発表年:1979年
ez的ジャンル:サーフサイド系AOR
気分は... :ベストヒットUSA!
今回はAOR好き、ド定番の1枚Vapour Trails『Vapour Trails』(1979年)です。
僕を含むオッサン世代には小林克也さんでお馴染みの人気洋楽番組『ベストヒットUSA』のテーマ曲「Don't Worry Baby(サーフサイド・フリーウェイ)」収録のアルバムとして愛着のあるアルバムですね。あのイントロを聴いただけで次々と名作ジャケが登場する『ベストヒットUSA』のオープニング映像と青春の思い出がリンクしてグッとくる中高年オッサンは多いのでは?僕もその典型です。
ちなみに当時の日本ではThe VT's名義でアルバム・タイトル『Autumn Breeze』(1980年)としてリリースされました。
The VT's『Autumn Breeze』(1980年)
k
Vapour TrailsはJohn McBurnie(vo、g、key)、Andy Dalby(g)、Phil Curtis(b)というUKの敏腕ミュージシャン3名が組んだバンド。
彼らのデモ・テープに目を付けたのはWarner Brosの敏腕プロデューサー・コンビTed Templeman、Lenny Waronker。
こうして制作されたのがVapour Trails唯一のアルバム『Vapour Trails』(1979年)です。
レコーディングはロンドンとL.Aで行われ、ロンドン録音はVapour Trails自身、L.A録音はLarry Carltonがプロデュースし、彼のホームグラウンドRoom 335
レコーディングにはメンバー以外に、John Ferraro(ds)、Steve Holly(ds)、Paulinho da Costa(per)、Michael Omartian(key)、Dave Benoit(key)、Brian Mann (key)、William D. Smith(key)、Brian Chatton(key)、Betsy Cook(org)、Tom Scott(sax)、Mel Collins(sax)、Bill Champlin(back vo)、Vivienne McAuliffe(back vo)、Betsy Cook(back vo)が参加しています。
ハイライトは勿論「Don't Worry Baby(サーフサイド・フリーウェイ)」ですが、それ以外にも英国人ミュージシャンのUSウエストコースト・サウンドへの憧れを随所で楽しめる1枚に仕上がっています。
ウエストコーストAOR好きの人にはエヴァーグリーンな1枚ですね。
全曲紹介しときやす。
「Do The Bossa Nova」
John McBurnie作。国内盤『Autumn Breeze』では「Don't Worry Baby」がオープニングでしたが、本来のオープニングはコレ。本国UKで唯一シングル・カットされたのがこの曲。全然ボサノヴァ・モードではありませんが、リラックスしたバカンス・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=A0mUApg-mEs
「Don't Worry Baby」
John McBurnie作。説明不要のAORクラシックですね。イントロを聴いた瞬間、気分は思春期のあの夏へ・・・。UKミュージシャンのUSウエストコーストへの憧れが見事に反映されたエヴァーグリーンな名曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Ho56P99Tmbg
「Night People」
Vivienne McAuliffe/John McBurnie作。ロンドン録音の1曲目。ロンドン録音とは信じられないUS西海岸の爽快ブリージンな仕上がりです。Larsen-Feiten Bandあたりが好きな人であればグッとくるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=FXoK091P_1Q
「True Love」
John McBurnie作。ロンドン録音の2曲目。ロンドンの曇り空ならぬ、カリフォルニアの青い空といった趣の爽快ミディアム・バラード。僕好みのメロウ・フィーリングです。
「It's All Right」
John McBurnie作。日本人好みのAORロック・チューン。初期Totoがお好きな人は気に入るのでは?
「Slow Dancing」
John McBurnie作。前半はアコースティック・ギターとメロウ・エレピの組み合わせの癒しが心地好い仕上がり。中盤以降はカッティング・ギターが印象的なメロウ・ソウルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=gmBRoSSblQ0
「Modern Love」
Steve Holly/John McBurnie作。ロンドン録音の3曲目。ポップ・ロック調AORに仕上がっています。この時代らしいサウンドですね。
「Non Merci」
John McBurnie作。ロッキンな仕上がりですが、悪くはありませんが産業ロックっぽさがあるので少しビミョー・・・
「Hold On To Something Good」
John McBurnie作。素敵なメロウ・ミディアムはAOR好きの人であればウェルカムな仕上がりだと思います。
「Strange Conversations」
Andy Dalby/Robby Jack作。ブルー・アイド・ソウル的な都会的サウンドがいいですね。彼らのセンスの良さを感じます。
「Throw Down The Dice」
John McBurnie作。ロンドン録音の4曲目。AOR好きの心をくすぐるメロウ・ミディアム。中盤はモロにThe Doobie Brothers「What A Fool Believes」状態ですが、この確信犯的サウンドが良かったりします(笑)
「Falling」
John McBurnie作。ラストはレイドバックAORとでも呼びたくなる1曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ynHate__t3k
個人的にはSpyro Gyra『Morning Dance』(1978年)とセットで聴きたくなる1枚です。
Spyro Gyra『Morning Dance』(1978年)
「Morning Dance」
https://www.youtube.com/watch?v=bVDZ5UY_oDw
thanks!