発表年:1964年
ez的ジャンル:偉大なブラジル人ギタリスト系イージー・リスニング
気分は... :8月突入・・・
今回はブラジル出身の偉大なギタリストLaurindo Almeidaの『Guitar From Ipanema』(1964年)です。
Laurindo Almeida(1917-1995年)はブラジルを代表する世界的ギタリスト。クラシック、ジャズ、ラテンと幅広い分野で長きに渡り活躍しました。
膨大なレコーディング作品を残している人ですが、ボサノヴァな魅力に満ちた本作『Guitar From Ipanema』(1964年)は今日ポピュラーなLaurindo Almeida作品の中の1枚だと思います。
レコーディング・メンバーはLaurindo Almeida(g)以下、Jack Marshall(g、whistling)、Al Hendrickson(g)、Djalma Ferreira (org)、Harry Klee(fl)、Justin Gordon(fl)、George Fields(harmonica)、Fafa Lemos(violin)、Irene Kral(vo)。
アルバム全体としては、ボサノヴァ/ジャズ・サンバ調のイージー・リスニングといった印象です。
曲構成としては、ボサノヴァ名曲カヴァーとオリジナルが半々となっています。アルバム全編をカヴァーが占めるのではなく、オリジナルも半分混ぜているあたりに、単なるイージー・リスニング・アルバムではない魅力があると思います。
と言いつつ、目立つのは「The Girl From Ipanema」、「Manha De Carnaval」といったボサノヴァ名曲カヴァーです。Almeidaのギターが魅力的なのは勿論ですが、前者ではJack Marshallの口笛、後者ではGeorge Fieldsのハーモニカがいい味出しています。
オリジナルではジャズ・サンバ調の「Sarah's Samba」、素敵なボサノヴァ「Choro For People In Love」がオススメです。
また、「Winter Moon」、「Old Guitaron」ではIrene Kralの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。
参加メンバーFafa Lemosのオリジナル「The Fiddler's Wolf Whistle」も完成度の高いイージー・リスニングです。
ジャケも含めてサマー・モードの素敵なイージー・リスニング作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Girl From Ipanema」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作の名曲「イパネマの娘」をカヴァー。お馴染みの名曲をAlmeidaのギターとJack Marshallの口笛がリードするジャズ・サンバ調の極上イージー・リスニングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PMIEx24G5BQ
本曲について、当ブログではTamba Trio、Agustin Pereyra Lucena、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Roberto Menescal、Bossacucanova & Roberto Menescal、Sheila Landis/Rick Matle、Papik、Trio 3D、Freddie McCoyのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!
「Manha De Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」をカヴァー。絶品の哀愁ギターにグッときます。George Fieldsのハーモニカもいい味出しています。サイコーのイージー・リスニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=2-GKRUWRLhU
本曲について、当ブログではDexter Gordon、Gerry Mulligan、Balanco、Astrud Gilberto、Jack Marshall & Shelly Manne、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Oscar Peterson、Akua Allrich、Claude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Seven、Diana Panton、Country Comfort、Isabelle Aubret、O Quarteto、Quarteto Formaのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!
「Sarah's Samba」
Laurindo Almeida作。「The Girl From Ipanema」と同タイプの軽快な哀愁ジャズ・サンバ。フルートの音色が似合う演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=31qzEMGYg40
「Winter Moon」
Laurindo Almeida/Portia Nelson作。Irene Kralのヴォーカルをフィーチャーしたロマンティックな仕上がりです。タイトルは冬モードでしが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=fy5cPmS8A6c
「Izabella」
Djalma Ferreira作。グルーヴィーなオルガンにAlmeidaのギターが絡む軽快なジャズ・サンバ。Walter Wanderleyあたりとセットで聴きたくなる音です。
「Choro For People In Love」
Laurindo Almeida作。(ジャズ・サンバではなく)ボサノヴァを期待する人にはコレが一番雰囲気があるのでは?
「Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado)」
Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲をカヴァー。さり気ないですが品のいいボサノヴァにまとまっています。
本曲について、当ブログではJoanie Sommers、Cannonball Adderley、Wanda Sa(Wanda De Sah)、Mario Castro-Neves & Samba S.A.、Diane Denoir/Eduardo Mateo、Earl Okin、Dardanelles、Cassandra Wilson、O Quarteto、Jon Hendricks、Genai、Tillery
のカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!
「Old Guitaron」
Johnny Mercer/Laurindo Almeida作。Irene Kralのヴォーカルをフィーチャー。哀愁モードのサウンドにIreneの声質がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=9sa1nzeSX_c
「Um Abraco No Bonfa」
Joao Gilberto作。『Getz/Gilberto Vol. 2』(1966年)にも収録されていた楽曲です。軽快なギター・アンサンブルにJack Marshallの口笛も絡む、実に小気味いい演奏です。
「Twilight In Rio」
Laurindo Almeida作。George Fieldsのハーモニカとフルートがトワイライト気分を盛り上げてくれます。
「The Fiddler's Wolf Whistle」
Fafa Lemos作。ヴァイオリンの軽やかな音色が先導する素敵なボッサ・イージー・リスニングでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=KVvOjziEjYQ
Laurindo Almeidaの他作品もチェックを!
『Viva Bossa Nova!/Ol! Bossa Nova!』(1962/1963年) 2in1CD
Laurindo Almeida Feat. Bud Shank 『Brazilliance Vol. 1/Brazilliance Vol. 2』(1962/1963年) 2in1CD
Sammy Davis, Jr. & Laurindo Almeida 『Sammy Davis, Jr. Sings, Laurindo Almeida Plays』(1966年)
Stan Getz & Laurindo Almeida『Stan Getz With Guest Artist Laurindo Almeida』(1966年)
『A Man and a Woman 』(1967年)
『The Look of Love』(1968年)