発表年:1977年
ez的ジャンル:Lee "Scratch" Perry系レゲエ
気分は...:何かが違う!
今回は70年代レゲエ作品からThe Heptones『Party Time』(1977年)です。
The Heptonesはジャマイカのロックステディ/レゲエ・コーラス・グループ。メンバーはLeroy Sibbles、Barry Llewellyn、Earl Morganの3名。
1965年にStudio Oneからデビューし、70年代初頭までStudio Oneの人気グループとして活動します。その後も90年代半ばまでコンスタントに作品をリリースしています。
ジャマイカ最高のコーラス・グループとも称されたThe Heptonesの魅力を知るためには、ロックステディ期の初期作品を聴くべきなのでしょうが、トータルな完成度という点でグループを代表する1枚が、レゲエ期に制作された本作『Party Time』(1977年)です。
本作では奇才プロデューサーLee "Scratch" Perryと組み、彼の本拠地Black Ark StudiosでThe Upsettersの面々をバックにレコーディングしています。
Willie Lindo(g)、Phill(g)、R. William(g)、Boris Gardiner(b)、Keith Sterling(p)、Winston Wright(org)、Mikey Boo(ds)、Skully(per)、David Maden(horns)、Glen DaCosta(horns)、Vin Gordon (horns)というミュージシャンがバックを務めています。
また、本作を最後に中心メンバーLeroy Sibblesがグループを脱退し、Naggo Morrisが新たにグループに加入しています(Sibblesは1995年に復帰)。
The Heptonesの代表作であると同時に、Black Ark期のLee "Scratch" Perryの代表作でもありますね。
ジャマイカ最高のコーラス・グループのヴォーカル・ワーク、The Upsettersの面々の格好良いバッキング、そして奇才Perryのサウンド・マジックが三位一体となったBlack Arkレゲエ・ワールドを存分に楽しめる1枚です。
それ程ヘヴィーにレゲエ作品を聴くわけではありませんが、何かが違うレゲエ作品という印象を受ける刺激的な1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Party Time」
Leroy Sibbles作。タイトル曲はアルバム『On Top』(1968年)にも収録されていた代表曲の再演です。グループのコーラス・ワークと魅力的なリズム・トラックが織り成す至極のレゲエ・グルーヴ。聴いているだけでテンション上がってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=ICWH5Z2m5No
「Crying Over You」
Leroy Sibbles作。「I Am Lonely」のタイトルでリリースしていた人気曲の再演。ここではLlewellynがリード・ヴォーカルをとり、哀愁レゲエを聴かせてくれます。Lee "Scratch" Perryによるフェイザー強めのサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=v9MSmlD8zQc
「Now Generation」
Leroy Sibbles作。コーラス・グループらしいヴォーカル・ワークと小気味良いレゲエ・グルーヴ、さらにはフェイザー効果が絶妙にバランスした魅力的な1曲。このあたりがLee "Scratch" Perryの腕なのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=prgpls1dgPo
「Mr. President」
Leroy Sibbles作。タイトルからも想像できるように、痛烈なレベル・ミュージック。Sibblesのヴォーカルも戦闘モードです。
https://www.youtube.com/watch?v=67Gy68aLUbs
「Serious Time」
Barry Llewellyn作。派手さはありませんが、The Upsettersによるレゲエらしいグルーヴがジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=ycx6J2j2mkY
「I Shall Be Released」
The Bandヴァージョン(『Music From Big Pink』収録)でお馴染みのBob Dylan作品をカヴァー。Studio One時代にもカヴァーしています。この曲自体、楽曲、歌詞共にレゲエとの相性がいいですよね。湿っぽくならず、開放的なカヴァーになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=C4R7-Chahg8
「Storm Cloud」
Leroy Sibbles作。Lee "Scratch" Perryらしいテイストのゲットー・ソングを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=oCfFo-Ye7v4
「Road Of Life」
Leroy Sibbles作。推進力のあるリズム・トラックとメロディアスなヴォーカル・ワークのバランスがいいですね。さらにPerryのエフェクトもそれらを邪魔せずにうねっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gyhGkSIZCOA
「Why Must I」
Leroy Sibbles作。Studio One時代の名曲の再演。Black Arkサウンドをバック、かつての名曲を楽しめます。彼ららしいコーラス・ワークがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Jz9i7isNuKc
「Sufferer's Time」
Lee "Scratch" Perry作。ラストは強烈なメッセージで締め括ってくれます。レゲエという音楽の持つパワーを改めて感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=axFq5tRiiNg
The Heptonesの他作品もチェックを!
『On top』(1968年)
『The Heptones & Their Friends: Meet the Now Generation!』(1972年)
『Cool Rasta』(1976年)
『Night Food』(1976年)
『Good Life』(1979年)