発表年:1976年
ez的ジャンル:シスコ産ブラジリアン・ミュージック
気分は... :祭りのあと・・・
今回はサンフランシスコ産のブラジリアン・ミュージック作品、Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)です。
Made In Brazilは、Victor Mによるブラジリアン・ジャズ・バンド。
Victor MことVictor Meshkovskyは、1939年上海生まれのロシア人。1953年に一家でブラジル、サンパウロへ移住し、ブラジル音楽に慣れ親しむようになり、自身もグループを組むようになります。その後1959年に米国へ移住し、サンフランシスコで自身の会社を経営する傍ら、ブラジル音楽のプロモーション活動にも関与すようになりました。
そして、結成した自身のブラジリアン・ジャズ・バンドがMade In Brasilです。Made In Brasilとして、『Numero Um(Number One)』(1975年)、『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)という2枚のアルバムをリリースしています。
僕自身は既に1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)を当ブログでエントリーした気分で、続く2ndアルバム『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)を今回取り上げたつもりになっていましたが、記事を途中まで書いていて『Numero Um(Number One)』が未エントリーであることに気づきました。
『Numero Um』と本作『Nosso Segundo Disco』では、大きくメンバーが異なっており、本作ではキーボード奏者Claudio MedeirosとRoberto de Lima、Liza Jeorge da Silvaという男女ヴォーカリストが参加しています。
ポルトガル生まれのClaudio MedeirosはVictor Mが発掘したアーティストであり、彼がプロデュースしたアルバムClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)は、当ブログでも紹介済みです。
前作『Numero Um』は結構ベタな有名曲カヴァー集でしたが、コンポーザー/アレンジャーとしての才を持つClaudio Medeirosの参加により、本作『Nosso Segundo Disco』にはオリジナルも多数収録されており、アレンジ面でもさらに磨きが磨きが掛かっています。
Edu Lobo/Capinan作の「Ponteio」、Milton Nascimento作の「Salt Song」、Ivan Lins作の「Madalena」といった名曲カヴァーが目立ちますが、個人的には「Circles」、「So Peco P'ra Voce Voltar」といったオリジナルや、Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー「Slick」あたりがおススメです。
グルーヴィーなブラジリアン・ジャズをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Ponteio/Asa Branca」
Edu Lobo/Capinan作の名曲「Ponteio」とHumberto Teixeira/Luiz Gonzaga作の「Asa Branca」をカヴァー。グルーヴィーなオルガンの音色、男女ヴォーカルが彩るミステリアスなブラジリアン・グルーヴがオープニング。
「Ponteio」について、当ブログではThe G/9 Group、Batida、Sergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。また、「Asa Branca」についてもCravo & Canelaのカヴァーを紹介済みです。
「Salt Song」
Milton Nascimento作の名曲「塩の歌」をカヴァー。♪パッパパラッパ♪ダバダバ♪スキャットを伴った軽快なオルガン・グルーヴで名曲を聴かせてくれます。
本曲に関して、当ブログではBossa Rio、Ronald Mesquita、Christiane Legrand、Tania Maria、Elis Reginaのカヴァーも紹介済みです。
「One, Two-Two」
Victor M作。少しユーモラスなミステリアス感が印象的なオリジナル。
https://www.youtube.com/watch?v=UGck5WoN8SE
「Carinhoso」
Pixinguinha作。美しいピアノ&アコーディオンによるインスト。当ブログではTania Maria、Elis Reginaヴァージョンも紹介済みです。
「Canaval Medley」
「Mamae Eu Quero」、「Cidade Maravilhosa」、「Cachaca」、「Aurora」、「O Le-Le,O La-La」というカーニヴァル曲のメドレー。緩急つけた楽しげな演奏で盛り上げてくれます。
「Madalena」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作の名曲をカヴァー。この曲はいつ聴いても名曲ですね。そんな名曲の魅力を十分に伝えてくれるブラジリアン・ジャズ・カヴァーに仕上がっています。
当ブログでは有名なElis ReginaヴァージョンやTania Maria、Aquarius Y Luiz Antonio、Sylvia Vrethammar、Anamaria & Mauricioのカヴァーを紹介済みです。
「Circles」
Claudio Mendeiros/Victor M作。セルメン好きの人は気に入るであろうブラジリアン・ソフトロック調の仕上がり。クラヴィネット、シンセを織り交ぜたアレンジの妙も光ります。
「So Peco P'ra Voce Voltar」
Claudio Mendeiros/Victor M作。前曲に続き、ソフトリーなブラジリアン・ジャズを楽しめます。Claudio Mendeirosの奏でる鍵盤の音色も心地好いです。
「Slick」
Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー(Herp Albert/Joe Pizano作)。オリジナルは『The Beat Of The Brass』(1968年)に収録されています。小粋なオルガン・メロウ・グルーヴのインストで楽しませてくれます。
「A Briza」
Johnny Alf/Victor M作。ラストは美しいピアノをバックに、しっとりと歌い上げるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)やVictor MがプロデュースしたClaudio MedeirosのClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)も併せてチェックを!
『Numero Um(Number One)』(1975年)
Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)