発表年:1974年
ez的ジャンル:最強ブレイク・ビーツ系プロジェクト
気分は... :応用問題・・・
最強ブレイク・ビーツ「Apache」でお馴染み、The Incredible Bongo Bandの2ndアルバム『The Return Of The Incredible Bongo Band』(1974年)です。
音楽界のみならず映画、TVとエンターテイメント業界で幅広く活躍するプロデューサーMichael Vinerが同じくプロデューサーのPerry Botkin Jr.と共に結成したプロジェクトThe Incredible Bongo Bandの紹介は、1stアルバム『Bongo Rock』(1973年)に続き2回目となります。
2ndとなる本作『The Return Of The Incredible Bongo Band』(1974年)は、「Apache」収録の『Bongo Rock』(1973年)ほどの派手さはありませんが、本作でも随所で格好良いブレイクを楽しめます。
ボンゴ叩きまくりのファンキー・グルーヴのオンパレードであった1stに比べて、一歩引いたサウンドも織り交ぜながら少しメリハリをつけた内容に仕上がっています。このあたりの変化は、1stと2ndのジャケの違いにも反映されているのかも・・・
レコーディングにはHal Blane(ds)、Harvey Mason(ds)、Jim Gordon(ds)、Ringo Starr(ds)、King Errisson (per)、Mike Melvoin(clavinet)等が参加しています。
1stの「Apache」のようなキラー・チューンはありませんが、このユニットでしか生み出せないパーカッシヴなファンキー・ワールドを満喫できるはずです。
更に進化したボンゴ・ワールドをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Kiburi」
妖しげな雰囲気のサイケ・ファンキー・チューンがオープニング。1stでは聴けなかった、この2ndならではのサイケ・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=I51z0V2zDFU
「When the Bed Breaks Down, I'll Meet You in the Spring」
ボンゴとドラムのせめぎ合いが生み出す、スリリングで張り詰めた空気感がいいですね。余計なものを削ぎ落としたら、ビートのみが残ったといった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=OfIIthpuYmU
「Sing, Sing, Sing」
Louis Primaが1936年に作曲したスウィング・ジャズ名曲をカヴァー。人気コンピ『Ultimate Breaks & Beats』にも収録されていた楽曲です。ドラム&パーカッションのブレイクが格好良いのは当然ですが、楽曲全体もホーン・サウンドやギターの効いたファンキー・グルーヴとして楽しめます。一歩引いた美学のようなものを感じるファンキー・グルーヴにグッときます。Grandmaster Flash「Turntable Mix (Get Off Your Horse & Jam!)」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0RO2dQQrkB8
「Pipeline」
1962年にヒットしたThe Chantaysのサーフロック人気曲をカヴァー。サーフロック人気曲を抑えたトーンの哀愁メロウで聴かせてくれます。イントロのエレピの音色が印象的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2sG1Hu0sKj8
当ブログでも紹介したGroup Home「Suspended in Time」をはじめ、Lootpack「On Point」、Koushik「Homage」 、The Cool Kids「Good Afternoon」、OB O'Brien「Steve Nash」等のサンプリング・ソースとなっています。
Group Home「Suspended in Time」
https://www.youtube.com/watch?v=ycQoolpbxqk
Lootpack「On Point」
https://www.youtube.com/watch?v=KjDf8DrRkg4
Koushik「Homage」
https://www.youtube.com/watch?v=wXDA6Ou6DuE
The Cool Kids「Good Afternoon」
https://www.youtube.com/watch?v=6PsO0uFtJf4
OB O'Brien「Steve Nash」
https://www.youtube.com/watch?v=6ZORHNmJDjE
「Wipe Out」
The Surfaris、1963年のヒット曲のカヴァー。ギターが牽引するファンキー・グルーヴ。このユニットらしいボンゴのブレイクを存分に楽しめます。「Apache」好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=S1aPNMdYZx4
「Hang Down Your Head Tom Dooley, Your Tie's Caught In Your Zipper」
ボンゴとドラムのバトルで最後まで突き進む、このユニットらしいセッションを満喫しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=t3tdcJdkAWg
格好良いブレイクはFatboy Slim feat. Macy Gray「Love Life」、Meat Beat Manifesto「Hankerchief Head」のサンプリング・ソースとなっています。
Meat Beat Manifesto「Hankerchief Head」
https://www.youtube.com/watch?v=2wsjtUhTIvI
「Topsy Part I. II. III」
グルーヴィーなオルガン、サイケなギターが格好良い三部構成の哀愁チューン。刑事もののアクション映画のサントラにフィットしそうな感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=-onxCGObMeQ
The Bins feat. Bobby Blunt「What in the World」のサンプリング・ソースとなっています。
The Bins feat. Bobby Blunt「What in the World」
https://www.youtube.com/watch?v=N3pAvT5FbO4
「Sharp Nine」
クラヴィネットの音色が印象的なファンキー・グルーヴ。タメの効いたファンキー・サウンド、お約束のブレイク・タイムとこのユニットの魅力をコンパクトに楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=A2yC7GqS_WI
「(I Can't Get No) Satisfaction」
The Rolling Stonesの大ヒット曲をカヴァー。少しテンポを落としたファンキー・サウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xTT6g6y6ex4
「Got The Sun in the Morning and the Daughter At Night」
三度、ボンゴとドラムのバトルです。多くの人はこのバトルを期待して本作を購入していると思うので・・・
「Ohkey Dokey」
本編のラストはブラックスプロイテーションのサントラ風のスリリングなファンキー・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zb9zxbNwCTA
Dan the Automator「Talking Bout Nothin」、Bentley Rhythm Ace「Bentley's Gonna Sort You Out」のサンプリング・ソースとなっています。
Dan the Automator「Talking Bout Nothin」
https://www.youtube.com/watch?v=E8w7S02-zuo
CDボーナス・トラックとして「Ohkey Dokey Part II」が追加収録されています。
未聴の方は、1stThe Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)もチェックを!
The Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)
ご興味がある方は、奇才プロデューサーShawn LeeがThe Incredible Bongo Band『Bongo Rock』(1973年)をタブラで丸ごとカヴァーしたアルバムShawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』(2011年)あたりもチェックすると楽しいと思います。
Shawn Lee's Incredible Tabla Band『Tabla Rock』(2011年)