発表年:1971年
ez的ジャンル:セルメン・フォロワー系スウェディッシュ・ブラジリアン・ポップ
気分は... :アカプルコのプールサイド...
今回はスウェーデン出身のグループGimmicksが1971年にリリースした『In Acapulco』です。
リーダーLeif CarlqvistがSergio Mendes & Brasil'66スタイルのボッサ・グループを目指して結成された、セルメン・フォロワーの最高峰グループGimmicksの紹介は、『Brasilian Samba』(1970年)に続き2回目となります。
本作はタイトルの通り、メキシコのリゾート地アカプルコの高級ホテル、ラスブリサスの支配人からの依頼によりメキシコでレコーディングされた作品です。メキシコ・ツアーの一環としてラスブリサスのステージに立っていたところ、ラスブリサスの支配人から宿泊客への進呈を目的としたプロモ盤として急遽レコーディングが行われる運びとなった模様です。
現地メキシコで急遽メンバーとなったUSテキサス出身の女性シンガーDiana Nunezがレコーディングに参加したり、ホテルの専属バンドのリーダーFreddy Guzmanが4曲も楽曲提供したりと急ごしらえの面も否めないようですが、それでもセルメン・フォロワーの最高峰グループらしいブラジリアン・ポップ/ソフトロックを随所で楽しむことができます。
Jobim作の「Wave」、Jorge Ben作の「Mas Que Nada」といった名曲カヴァーもいいですが、セルメン好きにはHaroldo Lobo/Niltinho作の名曲「Tristeza」を彷彿させるオリジナル曲「Coco-Loco Samba」がハイライトでしょう!
それ以外にポップ・ソウル調の「California Soul」、エレガントな「The Days Of Wine And Roses」あたりもおススメです。
ジャケも含めてバカンス気分を楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Good Old Brandy On The Rocks」
Francis Cowan/Freddy Guzman作。ジャズ・フィーリングの軽快なオープニング。華やかなホテルのステージといった趣がいいですね。
「California Soul」
Nicholas Ashford/Valerie Simpson作。Ashford & SimpsonがMarvin Gaye & Tammi Terrellのために書いた楽曲をカヴァー。Marlena Shawもカヴァーしていますね。躍動するポップ・ソウル調の仕上がりがアルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=O6uS6-KWWos
「Coco-Loco Samba」
Anita Strandell/Bernt Egerblad作。Sergio Mendes & Brasil'66、Elis Regina、Lill Lindfors、Birgit Lystagerヴァージョン等でお馴染み、Haroldo Lobo/Niltinho作の名曲「Tristeza」を彷彿させるオリジナルの爽快サンバです。♪ララララ♪ラララララ♪のスキャットを聴いているだけでハッピーな気分になれる本作のハイライト。
https://www.youtube.com/watch?v=oK7zfn9N_30
「Joy Spring」
Clifford Brown作。ブラウニーのオリジナルは『Clifford Brown & Max Roach』(1955年)に収録されています。涼しげなフルートとギターの音色が心地好いインストです。
「Honeymoon In Las Brisas」
Francis Cowan/Freddy Guzman作。ラスブリサスの宿泊客への進呈らしい曲タイトルですね。ロマンティックなムードに包まれています。
「Wave」
Antonio Carlos Jobim作。Jobimのお馴染みの名曲をカヴァー。前半はテンポを落としたロマンティックなインスト、ヴォーカルが入る後半はテンポアップしてセルメン・モード全開となります。
https://www.youtube.com/watch?v=B6A96IGVcdA
「La Concha」
Francis Cowan/Freddy Guzman作。ホテルのステージをイメージさせる華やかな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YVCY36K4H9s
「Mas Que Nada」
Jorge Ben作の名曲をカヴァー。Sergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンを手本とした仕上がりです。グルーヴィーなオルガンがグッド!
「Acapulco Sunset」
Francis Cowan/Freddy Guzman作。正にリゾート地のサンセットといった雰囲気のメロウな仕上がり。ただし、この曲に限ってはヴォーカルがイマイチかな。
「The Days Of Wine And Roses」
Henry Mancini/Johny Mercer作。アカデミー歌曲賞を受賞した映画『酒とバラの日々』の主題歌をカヴァー。エレガントなメロウ・ボッサで聴かせてくれます。
気になる方は他のGimmicks作品もチェックを!
『Brasilian Samba』(1970年)
『Gimmicks』(1973年)