2018年01月14日

Mike Lebrun『Shades』

L.A.ジャズの新星、初の単独アルバム☆Mike Lebrun『Shades』
シェイズ
発売年:2017年
ez的ジャンル:新世代L.A.ジャズ
気分は... :NFL波乱は起きるか!

NFLはいよいよディビジョナルプレーオフの2日間です。
ポストシーズンでもディビジョナルプレーオフの4試合が一番面白い気がします。

AFCはペイトリオッツ、スティーラーズという上位シードの2チームが順当に勝ち進む気がしますが、NFCはアンダードッグのファルコンズ、セインツの2チームが生き残る予感がします。

結果はいかに・・・

今回は新作ジャズからMike Lebrun『Shades』です。

Mike Lebrunは、L.A.を拠点とするマルチリード奏者。

シカゴ郊外のノースウェスタン大学でジャズを学び、2009年にはシカゴを拠点とするピアニスト/キーボード奏者Josh Moshierと共同名義でアルバム『Joy Not Jaded』(2009年)をリリースしています。同時に、音楽活動と並行して、ソフトウェア業界にも10年以上身を置き、テクノロジーにも精通しているようです。

初の単独アルバムとなる本作『Shades』は自身が設立したレーベルBeakerboxからのリリースです。

Mike Lebrun自身がプロデュース/アレンジ/作曲を手掛け、レコーディングには、Mike Lebrun(ts、as、ss、fl、clarinet、prog、glockenspiel)以下、Josh Johnson(as)、Daniel Szabo(p)、Anna Butterss(b)、Nick Mancini(vibe)、Kevin Van Den Elzen(ds)、Aaron Serfaty(per)、Amber Navran(vo)といったミュージシャンが参加しています。

特に、注目のL.A.ネオソウル・バンドMoonchildの紅一点ヴォーカリストAmber Navranが注目です。また、ヴァイヴ奏者Nick ManciniKamasi Washington『Harmony Of Difference』にも参加していました。

販売元は、UKの次世代ジャズ・ユニットGoGo Penguinを引き合いに出し、L.A.の次世代ジャズという点を強く訴求しています。ジャケもGoGo Penguinっぽいですね(笑)

確かに、プログラミングも駆使し、ビートミュージック、ポストロックなどの影響も感じるL.A.ジャズは、今ジャズ好きの人であれば気に入る1枚だと思います。

特に、目新しさばかりを追求した作品ではなく、彼の考えるジャズの中に自然と今ジャズ的なエッセンスが消化されている感じがいいですね。

その意味では、インパクトよりも迷いのない潔さに共感を受けるジャズ作品という気がします。

全曲紹介しときやす。

「Flute Party」
アルバムのイントロ。今ジャズらしいビート感覚が印象的です。

「Now, Then, or Some Other Time」
プログラミングのビートをバックに、Lebrun、Josh Johnsonの二菅、Nick Manciniのヴァイヴが軽快なアンサンブルを織り成します。

「Click 'n' Slap」
シンプルなビートとLebrunのサックスのみのサウンドですが、逆にLebrunのセンスのあるプレイが際立つ格好良い演奏となっています。

「Clusterduck」
ストレート・アヘッドな演奏ですが、Lebrunのジャズ・ミュージシャンの美学のようなものを感じます。特にDaniel Szaboの繊細なピアノがいいですね。

「Going Through the Emotions」
注目のL.A.ネオソウル・バンドMoonchildの紅一点ヴォーカリストAmber Navranをフィーチャー。本作のハイライトですね。Moonchildの陽だまりのネオソウル感覚を受け継いだ演奏で、コケティッシュなAmber Navranのヴォーカルを盛り上げます。

「Saxophones Crash a Flute Party」
Lebrunのサックス&フルートにプログラミング・ビートを組み合わせたサウンドは、確かにGoGo Penguinを引き合いに出したくなるのがわかります。

「Drive There」
ミニマル感覚の演奏はライナーノーツに指摘があるようにポスト・ロック/シカゴ音響派の影響があるのかもしれませんね。

「Summon the Hope」
Lebrunの美しいフルート・アンサンブルを楽しめる演奏です。最初は「君が代」のジャズ演奏かと思いましたが。

「Melt」
爽快なドライヴ感のある演奏が心地好いです。Nick Manciniのヴァイヴがいいアクセントになっています。

「Step by Leap」
Daniel Szaboのピアノ、Lebrun、Josh Johnsonの二菅、Nick Manciniのヴァイヴらの寛いだ雰囲気の演奏が印象的です。

「Jamovaland」
30秒強の小曲。

「Eleven Toe Waggle」
電子音ビートが支配するエレクトロニカ感覚の1曲。このタイプの曲がもっとあっても面白かったかも?

「Drive Back」
Anna Butterssのベースが牽引します。ゆっくりとサウンドが表情を変えていく感じがいいですね。

「Surfer Girl」
ラストはThe Beach Boysの名曲カヴァーで締め括ってくれます。The Beach Boysのようなハーモニーもサックス、フルート、クラリネットで再現している感じがいいですね。

Josh Moshier & Mike Lebrun『Joy Not Jaded』(2009年)
Joy Not Jaded
posted by ez at 01:53| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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