発表年:1963年
ez的ジャンル:偉大なギタリスト系ボサノヴァ
気分は... :春風とボサノヴァ...
偉大なブラジル人ギタリストLuiz Bonfaの『Sings And Plays Bossa Nova』(1963年)です。
映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』(1959年)の挿入歌「Manha de Carnaval(カーニヴァルの朝)」、「Samba de Orfeu(オルフェのサンバ)」の作曲者として有名なブラジルの偉大なギターの魔術師Luiz Bonfa(1922-2001年)の紹介は、奥方Maria Toledoとの夫婦アルバムLuiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』(1965年)、Stan Getzとの共演作『Jazz Samba Encore!』(1963年)に続き3回目となります。
本作『Sings And Plays Bossa Nova』(1963年)は、米国Verveでの初レコーディング作品です。
Lalo Schifrinがアレンジャーを務め、レコーディングにはLuiz Bonfa(g、vo)以下、Maria Toledo(vo)、Oscar Castro-Neves(p、org、g)、Iko Castro-Neves(b)、Roberto Pontes-Dias(ds、per)、Leo Wright(fl)といったミュージシャンが参加しています。
タイトルの通り、Bonfaのヴォーカル&ギターを楽しめるボサノヴァ作品です。2曲を除きBonfaのオリジナル曲です。
アルバム前半はBonfa自身がヴォーカルを披露し、後半はギターに専念しています。Bonfa自身のヴォーカルは正直上手くありませんが、ヘタウマに味が出るのがボサノヴァのいい所ですよね。そうした構成やメリハリの効いたアレンジでアルバム1枚飽きることなく聴くことができます。
前半ならば「Silencio Do Amor (The Silence Of Love)」、「Samba De Duas Notas (Two Note Samba)」、「Vem So (Come Here, My Love)」、後半ならば「Quebra Mar (The Sea Wall)」、「Chora Tua Tristeza (Cry Your Blues Away)」あたりが僕のおススメです。
ギターのみならずヴォーカルも含めて、Luiz Bonfaというアーティストを満喫できる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Samba De Duas Notas (Two Note Samba)」
Luiz Bonfa作。『Jazz Samba Encore!』にも収録されていた楽曲です。本作の素晴らしさを実感できるオープニング。簡潔ながらも気の利いたバッキングでBonfaのヴォーカル&ギターを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=1hGNaM7ww8M
「Vem So (Come Here, My Love)」
Luiz Bonfa作。哀愁モードで疾走するサウンドと激シブのBonfaのヘタウマ・ヴォーカルがフィットしています。ここではBonfaのみならずOscar Castro-Nevesがギターで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kHa7W8A6K2I
「Sambalamento」
Luiz Bonfa/Maria Toledo作。完成度の高いボッサ・ジャズ・サウンドにBonfaの線の細いヴォーカルがフィットしています。オルガンでサウンドにアクセントを加えています。
https://www.youtube.com/watch?v=8H3PUvHtgCI
「Tristeza (Brazilian Blues)」
Luiz Bonfa/Maria Toledo作。当ブログではAstrud Gilbertoのカヴァーを紹介済みです。テンポを落とした演奏がBonfaの枯れたヴォーカルと一体になり、ジェントルで味わい深い仕上がりになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PJzMkrO5Z-I
「Manha De Carnaval (Morning Of The Carnival)」
Luiz Bonfa/Antonio Maria作。説明不要、Bonfaの名を世界中に知らしめした名曲「カーニヴァルの朝」の再演。美しいオーケストレーションがBonfaの哀愁ヴォーカル&ギターを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=ATI8HOOC3BI
「Silencio Do Amor (The Silence Of Love)」
Luiz Bonfa/Maria Toledo作。エレガントなボッサ・ジャズという点では、前半のヴォーカル曲の中で一番かも?奥方Maria Toledoのスキャットも聴けます。僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=kS-t5csU0IA
「Domingo A Noite (Sunday Night)」
Luiz Bonfa作。ここからはインスト中心の後半。Bonfaが軽やかな奏でるギターを堪能しましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=m7cbR0P8LTY
「Ilha De Coral (Coral Island)」
Luiz Bonfa作。ここではボサノヴァというよりラテン・ラウンジ・モードのサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8zY7QR7Qa1E
「Adeus (Goodbye)」
Luiz Bonfa作。美しいオーケストレーションと共に素敵なギターを奏でます。
https://www.youtube.com/watch?v=jKjnAhsu5Q0
「Quebra Mar (The Sea Wall)」
Luiz Bonfa作。軽やかに疾走する爽快ボッサ。やはりボッサ・ギターはこういうのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zJIpfaB-M00
「Amor Que Acabou (The End Of Love)」
Chico Feilosa/Luiz Freize作。少し哀愁モードのメロウ・ボッサを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=rzIxAuWws6o
「Chora Tua Tristeza (Cry Your Blues Away)」
Oscar Castro-Neves/Luverci Fiorini作。この演奏も僕好み。ジェントル&メロウなボッサ・ギターがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=0XSOjLYpmRg
「Bossa Nova Cha Cha」
Luiz Bonfa作。ラストはラテンと融合した哀愁ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1awr1H0zW44
Luiz Bonfaの他作品もチェックを!
『Caterina Valente e Luiz Bonfa』(1963年)
Stan Getz & Luiz Bonfa『Jazz Samba Encore!』(1963年)
Luiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』(1965年)
『The Brazilian Scene』(1965年)
Luiz Bonfa/Eumir Deodato『The Gentle Rain』(1965年)
『Jacaranda』(1973年)
『Manhattan Strut』(1997年)※1974年録音