発表年:2006年
ez的ジャンル:Stones Throw系エクスペリメンタルR&B
気分は... :世界観が大事!
独特の音世界でファンを魅了する女性R&BアーティストGeorgia Anne Muldrowのデビュー・アルバム『Olesi: Fragments of an Earth』(2006年)です。
L.A.出身の女性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサーGeorgia Anne Muldrowに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Umsindo』(2009年)
『Kings Ballad』(2010年)
『Seeds』(2012年)
デビュー・アルバムとなった本作『Olesi: Fragments of an Earth』(2006年)は、気鋭のインディ・レーベルStones Throw、初の女性アーティスト作品となりました。
Georgia Anne Muldrow本人がプロデュースを務め、当時のレーベル・メイトで公私のパートナーとなるDudley Perkinsがエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねます。
R&B、Hip-Hop、ジャズがコズミック感覚でクロスオーヴァーしたサウンドと、何物にも縛られない自由を感じるMuldrowのヴォーカルが印象的な密度の濃い1枚に仕上がっています。
特に本作ではJ DillaやSa-Raあたりに通じるHip-Hopフィーリングが印象的です。その意味ではヴォーカリストのみならず、プロデューサーとしての才も実感できます。
それに加え、スピリチュアル/アフロ・スピリチュアルな感覚が薄っすらと彼女のヴォーカルに貫かれているのも、僕が本作に惹かれる理由だと思います。
彼女のアルバムの場合、記事を書くのに曲数の多さがいつもネックになるのですが、本作『Olesi: Fragments of an Earth』も全21曲とボリューミーです(笑)。
Georgia Anne Muldrowという才能を世に知らしめるためには、21曲でも少ないのかもしれませんが・・・
彼女ならではの音世界を楽しみましょう!「
全曲紹介しときやす。
「New Orleans」
アヴァンギャルドなジャズ・フィーリングが支配するオープニング。今ジャズ感覚で聴くのも楽しいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=8n9v3hBoxCA
「Melanin」
J Dilla感覚のビートとMuldrowのピュアなヴォーカルが印象的なネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=cPyuNuIv5eg
「Wrong Way」
少しレイジーなビート感が印象的です。Muldrowらしいブラック・ミュージックを楽しめる1曲なのでは。
https://www.youtube.com/watch?v=YeSqiCEOc4Y
「Feet」
美しさの中にほんのり漂うフューチャリスティック感がいいですね。もっと長尺で聴きたい!
「Frames」
2分に満たない小曲ですが、格好良いアブストラクトHip-Hopチューンに仕上がっています。
「Lovelight」
同じく2分に満たない小曲ですが、Muldrowが才能あるトータル・ミュージシャンであることを示すコズミックなR&Bサウンドに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X7RvpH1BVSs
「Radio WNK」
つなぎ小曲ですが、トリップ感覚のブラック・ミュージックを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=SQBOTfyFsi0
「Because」
メロウネスが妖しく浮遊するMuldrowならではのネオソウル・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=4OFo-IdV0GE
「Speakervision」
J Dilla感覚のビートとMuldrowらしい音世界が見事に融和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LSFMa507iYw
「Wheels」
軽くトライバルなフィーリングのサウンドをバックに、Muldrowのヴォーカルが言霊のように響き渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=a2-7Og9HwhA
「Birds」
中毒性の高いグルーヴにヤラれてしまう1曲。何度もループしているうちにハマっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=II_vhzfJkGQ
「Amnrh (Interlude)」
インタールドですが、Muldrowらしい音世界を楽しめます。
「West Coast Recycler」
Hip-HopサイドにおけるMuldrowの才を楽しめる1曲。僕好みのサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=9G6gLlnrEX0
「Boom」
Muldrowのヴォーカルに寄り添うベースが印象的です。
「Patience」
スピリチュアル・ジャズのフィーリングながらもアヴァンギャルドなオーラを放つバラード。The Weeknd「Initiation」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vLeRrcvYdZE
「Blackman」
コズミックなR&Bワールドが印象的な仕上がり。コレも長尺で聴きたい・・・
https://www.youtube.com/watch?v=V5pC0ZNQDXE
「Leroy」
「A Requiem For Leroy」のタイトルで12" もリリースされたコズミック・グルーヴ。Sa-Raあたりと一緒に聴くのもいいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=uXm11AzvvMI
「Nowadayze」
ヴォーカル・ワークの中にアフロ・スピリチュアルなフィーリングを感じるR&Bグルーヴ。
「Skaw De Beast」
ビート感覚とヴォーカルの調和が絶妙な完成度の高い1曲。トータルなミュージシャンとしての才を示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pPUqTOaocQc
「Epilogue」
アブストラクトなトラックが格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=3qFyqFSQ7fY
「Blackman (Reprise)」
「Blackman」のリプライズで余韻に浸りながらエンディングを迎えます。
Georgia Anne Muldrowの過去作品もチェックを!
『The Worthnothings EP』(2004年)
G&D『The Message Uni Versa』(2007年)
Pattie Blingh and the Akebulan 5『Sagal』(2007年)
Georgia Anne Muldrow & Declaime『Someothaship』(2008年)
『Umsindo』(2009年)
『Early』(2009年)
『Georgia Anne Muldrow Presents Ms One & The Gang』(2009年)
『Kings Ballad』(2010年)
Jyoti『Ocotea』(2010年)、
『Vweto』(2011年)
『Owed to Mama Rickie』(2011年)
『Seeds』(2012年)
The Blackhouse『The Blackhouse』(2012年)
G&D『Lighthouse』(2013年)
Jyoti『Denderah』(2013年)
『A Thoughtiverse Unmarred』(2015年)