発表年:1997年
ez的ジャンル:ブラジル女性コーラス・トリオ
気分は... :今年最後の1枚は・・・
今回で通常の年内エントリーは最後になります。
大晦日は毎年恒例の『ezが選ぶ2017年の10枚』をエントリーします。
さて、年内最後の1枚にセレクトしたのはブラジルの女性コーラス作品A Tres『Vocalise』(1997年)です。
A Tresはブラジル、サンパウロで結成された女性コーラス・トリオ。メンバーはLeni Requena、Solange、Cibele Codonho。
そんなA Tres唯一のアルバムが『Vocalise』(1997年)です。
Filo Machadoが音楽ディレクターを務め、レコーディングにはFilo Machado(g、vo、per)、Johnny Alf(vo)、Trio Tambataja(vo)、Thomas Oestreicher Codonho(vo)、Lea Freire(fl)、Silvia Goes(p)、Lito Robledo(b)、Toninho Pinheiro(ds)といったミュージシャンが参加しています。
メロウなボッサ・サウンドと美しいコーラス・ワークが調和した素敵な1枚に仕上がっています。何より、3人のコーラス・ワークの素晴らしさに惚れ惚れします。
特に、「Quem Diz Que Sabe」、「Enquanto a Tristeza Nao Vem」、「Aula de Canto」、「Bolinha de Sabao」あたりにグループの魅力が魅力が凝縮されているのでは?
また、カフェ・ミュージックにフィットしそうな「I Love You, You Love Me」、日本人の涙腺に触れる「Triste Sem Ningueem (Sukiyaki)」もオススメです。
正直、あまり注目されてこなかったブラジル作品だと思いますが、かなり重宝する1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Quem Diz Que Sabe」
Joao Donato/Paulo Sergio Valle作。 当ブログではSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriques、Agustin Pereyra Lucenaのカヴァーも紹介済みです。ここでは涼しげなフルートが耳導く軽快サウンドをバックに、爽快コーラスを聴かせてくれます。
「Enquanto a Tristeza Nao Vem」
Sergio Ricardo作。メロウなボッサ・サウンドをバックに、素敵なコーラス・ワークを披露してくれます。このユニットのピュアな魅力が伝わってきます。
「Feminina」
Joyceの名曲をカヴァー(Joyce/Mauricio Maestro作)。オリジナルは名盤『Feminina』(1980年)に収録されています。この楽曲の持つ透明な雰囲気とA Tresの魅力が見事にフィットした好カヴァーに仕上がっています。
「Aula de Canto」
Leni Requena/Cibele Codonho作。メンバーのオリジナルですが、さり気ないボッサ・サウンドと美しいコーラス・ワークで聴く者を魅了します。
「Eu e a Brisa」
Johnny Alf作。美しいピアノをバックに、ロマンチックな雰囲気で歌い上げます。作者Johnny Alfもゲスト参加し、盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6CsF53i17L4
「Mulher Rendeira/Xote Das Meninas」
Ze do Norte/Luis Gonzaga作「Mulher Rendeira」とZe Dantas作「Xote Das Meninas」のメドレー。コーラス・グループとしての実力を堪能できます。
「Um Homem, Uma Mulher」
お馴染みのフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』(1966年)の主題歌をカヴァー(Francis Lai/Pierre Barouh作)。いきなり、素晴らしいア・カペラで魅了します。その後も緩急つけながらスキャット・コーラスで楽しませてくれます。
「I Love You, You Love Me」
Durval Ferreira作。カフェ・ミュージックにフィットしそうなライト・タッチのメロウ・ボッサ。Filo Machadoのヴォーカルも気が利いています。
「Segredos do Mar」
Filo machado/Judith de Souza作。哀愁のメロディをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=AAczi2WXyhc
「So Danco Samba」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作のボサノヴァ名曲をカヴァー。Trio Tambatajaも加勢し、素敵なヴォーカル・アンサンブルで盛り上げてくれます。
「Triste Sem Ningueem (Sukiyaki)」
坂本九の世界的大ヒット「上を向いて歩こう(スキヤキ)」をカヴァー(永六輔/中村八大作)。ボッサ・カヴァーが見事にハマっています。また、日本語のコーラス・パートもあり、日本人が聴いてもさほど違和感のないイントネーションで歌い上げます。
「Bolinha de Sabao」
Orlandivo/Adilson de Azevedo作。オリジナルは当ブログで紹介した『Orlandivo』(1977年)に収録されています。ラストは完成度の高いメロウ・ボッサを素敵なコーラス・ワークで締め括ってくれます。
明日の恒例『ezが選ぶ2017年の10枚』もお楽しみに!