発表年:1997年
ez的ジャンル:ジャズ+Hip-Hop系UKジャズ
気分は... :ドルフィンズ一矢報いる!
2日遅れになってしまいましたが、NFLのマンデー・ナイトでは我がドルフィンズが王者ペイトリオッツに勝利しました。今シーズンも地区優勝がほぼ確定のペイトリオッツとポストシーズン進出はかなり厳しいドルフィンズ。しかも、2週前に対戦し、敗れたばかりなので、あまり期待していなかったのですが、まさかの勝利!一矢報いました!NHK BSで録画放送を観ましたが、王者相手の堂々の戦いぶりに、結果が分かっていても興奮してしまいました。
今回はUKを代表するジャズ・サックス奏者Courtney Pineの『Underground』(1997年)です。
1964年ロンドンのジャマイカ地区生まれのマルチ・リード奏者Courtney Pineの紹介は、『Modern Day Jazz Stories』(1995年)、『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)に続き3回目となります。
今年に入り、UKソウルの重鎮Omarを大きくフィーチャーした新作『Black Notes from the Deep』(2017年)をリリースし、再び注目されているCourtney Pine。
『Black Notes from the Deep』(2017年)
Hip-Hop、UKソウル、レゲエ、クラブミュージックのエッセンスも取り入れ、独自のジャズ・ワールドを展開し、人気を博していくCourtney Pineですが、本作では前作『Modern Day Jazz Stories』(1995年)のジャズ+Hip-Hopの方向性を継承し、そのサウンドを成熟させています。
プロデュースはCourtney PineとDJ Pogo、Sparki.
レコーディングにはCourtney Pine(sax、clarinet、fl)、 Cyrus Chestnut(p、el-p、org)、 Reginald Veal(b)、 Jeff "Tain" Watts(ds)、 DJ Pogo(turntable)、 Jhelisa(vo)、 Nicholas Payton(tp)、 Mark Whitfield (g)といったミュージシャンが参加しています。
ターンテーブルを使ったHip-Hop色の強い1枚ですが、それが目立ちすぎず、Courtneyのジャズ・ワールドに自然と溶け込んでいるあたりに成熟を感じます。
Guru『Jazzmatazz』がお好きな人であれば、気に入るであろうHip-Hop経由のUKジャズだと思います。
Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー「Tryin' Times」以外はオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Intro - Inhale」
イントロ。
「Modern Day Jazz」
ジャズ+Hip-Hopな仕上がり。『Jazzmatazz』と一緒に聴きたくなるサウンドです。Hip-Hopビートとジャズ・サウンドが実にスムースに融合しています。
https://www.youtube.com/watch?v=T6dYJRS6Rbk
「Tryin' Times」
Donny Hathaway/Leroy Hutson作品のカヴァー。『First Take』(1969年)収録のRoberta Flackヴァージョンや『Everything Is Everything』(1970年)収録のDonny Hathawayヴァージョンでお馴染みの曲です。ここではJhelisaの女性ヴォーカルをフィーチャー。Carleen Andersonの従姉妹でもあるJhelisaは本作と同じ1997年にデビュー・アルバム『Language Electric』をリリースしています。リラックスしたジャズ・サウンドをバックに、Jhelisaが雰囲気たっぷりのヴォーカルを聴かせてくれます。Courtneyの伸びやかなソプラノも心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Rtr1vkGWK7c
「Oneness Of Mind」
アシッド・ジャズらしいターンテーブルを交えた少しザラついたジャズ・サウンドを楽しめます。Cyrus Chestnutのエレピや、CourtneyとNicholas Paytonの掛け合いもグッド!
「Invisible (Higher Vibe)」
Courtneyの伸びやかなプレイを満喫できる美しいバラード。内面から湧き上がるヴァイヴが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=BCY8u8AEOWU
「The Book Of...(The Dead)」
10分近くに及ぶ大作。ターンテーブルも交えていますが、本格的なジャズ・サウンドを楽しめるストレート・アヘッドな魅力もあります。Courtneyのサックスのみならず、バス・クラリネットのプレイも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=2XCxdu0eCYc
「Children Of The Sun」
ゆったりと心地好いプレイを楽しめるスムーズ・ジャズですが、ターンテーブルがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9CFXrGSUBkc
「The In-Sense Song」
ストレート・アヘッドな演奏ですが、要所で聴かれるバス・クラリネットとターンテーブルがミステリアスな雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=n5j-36P79b0
「Silver Surfer」
Jeff "Tain" Wattsの叩き出すリズムがHip-Hop調からスウィンギーに演奏を変貌させます。
「Underground」
DJ PogoによるHip-Hopビートを強く打ち出したアシッド・ジャズらしい1曲ですが、それが突出していない点がCourtneyのジャズ・ワールドの進化かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=kfFYv0ICOrY
「Outro - Exhale」
アウトロでアルバムは一度幕を閉じます。
「Save The Children」
Jhelisaをフィーチャーした本曲はアンコール的な1曲といったところでしょうか。Jhelisaの優しい歌とCourtneyのフルート/サックスが包み込む愛に満ちた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yFdk0t0b238
Courtney Pineの他作品もチェックを!
『Journey to the Urge Within』(1986年)
『Destiny's Song and The Image Of Pursuance』(1988年)
『The Vision's Tale』(1989年)
『Closer To Home』(1990年)
『Within The Realms of Our Dreams』(1991年)
『To The Eyes of Creation』(1992年)
『Modern Day Jazz Stories』(1995年)
『Back in the Day』(2000年)
『Devotion』(2003年)
『Transition in Tradition: En Hommage a Sidney Bechet』(2009年)
『Europa』(2011年)
『House of Legends』(2012年)
『Song (The Ballad Book)』(2015年)
『Black Notes from the Deep』(2017年)