2017年10月28日

Jim Capaldi『Whale Meat Again』

マッスル・ショールズ勢が大挙して参加した2ndソロ☆Jim Capaldi『Whale Meat Again』
WHALE MEAT AGAIN
発表年:1974年
ez的ジャンル:マッスル・ショールズ系ブリティッシュ・ロック
気分は... :鯨肉賛歌???

今回は70年代ロック・アルバムからJim Capaldi『Whale Meat Again』(1974年)です。

Trafficのドラマーである故Jim Capaldi(1944-2005年)の紹介は、初ソロ・アルバム『Oh How We Danced』(1972年)、3rdアルバム『Short Cut Draw Blood』(1975年)に続き3回目となります。

本作『Whale Meat Again』は、Traffic『When the Eagle Flies』(1974年)に先駆けてリリースされた2ndソロ・アルバムです。

1st『Oh How We Danced』、3rd『Short Cut Draw Blood』と同様に、USアラバマのマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでのレコーディングが含まれます。この3枚はマッスル・ショールズ三部作とでも呼べるかもしれませんね。

まぁ、この時期はTraffic本体がマッスル・ショールズと蜜月状態にあり、実際、『Shoot Out at the Fantasy Factory』(1973年)、『On the Road』(1973年)といったTrafficのアルバムにはDavid Hood(b)、Roger Hawkins(ds)、Barry Beckett(key)というMuscle Shoals Rhythm Sectionの主要ミュージシャンがTrafficの正式メンバーとして参加していました。

話を本作『Whale Meat Again』に戻すと、全7曲中6曲がマッスル・ショールズ録音であり、三部作の中でも最もマッスル・ショールズ色が強い作品となっています。

レコーディングにはJim Capaldi(vo)以下、Pete Carr(g)、Jimmy Johnson(g)、Barry Beckett(p、steel drum)、David Hood(b)、Roger Hawkins(ds)、Muscle Shoals Horns(horns)といったMuscle Shoals Rhythm Section勢、Steve Winwood(org、b)、Rebop Kwaku Baah(conga)といったTrafficの同胞、それ以外にRabbit Bundrick(p、org)、Chris Stainton(org)、Jean Roussel(b)、Chris Stewart(b)、Remi Kabaka(per)、Anthony "Bubs" White(g)、Gaspar Lawal(ds)、Derek Quinn(cabassa)、Potato Smith(back vo)、Laurence Peabody(back vo)、Harry Robinson(strings arr)というミュージシャンが参加しています。

三部作の中では最も地味な存在かもしれませんが、Muscle Shoals Rhythm SectionとCapaldiの蜜月関係を楽しめる1枚です。特にPete Carrのギターが目立っています。

個人的にはファンキーな「Low Rider」「Summer Is Fading」がオススメです。レイドバックなメロウ・バラード「Yellow Sun」、シングルにもなったスティール・ドラム入りフォーキー「It's All Right」もいい感じです。

当時の『鯨肉賛歌』という邦題が凄いですね(笑)

Traffic好き、マッスル・ショールズ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「It's All Right」
シングルとして全米チャート第55位となったオープニング。さり気ないフォーキー・チューンですが、Barry Beckettのスティール・ドラムによるトロピカルなアクセントが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=lPNumFXJTGQ

「Whale Meat Again」
タイトル曲は捕鯨を通して環境問題に言及しています。日本人は耳の痛い内容ですが・・・。ブルージーなサウンドをバックに、Capaldiがソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれます。Pete Carrのギター・プレイが印象的です。

「Yellow Sun」
Capaldiがしみじみと歌い上げるメロウ・バラード。Pete Carrのスライド・ギター、Chris Staintonのオルガンが醸し出すレイドバック・サウンドが実にいいですね。

「I've Got So Much Lovin'」
マッスル・ショールズらしいサウンドで疾走します。ソウルフルな女性コーラス隊やMuscle Shoals Hornsが盛り上げてくれます。

「Low Rider」
個人的には本作のハイライト。これぞマッスル・ショールズ!といったアーシー&ワイルドなファンキー・グルーヴ。Harry Robinsonのストリングス・アレンジやPete Carrのギター・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=5MQzH89VcRs

「My Brother」
シンセ・サウンドが目立つ分、少し他曲とは異なる印象を受けるかもしれませんね。

「Summer Is Fading」
この曲にはMuscle Shoals Rhythm Sectionは不参加。その代わり、Steve Winwood(org、b)、Rebop Kwaku Baah(conga)というTraffic勢が参加しています。「Low Rider」と並ぶ個人的なハイライト。Rebopのコンガが目立つパーカッシヴなファンキー・グルーヴが格好良いですね。Vivian Stanshallのアイデアがベースになっているようです。本曲終了後に隠れトラックとしてストリングスによる「We'll Meet Again」(Hughie Charles/Ross Parker作)が収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=4gYKXgNcODg

マッスル・ショールズ三部作の他の2枚もチェックを!

『Oh How We Danced』(1972年)
Oh How We Danced

『Short Cut Draw Blood』(1975年)
Short Cut Draw Blood
posted by ez at 12:31| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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