発表年:1991年
ez的ジャンル:コンテンポラリー系男性R&Bシンガー
気分は... :正統派の魅力!
今回は90年代男性R&B作品からPhil Perry『The Heart Of The Man』(1991年)です。
Phil Perryは1952年イリノイ州スプリングフィールド出身の男性R&Bシンガー。
1970年代にソウル・グループThe Montclairsのメンバーとして活動した後、The Montclairsの元メンバーKevin Sanlinと男性ソウル・デュオPerry & Sanlinを結成します。Perry & Sanlinとして、『For Those Who Love』(1980年)、『We're The Winners』(1981年)という2枚のアルバムをリリースしています。
1991年に本作『The Heart Of The Man』(1991年)でソロ・デビュー。以降、今日までコンスタントに作品をリリースしています。
Perry & Sanlinのアルバムは以前に紹介しましたが、Phil Perryのソロの紹介は、初めてです。
本作『The Heart Of The Man』は、僕がリアルタイムで初めて聴いたPhil Perry作品です。当時のR&BはNJS全盛で僕もそういった作品を好んで聴く一方で、素敵なバラードを欲して、アーバンなコンテンポラリー作品も聴いていました。そんな後者のニーズにフィットとした1枚が本作でしたね。
改めて、プロデューサー、参加ミュージシャンをチェックすると、なかなか豪華な顔ぶれが揃っています。
プロデューサー陣は、Barry J. Eastmond、Robbie Nevil、Dave Shapiro、Brenda Russell、Lee Curreri、Don Grusin、George Duke、Andre Fischer、Lee Curreri、Alan Hirshberg、David Garfield、Jeremy Lubbock、Donald Robinsonという多彩な顔ぶれ。
それ以外にもDavid Foster(arr)、Lee Ritenour(g)、Paul Jackson, Jr.(g)、Carlos Rios(g)、Don Griffin(g)、Mike Landau(g)、Jimmy Johnson(b)、Neil Stubenhaus(b)、Freddie Washington(b)、Jeff Porcaro(ds)、Harvey Mason(ds)、Carlos Vega(ds)、Eric Rehl(syn)、Randy Waldman(prog)、Gerald Albright(ss)、Ernie Watts(as)、Lenny Castro(per、marimba)等のミュージシャンが参加しています。
また、CeCe Winansがゲストとしてフィーチャリングされています。
アルバムには、時代を反映し、ドラム・プログラミングも用いられていますが、全体としてはPhilの素晴らしいヴォーカルを満喫できるオーセンティックなバラードが魅力のコンテンポラリーなR&B作品に仕上がっています。
シングルとしてR&BチャートNo.1となった「Call Me」(Aretha Franklinのカヴァー)、同じくシングル曲「Forever」、スムース・ジャズ・ユニットKarizmaと共演した「(Forever In The) Arms Of Love」、David Fosterのカヴァー「The Best Of Me」が僕のオススメです。
正攻法ならではの魅力を感じる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Amazing Love」
Barry J. Eastmondプロデュース。シングルにもなったダンサブル・チューン。この時代らしいダンス・サウンドですが、Philには似合わない気もします。
https://www.youtube.com/watch?v=1u5m07UscAg
アルバム未収録ですが、本曲についてはDavid Moralesのリミックスもハウス・クラシックもとして人気です。
「Amazing Love (Def Club Mix)」
https://www.youtube.com/watch?v=4dwcOFZyCxc
「Say Anything」
大ヒット・シングル「C'est La Vie」で知られるRobbie NevilとDave Shapiroのプロデュース。オーセンティックな魅力に溢れたバラードを伸びやかに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=7SYvIp3YlEc
「Forever」
Brenda Russell/Lee Curreriプロデュース。シングルにもなりました。僕がPhil Perryに求めるのはこういった曲。Philの素晴らしいヴォーカルとコンテンポラリーなサウンドが実に良くマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=u74je6Ph2PE
「Woman」
Don Grusinプロデュース。Don Grusin、Lee Ritenour、Harvey Mason、Gerald Albrightという豪華なバックングを従えたビューティフル・バラード。しっとりと歌い上げるPhilのヴォーカルも含めて、アーバンな落ち着きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NljKnXznAZ8
「Who Do You Love」
元Rufus & Chaka KhanのドラマーであったAndre Fischerプロデュース。Philのファルセットが栄えるダンサブル・チューン。個人的には「Amazing Love」よりも好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=ARtKwnOs-vY
「More Nights」
Lee Curreriプロデュース。「Who Do You Love」と同タイプのコンテンポラリー感覚のダンサブル・チューン。ドラム・プログラミングが気にならなければ良い曲だと思います。
「Call Me」
George Dukeプロデュース。Aretha Franklinのカヴァー。シングル・カットされ、R&Bチャート第1位のヒットとなりました。Philのヴォーカルの魅力を堪能できるコンテンポラリーなバラードに仕上がっています。素敵なバック・コーラス陣もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=mv03q_SUf0c
「(Forever In The) Arms Of Love」
スムース・ジャズ・ユニットKarizmaとの共演。Karizmaのアルバム『(Forever In The) Arms Of Love』(1989年)にも収録されています。ラテン・フレイヴァーのアクセントも含めて、僕好みのメロウ・フュージョン調の仕上がりです。
David Garfield/Alan Hirshbergプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=QKO2rYAFfdM
「The Best Of Me」
David Fosterのカヴァー。David Foster & Olivia Newton-Johnのデュエット・ヴァージョンでもお馴染みの曲ですね。Ernie Wattsの素敵なサックスと共に始まるオーセンティックなバラード。オーセンティックな曲ほどPhilの実力を認識できます。Jeremy Lubbockプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=gBLcNPHUQAg
David Foster & Olivia Newton-Johnヴァージョンと聴き比べてみては?
David Foster & Olivia Newton-John「The Best Of Me」
https://www.youtube.com/watch?v=9ALu9dUEUmM
「God's Gift To The World」
Donald Robinsonプロデュース。CeCe Winansとのデュエットです。大きな愛に包まれたミディアム・バラードをコーラス隊と歌い上げます。
「Good-Bye」
Lee Curreriプロデュース。Jeff Porcaroがドラムで参加。ラストはコンテンポラリーなミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。
Phil Perryの他作品やPerry & Sanlin作品もチェックを!
Perry & Sanlin『For Those Who Love』(1980年)
Perry & Sanlin『We're The Winners』(1981年)
『Pure Pleasure』(1994年)
『One Heart One Love』(1998年)
『My Book of Love』(2000年)
『Magic』(2001年)
『Classic Love Songs』(2006年)
『A Mighty Love』(2007年)
『Ready for Love』(2008年)
『Say Yes』(2013年)
『A Better Man』(2015年)
『Breathless』(2017年)