発表年:1975年
ez的ジャンル:フィリー・ソウル
気分は... :愛の葛藤・・・
今回は70年代ソウル作品からThe Futures『Castles In The Sky』(1975年)です。
The Futuresは1968年フィラデルフィアで結成された男性ヴォーカル・グループ。メンバーはKenny Crew、James King、John King、Henry McGilberry、Frank Washington(※1972年に加入)という5名。
1975年、Buddah Recordsから1stアルバムとなる本作『Castles In The Sky』をリリースします。
その後、Philadelphia International Recordsへ移籍し、『Past, Present And The Futures』(1978年)、『The Greetings Of Peace』(1980年)という2枚のアルバムをリリースしています。
1stアルバムとなる本作『Castles In The Sky』は、何故かデトロイト録音。しかしながら、中身はフィリー・ソウルらしい1枚に仕上がっています。
JBP(Jimmy Bishop)とJerry Akines/Johnny Bellmon/Reginald Turner/Victor DraytonというThe Formations(Silent Majority、The Corner Boys、Hot Ice)メンバーの4名。さらにDon Davisの名がアソシエイト・プロデューサーとしてクレジットされています。
楽曲はBarbara Mason作の「Ninety Days (In The House Of Love Correction)」を除き、Jerry Akines/Johnny Bellmon/Reginald Turner/Victor Draytonがソングライティングを手掛けています。
また、レコーディングにはMichael Henderson(eb)、Richard Pistol Allen(ds)、Zachery Slater(ds)、 Eddie Willis(g)、Robert White(g)、Jerry Akines(key)、Johnny Griffin(key)、Rudy Robinson(key)、Donnie Lewis (bongos、congas)、John Trudell(horns)といったミュージシャンが参加しています。
人気のスウィート・ソウル「Super Love」、ファンキー・チューン「Castles」、メロウ・ダンサー「Don't Close The Book」、ブラックスプロイテショーン的な「Everyman Is God (But God Is The King)」、再評価の高いモダン・ソウル「Do Unto Others」あたりが僕のオススメです。
再評価の高さが頷ける濃密なソウル作品です。
全曲紹介しときやす。
「Castles」
オススメその1。オープニングはスリリングな長尺ファンキー・チューン。華麗なストリングスとファンキー・リズム隊が生み出す格好良いグルーヴをバックに、実力派グループらしいヴォーカルを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hQqhccyRvwo
「(Love Lives On A) Windy Hill」
男性ヴォーカル・グループらしいファルセットが栄えるスウィート・ソウル。安定感がありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=qDjWIxFD2JI
「Don't Close The Book」
オススメその2。楽曲の良さが光るメロウ・ダンサー。グループの良さもうまく引き出されたバランス良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hQqhccyRvwo
「Super Love」
オススメその3。ファルセットとバリトンによるツイン・リードの絡みがたまらないスウィート・ソウル。本曲を本作のハイライトに推す人も多いのでは?
https://wwwc.youtube.com/watch?v=pW_Wq5G83go ※音質悪いです
Jean Grae「Supa Luv」のサンプリング・ソースとなっています。
Jean Grae「Supa Luv」
https://www.youtube.com/watch?v=DK1DHNY72CM
「I Had A Dream」
オーセンティックなバラードで魅了します。ヴォーカルに抜群の安定感があるので王道が似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=FzYaLvrVfcg
「Everyman Is God (But God Is The King)」
オススメその4。ブラックスプロイテショーン的な雰囲気を持ったスリリング&パーカッシヴなファンキー・チューン。黒いグルーヴ感がたまらなく格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hFi0v6Tj6g4
「Do Unto Others」
オススメその5。再評価の高いモダン・ソウル。男臭いヴォーカルの中にもメロウな味わいがあるのがいいですね。華麗なストリングスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZyJQNFX7rIw
「Love Will Be Around Forever」
永遠の愛を歌うロマンティックなバラード。どこまでもスウィートに迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=DyTN7wAgNhI
「Ninety Days (In The House Of Love Correction)」
Barbara Mason作。ラストはガッツのある男気ファンキー・チューンで締め括ってくれます。
最近の再発CDにはアルバム未収録の7"シングル7曲を含む8曲のボーナス・トラックが追加収録されています。
ご興味がある方は2nd『Past, Present And The Futures』(1978年)、3rd『The Greetings Of Peace』(1980年)もチェックを!
『Past, Present And The Futures/The Greetings Of Peace』(1978/1980年) ※2in1CD