発表年:2018年
ez的ジャンル:サウンドスケープ系UKエレクトロニカ
気分は... :音の美学・・・
今回は人力ダブステップ・バンドとして注目を浴びてきたUKのソウル・コレクティブSubmotion Orchestraの最新作『Kites』です。
Ruby Wood(vo)、Simon Beddoe(tp、flh、horn arr)、Taz Modi(key、strings arr)、Chris Hargreaves(b、syn b)、Danny Templeman(per)、Tommy Evans(ds)、Dom Howard(producer、engineer)という7組、Submotion Orchestraに関して、これまで当ブログで紹介してきたのは以下の3枚。
『Finest Hour』(2011年)
『Alium』(2014年)
『Colour Theory』(2016年)
5thアルバムとなる本作『Kites』は、自身のレーベルSMO Recordingsからの初作品となっています。
本作はインナーに示されているように、抽象的な10枚の写真をモチーフに音を創り上げたサウンドスケープ作品に仕上がっています。簡素ながらもエコーやリヴァーブといったエフェクトを駆使した美しくも深淵な音世界を満喫できます。
このユニットの1つの音楽的な頂点を極めたと感じるSubmotion Orchestraの美学が貫かれたアートな音像作品です。
目を閉じて美しい音世界を聴いていると、知らず知らずのうちにサウンドに没頭でき、自分の中にさまざまな心象風景が浮かんできます。
とりあえず「Prism」、「Variations」、「Kites」、「Youth」あたりを聴くと、本作の魅力を実感できると思います。
さぁ、この美しいサウンドスケープに心を委ねてみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Prism」
白昼夢のような幻想の音世界を楽しめるオープニング。UKクラブミュージックらしいジャズ・フィーリングが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=FlQ3AuD2UAw
「Variations」
余白の音創りが素晴らしい1曲。余白が大きい分、シンセ・ベースやストリングスの効果が抜群です。軽くパーカッシヴなのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=LKNsRoa4Vg0
「Night」
子守歌のようなRubyの優しいヴォーカルと美しいピアノの響きに包み込まれた後、少しダークな夜の闇へ突入していきます。
https://www.youtube.com/watch?v=XOZBjvFTY-A
「Kites」
まさに凧のようにユラユラと揺らめく音世界が展開されます。まさにこのバンドならでは完成度の高いオーケストラ的サウンドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Oun-tJQbcLo
「Bridge」
エフェクトを駆使した音の間が絶妙なサウンドスケープらしいサウンドを楽しめるインスト。無機質なリズムと人肌の温もりも感じるピアノ&ホーンの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sB6o1qj-Gos
「Own」
Rubyの祈りのようなヴォーカルが心の奥まで響くビューティフル・バラード。心を浄化してくれる素敵な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=APKX6EixE88
「Branches」
ストリングスを効果的に配した美しい音世界。クラブミュージック的な音に、ストリングスを効果的に織り交ぜることができるのがこのユニットのセンスですね。
https://www.youtube.com/watch?v=07FnTC3fhVo
「Youth」
このユニットの音の美学を満喫できる1曲。僕の一番のお気に入り。聴いているだけ無垢な気持ちになれるサウンド・マジックに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=br9P7LlVTbQ
「Tunnel」
少しダークな質感のインスト。ダンサブルという観点ではアルバムで最も"動"のサウンドかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=8Bazglts4DM
「Alone」
ラストは静寂に包まれた内省的な雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HzbhuRfAyrw
Submotion Orchestraの他作品もチェックを!
『Finest Hour』(2011年)
『Fragments』(2012年)
『Alium』(2014年)
『Colour Theory』(2016年)