2018年04月04日

Aura Urziceanu『Over The Rainbow』

ブラジリアン・ジャズな魅力を持った東欧ジャズ・ヴォーカル☆Aura Urziceanu『Over The Rainbow』
オーヴァー・ザ・レインボー
録音年:1977年
ez的ジャンル:東欧女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :Auraのオーラ!

今回はルーマニアが誇る世界的な女性ジャズ・シンガーAura Urziceanuが1977年にレコーディングした『Over The Rainbow』です。

ネットで調べるとリリースは1984年となっており、レコーディング時期とギャップがあるようです。便宜上、70年代カテゴリーに分類しておきます。

1946年ルーマニア、ブカレスト生まれの女性シンガーAura Urziceanuの紹介は、『Seara de Jazz cu Aura』(1974年)に続き2回目となります。

1977年にカナダでレコーディングされた本作『Over The Rainbow』は、Auraの再評価を高めた1枚です。

プロデュースはStefan Carapanceanu

レコーディング・メンバーは、Auraの公私のパートナーとなるカナダ人ドラマーRon Rully(ds、per)をはじめ、Carol Britto(p)、Gene DiNovi(p)、Gary Benson(g)、Bill Bridges(g)、Steve Wallace(b)等。

人気コンピCafe Apres-Midiシリーズに収録された「Lonely Lie」「As Time Goes By」をはじめ、オープニングを飾る「A Time For Love」Mario Castro-Neves作の「Danny」、バロック・ボッサ調の「We'll Be Together Again」といったブラジル/ラテンのエッセンスを取り入れた楽曲が本作の魅力です。

「Looking Through The Eyes Of Love」「Fire In The Morning」といったメロウ作品や、バックを抑えたバラードの「Over The Rainbow」「Once I Met A Day」あたりも僕のおススメです。

ブラジル/ラテン・ジャズ+ソフトロックな魅力と女性ジャズ・ヴォーカルな魅力がブレンドされた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「A Time For Love」
映画『An American Dream』(1966年)挿入歌をカヴァー(Johnny Mandel/Paul Francis Webster作)。スタンダードを軽快なブラジリアン・ジャズへ変貌させています。軽快なブラジリアン・リズムに乗ってAuraのヴォーカルが躍動します。

「One Like You」
Gene DiNovi/Tony Velona作。哀愁バラードを情感たっぷりにしっとり歌い上げます。

「Lonely Lie」
Mario Castro-Neves/T. Miller作。1977年当時カナダに滞在していたブラジル人コンポーザーMario Castro-Nevesが楽曲提供した本曲は、前述のようにCafe Apres-Midiのコンピにも収録された人気ボッサ・ジャジー・グルーヴです。Auraのヴォーカル&スキャットのキュートな魅力を存分に楽しめます。

「I Should Have Never Let Him Go」
Neil Sedaka作。素敵なギターを従え、メロウ・バラードを優しく歌い上げます。Auraのヴォーカリストとしての確かな実力を感じることができる1曲です。

「Looking Through The Eyes Of Love」
Carole Bayer Sager/Marvin Hamlisch作。優しい魅力に溢れたアコースティック・メロウ。ポップス好きの人も気に入るであろうメロウ・バラードに仕上がっています。

「Danny」
Mario Castro-Neves/T. Miller作。Mario Castro-Nevesが楽曲提供した2曲目。ラテン・リズムのソフトロックといった雰囲気がグッド!多重録音によるAuraのスキャットコーラスがグッド!

「Fire In The Morning」
Larry Herbstritt/Steve Dorff作。Melissa Manchesterも取り上げた楽曲です。ここではジャジー・メロウなソフトロック調の仕上がり。Auraのヴォーカルが実にチャーミングです。

「Come Rain Or Come Shine」
ミュージカル『St.Louis Woman』(1946年)のために書かれたスタンダード(作詞Johnny Mercer、作曲Harold Arlen)。リラックスしたジャズ・フィーリングのミディアムですが、無邪気なAuraの虜になるキュートな仕上がりです。

「A Time For Love」
オープニングを飾った「A Time For Love」の別ヴァージョン。こちらはスタンダードのカヴァーらしいバラード・ヴァージョンです。

「We'll Be Together Again」
Carl Fischer/Frankie Laine作。バロック調のアクセントをつけたソフト・ボッサ。上品なメロウ&ソフト・フィーリングがいいですね。

「If You Could Read My Mind」
Gordon Lightfoot作。Lightfootのオリジナルは『If You Could Read My Mind』に収録されています。ギターのみの抑えたバックでAuraのヴォーカルを引き立てます。

「Once I Met A Day」
Gene DiNovi/Tony Velona作。この曲ではピアノのみのバックでバラードをしっとりと歌い上げます。Auraの歌の魅力を実感するには、こういったタイプのバラードもいいかもしれません。

「Scarborough Fair」
Simon & Garfunkelの名曲をカヴァー。オリジナルの雰囲気を受け継ぐギター・バラードですが、東欧の女性ジャズ・シンガーというイメージがフィットします。

「Have A Heart」
Gene DiNovi/Johnny Mercer作。前半は作者Gene DiNoviのピアノが映える優しいバラード、後半はワルツ調の小粋なセンスが冴えます。

「If」
Breadの名曲をカヴァー(David Gates作)。ギターをバックにしたジャズ・バラード調の仕上がりです。

「As Time Goes By」
映画『Casablanca』でお馴染みのスタンダードをカヴァー(Herman Hupfeld作)。前述のようにCafe Apres-Midiのコンピにも収録された人気曲。誰もが知っているスタンダードをボッサ・ジャズへ変貌させ、さらにAuraのヴォーカルの存在感が抜群なのがいいですね。

「The Touch」
Gene DiNovi/Tony Velona作。ピアノのみをバックにした哀愁バラード。切々とした思いが伝わってきます。

「Over The Rainbow」
タイトル曲は映画『オズの魔法使』でお馴染みのスタンダード・カヴァー(Harold Arlen/Yip Harburg作)。この名曲を無邪気なキュート・ヴォーカルで歌い上げるAuraにアーティストとしてのオーラを感じます。

「We'll Be Together Again」
「We'll Be Together Again」の別ヴァージョン。こちらはオーセンティックなジャズ・バラードに仕上がっています。

『Seara de Jazz cu Aura』(1974年)
ジャズ・イヴニング・ウィズ・オーラ
posted by ez at 00:53| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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