発表年:1984年
ez的ジャンル:女性ファンク・グループ
気分は... :あの頃「I Miss You」・・・
今回は「I Miss You」の大ヒットで知られる、80年代に活躍した女性ファンク・グループKlymaxxの代表作『Meeting In The Ladies Room』(1984年)です。
既に紹介済みのアルバムだと思い込んでいましたが、メンバーBernadette Cooperのソロ・アルバム『Drama According to Bernadette Cooper』(1990年)を取り上げてようとして、本作が未紹介であることに気づき、取り上げました。
Klymaxxは1979年にL.A.で結成された女性ファンク・グループ。メンバーはBernadette Cooper(ds、vo)、Joyce "Fenderella" Irby(b、vo)、Lorena Porter Shelby(vo)、Lynn Malsby(key)、Robbin Grider(syn、g)、Cheryl Cooley(g、vo)という6名。
1981年にデビュー・アルバム『Never Underestimate the Power of a Woman』をリリース。
1984年に全米チャート第5位となった大ヒット・シングル「I Miss You」を含む3rdアルバム『Meeting In The Ladies Room』でブレイク。
続く4thアルバム『Klymaxx 』(1986年)からも「Man Size Love」、「I'd Still Say Yes」といったヒットが生まれますが、メンバーのうち、Bernadette Cooper、Joyce "Fenderella" Irby、Lynn Malsbyの3名が脱退してしまいます。
その後、残りのメンバーで5thアルバム『The Maxx Is Back』(1990年)をリリースしてグループは解散。1994年にリユニオン・アルバム『One Day』をリリースしています。
さて、本作『Meeting In The Ladies Room』(1984年)といえば、まずはグループ最大のヒット曲「I Miss You」ですね。
個人的にも思い出深い1曲です。当時20歳、この曲を聴いた瞬間、大学時代の懐かしい光景が目に浮かんできます。当時の僕のは「I Miss You」とForce M.D.'s「Tender Love」の2曲が1セットでよく聴いていた記憶があります。
ただし、「I Miss You」のイメージのみで聴くと、『Meeting In The Ladies Room』というアルバムを的確に捉えることはできません。ミネアポリス・ファンク等の影響を受けたフィーメール・エレクトリック・ファンクというのがアルバムの基本です。
Jam & Lewis(Jimmy Jam/Terry Lewis)、LakesideのStephen Shockley、Midnight StarのBo WatsonとCalloway兄弟(Vincent Calloway/Reggie Calloway)等のプロデューサー陣の顔ぶれを見れば、本作がファンク作品であることが分かると思います。また、外部プロデューサー頼みではなく、グループのセルフ・プロデュースも織り交ぜているあたりに彼女達のプライドを感じます。
「I Miss You」以外であれば、Calloway兄弟によるMidnight Star的エレクトリック・ファンクの「Meeting In The Ladies Room」と「Love Bandit」、Jam & Lewisが手掛けた「Lock And Key」、ミネアポリス・ファンク的な「I Betcha」あたりがおススメです。
「I Miss You」は名曲ですが、それ以外のエレクトリック・ファンクも含めて楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Men All Pause」
Stephen Shockley/Bernadette Cooper/Fenderellaプロデュース。アルバムからの1stシングル。全米R&Bチャート第5位のヒットとなりました。リード・ヴォーカルはBernadette Cooper/Fenderella。セクシー・モードのファンク・チューン。このあたりの打ち込みサウンドは好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=34QVPwRLRKU
Crooked Path「Hatas All Pause」、Kurupt feat. Nate Dogg & Roscoe「Girls All Pause」等のサンプリング・ソースとなっています。
Crooked Path「Hatas All Pause」
https://www.youtube.com/watch?v=ZFSD_4hYY8s
Kurupt feat. Nate Dogg & Roscoe「Girls All Pause」
https://www.youtube.com/watch?v=DXMoAsqOPAY
「Lock And Key」
Jimmy Jam & Terry Lewis//Bernadette Cooperプロデュース。アルバムからの3rdシングルにもなりました。リード・ヴォーカルはLorena。初期Jam & Lewisの仕事ぶりを楽しめるダンサブルなファンク・チューンに仕上がっています。後のJanet Jackson作品等を予感させます。
https://www.youtube.com/watch?v=S9B1IMVKGY8
「I Miss You」
Klymaxxプロデュース。アルバムからの4thシングル。前述のように全米チャート第5位、同R&Bチャート第11位の大ヒットとなったグループの代表曲。リード・ヴォーカルはFenderella。切ない恋心はピュアに歌い上げるラブソングは、いつ聴いても胸に込み上げてくるエヴァーグリーンな魅力があります。あの頃、僕は若かった(笑)。Julia Waters、Maxine Waters、Oren WatersというThe Watersの面々がバック・コーラスを務めています。Boyz II Men等がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=gvlhHJNppQg
「Just Our Luck」
Barry DeVorzon/Joseph Conlanプロデュース。リード・ヴォーカルはFenderella。シンセポップ調のミディアム・グルーヴ。ミネアポリス・ファンクをシンセポップに昇華させたような感じですかね。
「Meeting In The Ladies Room」
Bo Watson/Vincent Calloway/Reggie Callowayプロデュース。タイトル曲はアルバムからの2ndシングル。全米R&Bチャート第4位のヒットとなりました。リード・ヴォーカルはLorena。Calloway兄弟らによるMidnight Star的なエレクトリック・ファンクを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=_odTlZaoLCA
「Video Kid」
Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。タイトルから想像できるようにビデオゲームをモチーフにしたポップ・ダンス調の仕上がり。リード・ヴォーカルはFenderella/Lorena。
https://www.youtube.com/watch?v=Ml7bQq3SRhQ
「Ask Me No Questions」
Klymaxxプロデュース。リード・ヴォーカルはLorena。女性グループらしい正統派バラードですが少しインパクトが弱いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=1kIBj0Qr7Ms
「Love Bandit」
Bo Watson/Vincent Calloway/Reggie Callowayプロデュース。リード・ヴォーカルはLorena。再びCalloway兄弟らによるMidnight Star的なエレクトリック・ファンク。ブラコン好きの人であれば気に入る1曲に仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=13lKNTFbCVY
「I Betcha」
Joyce "Fenderella" Irbyプロデュース。リード・ヴォーカルはLorena。ラストはミネアポリス・ファンク的なダンサブル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uXfZ3-reenw
Klymaxxの他作品もチェックを!
『Girls Will Be Girls』(1982年)
『Klymaxx 』(1986年)
『The Maxx Is Back』(1990年)
『One Day』(1994年)