発表年:1982年
ez的ジャンル:スウィンギー男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :スウィングしなけりゃ!
今回は80年代の男性ジャズ・ヴォーカル作品からMike Campbell『Secret Fantasy』(1982年)です。
Mike Campbellはハリウッド生まれのUS男性ジャズ・ヴォーカリスト。
自身の作品としては、本作『Secret Fantasy』(1982年)、ジャズ・ピアニストTom Garvinと共同名義の『Blackberry Winter』(1984年)、『One On One』(1994年)、『Easy Chair Jazz』(1994年)、『Loving Friends』(1995年)、『My Romance』(1997年)、『Let's Get Away From It All』(1999年)といったアルバムをリリースしています。
また、当ブログでも紹介したブラジル人アーティストMoacir Santosの『Saudade』(1974年)、『Carnival Of The Spirits』(1975年)といったアルバムへの参加、楽曲提供も印象的です。
さて、本作『Secret Fantasy』(1982年)は、ブラジリアン/ラテン・フィーリングの「And It All Goes Round and Round」、「Soft Strum Blues」といった楽曲で再評価の高い1枚ですが、アルバム自体はスウィンギーな魅力の男性ジャズ・ヴォーカル作品に仕上がっています。
レコーディング・メンバーはMike Campbell(vo)以下、Tom Garvin(p)、Dan Sawyer(g)、John Heard (b)、Peter Donald(ds)、Tom Peterson(ts)、Steve Huffsteter(tp)、Dave Shank(per)。
ちなみに参加メンバーのうち、John Heard 、Steve HuffsteterはMike Campbellと共にMoacir Santos『Saudade』のレコーディングに参加していたメンバーです。
スウィンギーな男性ジャズ・ヴォーカルの魅力を楽しめる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「And It All Goes Round and Round」
Benard Ighner作。オリジナルはJon Lucien『Premonition』(1976年)収録ヴァージョンです。作者Ighner自身のヴァージョンはアルバム『Little Dreamer』(1978年)に収録されています。 前述のように、本作のハイライトと呼べるな高速ジャズ・サンバです。聴いていると、自然と体が動きだしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=p1jnB1dhCqk
「Ya Got Me Crazy for Your Love」
Mike Campbell/Tom Peterson作。リラックスしたスウィンギー感が印象的です。
「Easy Chair」
Mike Campbell/John Heard作。オリジナルのブルージーなバラードですが、男性SSW作品好きの人もグッとくるであろう味わい深い1曲に仕上がっています。
「Honeysuckle Rose」
スウィング・ジャズ黎明期に活躍したジャズ・ピアニストFats Wallerの作品をカヴァー。小粋なビ・バップ調のスキャットでキメてくれます。
「Soft Strum Blues」
Octavio Bailly/Al Jarreau作。「And It All Goes Round and Round」と並ぶハイライト。ラテン・フレイヴァーの軽快なメロウ・グルーヴはサバービア好きの人は間違いなく気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=p6KQNvkjf6Q
「'Round Midnight」
Thelonious Monkの名曲カヴァー。John Heardのベースのみをバックに、Campbellが名曲を歌い上げます。
「Secret Fantasy」
Mike Campbell/John Heard作。都会的サウンドの哀愁バラード。Steve Huffsteterのトランペット・ソロが男の哀愁に満ちていてグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=UcKHejtnw7M
「Little Taste」
Dave Frishberg/Johnny Hodges作。スウィンギーながらもジェントルな雰囲気にグッとくる1曲。
「I Love You in 3/4 Time」
Mike Campbell作。Campbellが夫人のために書いた曲なのだとか。二人の記念日の失敗を書いたユーモラスな作品ですが、そんな雰囲気が曲調からも伝わっています。曲自体は実に軽快で、Campbellの快調なスキャットも楽しめます。
「The Legacy」
Tommy Wolf/Alf Clausen作。バラードをしっとりと歌い上げます。
「I'm Always Drunk in San Francisco」
Tommy Wolf作。John HeardのベースもCampbellのヴォーカルも酔いどれモードです(笑)
「With a Song in My Heart (the Song Is You)」
Lorenz Hart/Richard Rodgers作。1929年のミュージカル『Spring Is Here』挿入歌をカヴァー。スタンダードを軽快スウィンギーに歌い上げます。
CDには「Early」、「Another Star」、「Baseball ( Take Me out to the Ballgame)」、「Dat Dare」、「Songbird」、「Alone Again」、「Mystery」、「Close Enough for Love」、「High Wire」、「Once More」の10曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』収録の名曲カヴァー「Another Star」が目を引きます。
ご興味がある方はMike Campbellの他作品もチェックを!
Mike Campbell & Tom Garvin『Blackberry Winter』(1984年)
『One on One』(1994年)
『Easy Chair Jazz』(1994年)
『Loving Friends』(1995年)
『My Romance』(1997年)
『Let's Get Away From It All』(1999年)