発表年:1982年
ez的ジャンル:N.Y.アーバン・ファンク
気分は... :焼き筍とみぞれ酒!
昨晩は焼き筍を肴にみぞれ酒で一杯、〆は稲庭うどんをふきのとう入りのつけ汁で食し、春の味を満喫しました。いやぁ、大満足!
今回は80年代アーバン・ファンクからThe Ritchie Family『I'll Do My Best』(1982年)です。
The Ritchie Familyは1975年にフィラデルフィアで結成された黒人女性ヴォーカル・グループ。
結成時のメンバーはGwendolyn Oliver、Cassandra Ann Wooten、Cheryl Mason Jacksの3名。
グループ名は結成の仕掛人であるプロデューサーRichie Romeの名に因んだものです。
グループはフランス人ディスコ・プロデューサーJacques Moraliの下で、
「Brazil」(ブラジル名曲「Aquarela do Brasil」のカヴァー)、「The Best Disco in Town」といったヒットで人気を博しましたその後もメンバー・チェンジを経つつ、ディスコ/ダンス・ヒットを放っています。
アルバムとしては『Brazil』(1975年)、『Arabian Nights』(1976年)、『Life Is Music』(1977年)、『African Queens』(1977年)、『American Generation』(1978年)、『Bad Reputation』(1979年)、『Give Me a Break』(1980年)、『I'll Do My Best』(1982年)、『All Night All Right』(1983年)という合計9枚のアルバムをリリースしています。
Jacques Moraliによるディスコ・グループという印象的が強いThe Ritchie Familyですが、本作『I'll Do My Best』(1982年)ではJacques Moraliと袂を分かち、新たにN.Y.ディスコ/ファンク・ユニットChangeを手掛けたことで知られるイタリア人プロデューサーJacques Fred Petrusにプロデュースを委ねています。
本作におけるメンバーはJacqui Smith-Lee、Theodosia 'Dodie' Draher、Vera Brownという3名。
アレンジはGiuliano Salerniが手掛け、Fonzi Thorntonが共同プロデューサーとしてクレジットされています。
本作の最大の魅力はタイトル曲「I'll Do My Best (For You Baby)」をはじめ、「One And Only」、「This Love's On Me」、「Alright On The Night」、「You've Got Me Dancin'」といったN.Y.サウンドを満喫できるアーバンなディスコ/ファンクです。
加えて、「Walk With Me」、「You Can Always Count On Me」といったメロウ系もかなり秀逸です。
他のThe Ritchie Family作品とは区別して、Jacques Fred PetrusプロデュースのN.Y.アーバン・ディスコ/ファンクとして捉えた方が楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「I'll Do My Best (For You Baby)」
Alfonso Thornton/Giuliano Salerni/Mauro Malavasi作。シングル・カットされ全米R&Bチャート第27位となったタイトル曲。本作らしいN.Y.アーバン・ブギーに仕上がっています。思わずChangeとセットで聴きたくなる魅惑のN.Y.サウンドです!
https://www.youtube.com/watch?v=GljY6zNoefw
「This Love's On Me」
Jerry Marcellino作。Nile Rodgers調のカッティング・ギターとシンセの音色の組み合わせがグッドな爽快アーバン・ディスコ。暑苦しくなく実にスマートなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jJ4eVbXXbKg
「One And Only」
Zenobia Conkerite作。N.Y.らしいサウンド・センスを感じるモダン・ファンク。ディスコ/ファンク系で一番好きかも?
https://www.youtube.com/watch?v=MGLwk3vJsBY
The Mighty Zaf & Phil Asher「1981」のサンプリング・ソースとなっています。
The Mighty Zaf & Phil Asher「1981」
https://www.youtube.com/watch?v=0-5dHWa8gKk
「You Can Always Count On Me」
Herb Smith/Winston Gay作。素敵なメロウ・ミディアム。サンセット・モードでロマンティック・ムードを盛り上げてくれるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=avd_2ggLiXk
Saint Pepsi 「Friends」のサンプリング・ソースとなっています。
Saint Pepsi「Friends」
https://www.youtube.com/watch?v=fFegwIdcul0
「Walk With Me」
Greg Mathieson/Trevor Veitch作。AOR好きも気に入るであろうメロウ・バラード。浜辺のAORサウンドといった趣はBobby Caldwellあたりとセットで聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=mP1adkQdxPs
「Alright On The Night」
David Rose作。Change好きの人は「A Lover's Holiday」の姉妹曲とでも呼びたくなる思わずニンマリの1曲ですね。勿論、「A Lover's Holiday」大好きな僕はWelcomeです。
https://www.youtube.com/watch?v=TJ2qoU2sf58
「Tonight I Need To Have Your Love」
Herb Smith作。ベースの重低音が響くアーバン・ファンク。80年代前半らしいメロディ、サウンドが初めて聴くのに懐かしい感覚になってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=E4CYvGqKeLk
「You've Got Me Dancin'」
Herb Smith作。ラストはアーバンなディスコ・ファンクで締め括ってくれます。個人的にはThe S.O.S. Band「Just Be Good To Me」をChic調にアップテンポにした!なんて妄想も・・・(リリーズ時期的にコチラが先ですが)。
https://www.youtube.com/watch?v=2nouhClakr0
The Ritchie Familyの初期作品について興味がある方は、とりあえずベスト盤でチェックしてみては?
『The Best of The Ritchie Family: Best Disco in Town』(1994年)※ベスト盤
『Bad Reputation』(1979年)
『All Night All Right』(1983年)