録音年:1966年
ez的ジャンル:名アレンジャー系ピアノ・ジャズ
気分は... :ホタルイカの沖漬け!
ジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャーDuke Pearsonの『Prairie Dog』(1966年)です。
これまで当ブログで紹介してきたDuke Pearson(1932-80年)のリーダー作は以下の6枚。
『Angel Eyes』(1961年)
『Wahoo!』(1964年)
『Sweet Honey Bee』(1966年)
『The Right Touch』(1967年)
『The Phantom』(1968年)
『How Insensitive』(1969年)
本作『Prairie Dog』(1966年)は、『Honeybuns』(1965年)に続くAtlanticからの第2弾アルバムです。
レコーディングにはDuke Pearson(p、celeste)以下、Johnny Coles(tp)、Harold Vick(ts、ss)、George Coleman(tp)、James Spaulding(as、fl)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)、Gene Bertoncini(g)といったミュージシャンが参加しています。
プロデュースはJoel Dorn。
これまで紹介した作品と比較して、クラブジャズ人気曲「The Fakir」以外は地味な印象も受けますが、1曲1曲、名アレンジャーPearsonらしい味わいがあって楽しめる1枚です。
順番としては、60年代後半のBlue Note作品を一通りチェックした後のタイミングで聴くといいのでは?
全曲紹介しときやす。
「The Fakir」
Duke Pearson作。クラブジャズ方面での再評価も高い本曲が今日的にはハイライトかもしれませんね。Dave Brubeck「Take Five」とJohn Coltrane「My Favorite Things」をマッシュ・アップしたようなジャズ・ワルツ調の演奏です。James SpauldingのフルートとHarold Vickのソプラノ・サックスが妖しく響き渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=GcXLRv1iG2U
「Prairie Dog」
Duke Pearson作。南部出身のPearsonらしいゴスペル・フィーリングなピアノを楽しめるノスタルジックなカントリー調の仕上がり。安い酒でも引っかけて酔いどれモードといった雰囲気には捨てがたい魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=-87WoPkvxlk
「Hush-A-Bye」
Sammy Fain/Jerry Seelen作。ミュージカル映画『The Jazz Singer』(1952年)で使用されたジャズ・スタンダードをカヴァー。ここでのPearsonはチェレスタを弾き、何とも寂しげな哀愁ワールドを醸し出しています。
「Soulin'」
Joe Henderson作。多分、Roy Brooks『Beat』(1963年)が初レコーディングだと思います。小粋なブルース・フィーリングが渋いですな。
https://www.youtube.com/watch?v=S7nZyQCHsgg
「Little Waltz」
Ron Carter作。多分、本作と同じ1966年に録音されたBobby Timmons『The Soul Man!』のためにCarterが提供した曲だと思います。名アレンジャーPearsonらしいセンスを感じるバラード演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=kj8ZP1NnK5o
「Angel Eyes」
Earl Brent/Matt Dennis作。『Angel Eyes』で取り上げていた楽曲の再演。『Angel Eyes』ヴァージョンと同じくBob Cranshawのベースを従え、Pearsonの美しいピアノ・タッチを楽しめる演奏となっています。
Duke Pearsonの過去記事もご参照下さい。
『Angel Eyes』(1961年)
『Wahoo!』(1964年)
『Sweet Honey Bee』(1966年)
『The Right Touch』(1967年)
『The Phantom』(1968年)
『How Insensitive』(1969年)