録音年:1962年
ez的ジャンル:人気ジャズ・ギタリスト系ラテン・ジャズ
気分は... :ラテンで陽気に・・・
今回は人気ジャズ・ギタリストGrant Greenがラテン・ジャズにアプローチした『The Latin Bit』<(1962年)です。
これまで当ブログで紹介したGrant Green作品は以下の6枚。
『Carryin' On』(1969年)
『Green Is Beautiful』(1970年)
『Alive!』(1970年)
『Visions』(1971年)
『Live at the Lighthouse』(1972年)
『The Final Comedown』(1972年)
本作『The Latin Bit』<(1962年)は、タイトル、ジャケの通り、ラテン・ジャズにアプローチした作品です。ブルージー&ファンキーなイメージが強いGrant Greenにとっては異色作と呼べるかもしれませんね。
1962年4月に行われたオリジナル6曲のレコーディングにはGrant Green(g)以下、John Acea(p)、Wendell Marshall(b)、Willie Bobo(ds)、Carlos "Patato" Valdes(congas)、Garvin Masseaux(chekere)といったミュージシャンが参加しています。
企画的な要素もあるせいか、非常にリラックスしたGreenのギター・プレイを楽しめます。また、ラテン一辺倒ではなく、ブルージー&スウィンギーなエッセンスも織り交ぜているのがGreenらしいですね。
異色作ですが、リラックス・モードのGrant Greenもいいですよ。
全曲紹介しときやす。
「Mambo Inn」
Mario Bauza/Edgar Sampson/Bobby Woodlen作。Cal Tjader等でもお馴染みのアフロ・キューバン・ジャズ名曲をカヴァー。リラックスしたGreenのギターで寛げる開放的なラテン・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=ws01ny-4mCw
「Besame Mucho」
Consuelo Velazquez作。メキシコ産のラテン名曲「ベサメムーチョ」をカヴァー。お馴染みの名曲をムード・ラテン調の雰囲気で聴かせてくれますが、途中ブルージーになるのがGreenらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XhqzGU18VME
「Mama Inez」
Louis Wolfe Gilbert/Eliseo Grenet作。軽やかなラテン・ジャズですが、本作らしく途中でスウィンギンな展開になります。
「Brazil」
Ary Barroso作のブラジル名曲「ブラジルの水彩画(Aquarela Do Brasil)」をカヴァー。華やか、軽やかなギターでお馴染みのメロディを奏でてくれるのが何とも心地好いですね。Greenらしい「ブラジルの水彩画」を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=mW_d-Ngvej0
本曲に関して、当ブログではElis Regina、Sonzeira、Gal Costa、Geoff & Maria Muldaur、映画『未来世紀ブラジル』サントラのカヴァーを紹介済みです。
「Tico Tico」
Zequinha de Abreu作のラテン名曲「Tico-Tico no Fuba」をカヴァー。格好良いコンガ・ブレイクと共にスタートする妖艶なラテン・ジャズですが、中盤のラテン×スウィンギンな演奏は本作ならではです。
https://www.youtube.com/watch?v=dUjMkZRqv18
「My Little Suede Shoes」
Charlie Parker作。ラストは敬愛するParker作品で締め括ってくれます。本作らしくラテン・ジャズでスタートした後、中盤はスウィンギンな演奏に終始し、最後は再びラテン調でエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=xELiQUA33wE
再発CDにはボーナス・トラックとして、「Blues for Juanita」、「Granada」、「Hey There」の3曲が追加収録されています。
3曲のうち、「Blues for Juanita」はオリジナル6曲と同日、同メンバーのセッションですが、「Granada」、「Hey There」は1962年9月のセッションであり、ピアノがSonny Clarkに代わり、さらにIke Quebec(ts)が加わっています。
Grant Greenの過去記事もご参照下さい。
『Carryin' On』(1969年)
『Green Is Beautiful』(1970年)
『Alive!』(1970年)
『Visions』(1971年)
『Live at the Lighthouse』(1972年)
『The Final Comedown』(1972年)