発売年:2005年
ez的ジャンル:リアル・ソウル系男性R&Bシンガー
気分は... :噛めば噛むほど味が出る・・・
今回はリアル・ソウル・シンガーAnthony Hamiltonが2005年にリリースした『Ain't Nobody Worryin'』です。
Anthony Hamiltonは、1971年ノースカロライナ州シャーロット出身の男性R&Bシンガー。
1996年にアルバム『XTC』でデビューしたものの、所属レーベルの消滅など不遇の時代を過ごすことになります。
しかし、Jermaine DupriのSo So Defとの契約が彼に転機をもたらし、同レーベルからリリースした2ndアルバム『Comin' From Where I'm From』(2003年)がプラチナム・ディスクに輝きます。
続く『Ain't Nobody Worryin'』(2005年)、『The Point of It All』(2008年)といったアルバムがゴールド・ディスクとなり、本格派男性R&Bシンガーの地位を不動のものにしました。
その後も『Back to Love』(2011年)、『What I'm Feelin'』(2016年)といったアルバムをリリースしています。
実は当ブログでAnthony Hamiltonのアルバムを取り上げるのは初めてになります。『Comin' From Where I'm From』以降の主要アルバムは所有していますが、何故だか紹介しそびれていました。良いアーティストだけど、好きなアーティストという自覚が僕の中であまりなかったせいかもしれません。あとは、それなりに売れているので、当ブログで取り上げずとも良いだろうという思いもあったかも?
さて、3rdアルバムとなる本作『Ain't Nobody Worryin'』ですが、少し前に未発表音源集『Soulife』(2005年)がリリースされたばかりで、少し混乱した記憶があります。
『Comin' From Where I'm From』でサザン・ソウル色の強いソウル・ワールドで高い支持を得たAnthonyですが、本作『Ain't Nobody Worryin'』でもは前作の路線を踏襲するリアル・ソウルを聴かせてくれます。売れたからといって媚びないソウル・ワールドがいいですね。
プロデュースはMark Batson、Kelvin Wooten、Raphael Saadiq、Jake & The Phatman、Dre & Vidal(Andre Harris/Vidal Davis)、Christopher "Wurldwyde" Pottinger、James Poyser、Ahmir '?uestlove' Thompson、そしてAnthony Hamilton本人。
シングル曲は「Can't Let Go」と「Sista Big Bones」。
南部愛を感じるメロウ・ミディアム「Southern Stuff」、Dre & Vidalプロデュースの「The Truth」、Tarsha' McMillianをフィーチャーした「Preacher's Daughter」、フィリー・ソウルへのオマージュ「Change Your World」、胸に染み入るバラード「Never Love Again」あたりがオススメです。
約12年前のアルバムですが、当時聴いたよりも、今聴いた方が味わいが増したような気がします。
噛めば噛むほど味が出る・・・そんな1枚ですね。
全曲紹介しときやす。
「Where Did It Go Wrong?」
Mark Batsonプロデュース。不穏な空気の漂う哀愁ミディアムと共にアルバムはスタートします。
https://www.youtube.com/watch?v=3I_pXxl1WQw
「Southern Stuff」
Mark Batsonプロデュース。タイトルからして彼の南部愛を感じますね。ただし、レトロ一辺倒ではなく2005年らしいメロウ・ミディアムに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=iMwshhnWhEk
「Can't Let Go」
Mark Batsonプロデュース。アルバムからの1stシングルとして全米R&Bチャート第13位となっています。ヴィンテージ感のあるサウンドをバックに、彼らしいソウルフル・ヴォーカルを満喫できるバラードです。噛めば噛むほど味が出る感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qlJtQLg4bpU
「Ain't Nobody Worryin'」
Raphael Saadiq/Jake & The Phatmanプロデュース。タイトル曲はRaphael Saadiqとのタッグ。ヴィンテージ感のあるサウンドを得意とするSaadiqとHamiltonの組み合わせはマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=fsrDI4MuKGU
「The Truth」
Dre & Vidalプロデュース。落ち着いたメロウ・フィーリングにグッとくるミディアム・バラード。ジワジワくる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P-QNX2G4aF0
「Preacher's Daughter」
Christopher "Wurldwyde" Pottinger/Anthony Hamiltonプロデュース。Tarsha' McMillianの女性ヴォーカルをフィーチャー。世界を救うことに必死になるあまり、自身の娘を救えないでいる牧師を歌った曲。Tarshaと共にHamiltonがエモーションなヴォーカルを聴かせてくれます。Hamiltonのゴスペル・ルーツを強く感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=dDIXW0sLauo
「Pass Me Over」
Kelvin Wootenプロデュース。哀愁のメロディを丁寧に歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=6BnZaAWXoGI
「Everybody」
James Poyserプロデュース。意外にもレゲエ・チューンです。ジャマイカン・ルーツを持つJames Poyserと共に、ポジティブなメッセージを届けてくれます。HamiltonはBob Marleyのファンを公言しています。
https://www.youtube.com/watch?v=JQEHY2n5WHo
「Sista Big Bones」
Mark Batsonプロデュース。アルバムからの2ndシングル。南部の豊満な女性への賛歌。ブリブリのアナログ・シンセ音が雰囲気あっていいですね。南部のレトロ・フィーリングをモダンに聴かせるサウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=PdIFBLMlC4s
「Change Your World」
James Poyser/Ahmir '?uestlove' Thompsonプロデュース。往年のフィリー・ソウルへのリスペクトに満ちたスウィート・バラード。この曲をネオ・フィリーなメンツがプロデュースする演出も心憎いですね。ストリング・アレンジはあのLarry Goldが務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=rL-3xMAOReM
「Never Love Again」
Kelvin Wootenプロデュース。オーセンティックですが胸に染み入る素敵なバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=ECV0roZLZL8
「I Know What Love's All About」
Kelvin Wooten/Anthony Hamiltonプロデュース。抑えたオルガンの音色が印象的なゴスペル調バラードを聴きながら、アルバムの余韻を噛みしめ、エンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=p21QwMqsFCE
Anthony Hamiltonの他作品もチェックを!
『XTC』(1996年)
『Comin' From Where I'm From』(2003年)
『Soulife』(2005年)
『The Point of It All』(2008年)
『Back to Love』(2011年)
『What I'm Feelin'』(2016年)