7FP4FEDWrA
Defari「Lowlands Anthem, Pt. 1」、Chubb Rock, Lil' Dap, Edo G & Paw Dukes「Rich Get Rich」、Elzhi「Stunted Growth」、Chino XL feat. Jared Gosselin「Can Be」等のサンプリング・ソースとなっています。
Defari「Lowlands Anthem, Pt. 1」
https://www.youtube.com/watch?v=vNBfkBANDDI
Chubb Rock, Lil' Dap, Edo G & Paw Dukes「Rich Get Rich」
https://www.youtube.com/watch?v=1OEpnj2IVEQ
Elzhi「Stunted Growth」
https://www.youtube.com/watch?v=HiNx0HKvoqU
Chino XL feat. Jared Gosselin「Can Be」
https://www.youtube.com/watch?v=zxT3aVMWPSk
「Don't Interrupt The Sorrow」
Joniらしいメロディ&節回しとジャズ・フィーリングのサウンドがよくマッチしています。そんな中でRobben Fordのドブロがいいアクセントになっていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=fQQA5KtDCOs
Brad Mehldauがカヴァーしています。また、P.M. Dawn「Forever Damaged (The 96th)」のサンプリング・ソースとなっています。
P.M. Dawn「Forever Damaged (The 96th)」
https://www.youtube.com/watch?v=DZ3cqULexbw
「Shades Of Scarlett Conquering」
Joniらしい世界観がよく反映された1曲。ストリングスと共にJoniの歌声が聴く者を包み込んでいきます。Victor Feldmanのヴァイヴの響きも心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=1O3AL4c7HDQ
Martha & the Muffinsがカヴァーしています。また、Andres「Just a Player」、Moka Only & Ayatollah「Afford the Best」のサンプリング・ソースとなっています。
「The Hissing Of Summer Lawns」
Joni Mitchell/John Guerin作。少し愁いを帯びたタイトル曲。都会的ジャズ・フィーリングのサウンドの中には、少しミステリアスな雰囲気も漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=erQUlp6GYno
Funky Bummer feat. Anne Beadleがカヴァーしています。また、Afront「Czas Sie Zastanowic」、Hoodie Allen「Chasing My Dream」のサンプリング・ソースとなっています。
「The Boho Dance」
Joni印100%のフォーキー・バラード。今回久々に聴いて一番グッときた曲かもしれません。凛とした中に柔らかさがある感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=mQc-reJOQ8A
Bjorkがカヴァーしています。
「Harry's House/Centerpiece」
自作の「Harry's House」とJon Hendricks/Harry Edison作の「Centerpiece」のメドレー。前半はフォークとジャズの見事な融合がいい感じです。後半は完全にジャズ・シンガー・モードになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RS0wzDMfzOQ
「Sweet Bird」
正攻法のフォーキー・チューン。飾り気のないJoni Mitchellワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=0DAqsC1ZhoU
「Shadows And Light」
ラストはアープ・シンセとオルガンのみのバックで、多重録音による素晴らしいヴォーカル・ワークを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ty_7d-qwYxs
Joni Mitchellの過去記事もご参照下さい。
『Clouds』(1969年)
『Blue』(1971年)
『For The Roses』(1972年)
『Court and Spark』(1974年)
『Hejira』(1976年)
『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)