
発表年:1966年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ
気分は... :マリアづくし・・
今回は60年代ジャズ・サンバのピアノ・トリオ作品からManfredo Fest Trio『Alma Brasileira』(1966年)です。
Manfredo Fest Trioは、Manfredo Fest(p)、Mathias Mattos(b)、Heitor Guy(ds)によるジャズ・サンバのピアノ・トリオ。
盲目のピアニストManfredo Festについては、彼がリーダーを務めたSergio Mendes & Brasil '66の弟分グループBossa Rioの作品や70年代のソロ作を紹介済みです。
Bossa Rio『Bossa Rio』(1970年)
Bossa Rio『Alegria!』(1970年)
Manfredo Fest『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
Manfredo Fest『Manifestations』(1979年)
Manfredo Fest Trio名義では、『Manfredo Fest Trio』(1965年)、『Alma Brasileira』(1966年)という2枚のアルバムをリリースしています。
ジャズ・サンバ・トリオの名作の誉れ高いのが2ndとなる本作『Alma Brasileira』(1966年)です。
ジャズ・サンバ・トリオらしい快活さと同時に、どの演奏にもエレガントさを兼ね備えているのがいいですね。Manfredo Festの繊細なタッチにはBill Evansからの影響もあるみたいですね。
こうした特徴を満喫できる「Alma Brasileira」、「Amanha」、「Sonho de um Carnaval」、「Joga a Tristeza no Mar」あたりがオススメです。アフロ・ブラジリアンな「Canto de Ossanha」、ショーロ+クラシックな「Contracanto」あたりも僕の好みです。
ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ好きの方は、ぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Pot-Pourri de Marias」
オープニングは「Maria」 (Ary Barroso/Luiz Peixoto作)、「Manias de Maria」 (Luiz Bonfa/Maria Helena Toledo作)、「Maria Ninguem」 (Carlos Lyra作)、「Eu sem Maria」 (Dorival Caymmi作)、「Sonho de Maria」 (Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作)、「Tres Marias」 (Betinho/Nelson Figueiredo作)というMariasソングのメドレー。小気味良くメリハリのあるメドレーでマリアづくしを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=3fkmTmtv_D4
上記6曲のうち、「Manias de Maria」については、La Nueva Banda De Santistebanヴァージョン、「Maria Ninguem」については、Paul Winter With Carlos Lyraヴァージョン、「Sonho de Maria」については、Conjunto 3D、Elis Reginaヴァージョンを当ブログで紹介済みです。
「Contracanto」
Paulinho Nogueira作。ショーロ+クラシックといった趣の哀愁グルーヴ。エレガントなピアノの美しくも切ないフィーリングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SRuJ6LB2fJA
「Joga a Tristeza no Mar」
Manfredo Fest/Lili Festo作。躍動するピアノとドラムのリムショットが織り成す、美しいジャズ・サンバ・ワールドに魅了されます。
「Amanha」
Walter Santos/Tereza Souza作。当ブログではLuciana Souzaヴァージョンも紹介しています。緩急つけた快活かつ品のあるジャズ・サンバに仕上がっています。Manfredoの小粋なピアノが実にいいですね。Mathias Mattosもベース・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t6D1K4_Qeeg
「Canto de Ossanha」
Baden Powell/Vinicius De Moraes作。明暗のコントラストを含むこの曲の持つアフロ・ブラジリアンは雰囲気をピアノ・トリオで見事に表現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=eEA1RN4ageU
本曲に関して、当ブログでは作者Baden E ViniciusヴァージョンやTamba 4、Quarteto Em Cy、Lill Lindfors、Elis Regina、Toots Thielemans & Elis Regina、Agustin Pereyra Lucena、Rosalia De Souza、Christiane Legrand、The Girls from Bahia、Walter Wanderley、Dorothy Ashbyのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はご参照下さい。
「Alma Brasileira」
Villa Lobos作。クラシック的な演奏でじっくり聴かせますが、中盤のドラマティックな展開がいいアクセントになっています。
「Definitivamente」
Edu Lobo作。僕の一番のお気に入り。このトリオのセンスの良さを実感できるスリリングかつエレガントなジャズ・サンバに仕上がっています。
「Um Abracinho」
Zezinho Alves作。ジャズ・ピアノ作品としても楽しめる美しい仕上がり。Manfredo Festの繊細なタッチにうっとりします。
「Sonho de um Carnaval」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da Viola、Lenita Brunoのカヴァーを紹介済みです。ジャズ・サンバ好きの人であれば魅了されるであろう躍動感とこのトリオならではのエレガントさのバランスが絶妙です。
「Luz Serena」
Mathias Mattos/Newton S. Campos作。ドラムのMathias Mattosの作品ですが、ピアノ・トリオらしい品のある美しい演奏で魅了します。
「Diza」
Johnny Alf作。ラストはエレガントに疾走する素敵なジャズ・サンバで締め括ってくれます。
Manfredo Fest Trioの1stアルバム『Manfredo Fest Trio』(1965年)やManfredo Festの他作品もチェックを!
Manfredo Fest Trio『Manfredo Fest Trio』(1965年)

『Bossa Nova, Nova Bossa』(1963年)

『After Hours』(1972年)
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『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
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『Manifestations』(1979年)
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『Braziliana』(1987年)

『Jungle Cat』(1989年)

『Comecar De Novo』(1995年)

『Fascinating Rhythm』(1996年)

『Amazonas』(1997年)

『Just Jobim』(1998年)
