発表年:2010年
ez的ジャンル:イタリアン・ポップ・ジャズ
気分は... :1986年、あの頃の僕は・・・
今回はイタリアを拠点に活動する女性シンガーEly Brunaの1stアルバム『Remember the Time』(2010年)です。
イタリアの人気ポップ・ジャズ・プロジェクトPapikの諸作でフィーチャリングされたことで注目を浴びた女性シンガーEly Brunaの紹介は、2ndアルバム『Synesthesia』(2015年)に続き2回目となります。
彼女に関して、一点、僕の事実誤認があったので訂正を。
てっきりイタリア出身だと思っていましたが、メキシコ生まれ、USA育ち、その後イタリアへ移住というバイオグラフィのようです。
さて、1stソロ・アルバムとなる本作『Remember the Time』(2010年)は、PapikことNerio Poggiがアレンジを担当し、Papik一派らしいポップ・ジャズ・ワールドを展開しています。
1曲を除きカヴァー曲ですが、主に80年代ダンス・ヒットがセレクトされています。このセレクト・センスがイタリアっぽくて面白いですね。有名曲も多いのでオリジナルと聴き比べるのも楽しいと思います。オリジナルから相当変貌しているカヴァーもあります。
個人的には、夏らしいボッサ/メロウ・グルーヴな楽曲に惹かれます。その意味ではCoronaのカヴァー「The Rhythm of the Night」、Rick Astleyのカヴァー「Never Gonna Give You Up」、The RAH Bandのカヴァー「Clouds Across the Moon」、Nu Shoozのカヴァー「I Can't Wait」、Aquaのカヴァー「Barbie Girl」、オリジナルの「1986」、Whitney Houstonのカヴァー「I'm Your Baby Tonight」が僕のオススメです。
Irma Recordsからのリリースです。
夏のバカンス・モードにフィットする1枚です。
全曲紹介しときやす。
「The Rhythm of the Night」
オススメその1。イタリアのダンス系ユニットCorona、1993年のデビュー・ヒットをカヴァー。Papikらしい涼しげなボッサ・アレンジをバックに、Elyの雰囲気のいい艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZMrvbRtewY
「Take on Me」
ノルウェーの人気グループa-ha、1985年の世界的大ヒットをカヴァー。お馴染みのヒット曲をしっとりとしたバラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-_OeutKklWE
「Dolce Vita」
Ryan Paris、1983年のイタロ・ディスコ・チューンをカヴァー。寛いだ雰囲気のオトナ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yMYA13ERBGc
「Never Gonna Give You Up」
オススメその2。UKの人気男性シンガーRick Astley、1987年の世界的大ヒットをカヴァー。Papikらしいセンス全開の秀逸メロウ・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C0Aes_ZyN4M
「Material Girl」
Madonnaの1984年の大ヒットをカヴァー(Peter Brown/Robert Rans作)。ワルツ・ジャズ調の小粋なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LWLo2iBltA4
「Clouds Across the Moon」
オススメその3。The RAH Band、1985年のシングル曲をカヴァー(Richard Hewson作)。ジャズ・サンバなブラジリアン・フィーリングで夏モードにしてくれるグッド・カヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=_RXen-Ll-n0
「I Like Chopin」
日本でも人気を博したGazebo、1983年の大ヒット曲をカヴァー。ミュート・トランペットが絡むしっとりとしたジャジー・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTuNRNF2jg0
「I Can't Wait」
オススメその4。USダンス系ユニットNu Shooz、1986年の大ヒット曲をカヴァー。アコースティックな質感が涼しげな僕好みのメロウ・ボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=NgfDIJvWe9k
「Tarzan Boy」
Baltimora、1985年のイタロ・ディスコ・ヒットをカヴァー。このクセのある楽曲はレゲエ調にカヴァーしています。
「Fresh」
Kool & The Gang、1984年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Emergency』(1984年)収録。オリジナルをイメージして聴くと、予想外な雰囲気のジャジー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6HqJMqoYMdk
「Barbie Girl」
オススメその5。Aqua、1997年のユーロポップ・ヒットをカヴァー。ギターの音色にグッとくる味わい深いアコースティック・バラード。Elyのヴォーカルが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TDhEbugQcQw
「Physical」
Olivia Newton-John、1981年の世界的大ヒットをカヴァー(Steve Kipner/Terry Shaddick作)。アノ有名曲をワルツ・ジャズへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=csgOBXJ8Q4o
「State of the Nation」
N.Y.のシンセ・ポップ・バンドIndustry、イタリアで大ヒットした1983年のシングルをカヴァー。飾らない感じがグッドなアコースティック・カヴァーに仕上がっています。
「1986」
オススメその6。Elisa Barbosa/Nerio Poggi作。ラストはオリジナル作で締め括ってくれます。思い出に浸りたくなるボッサ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=W4vyvPhQ2bI
CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
「The Final Countdown」
スウェディッシュ・ロック・バンドEurope、1986年の世界的大ヒットをカヴァー。しっとりとしたバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Jk4aTc_D1mY
「I'm Your Baby Tonight」
オススメその7。今は亡き歌姫Whitney Houston、1990年の大ヒット曲をカヴァー(L.A. Reid/Babyface作)。ジャズ・フィーリングのダンサブル感が心地好いグッド・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_5eSSSw5Fbg
『Synesthesia』(2015年)