発表年:2018年
ez的ジャンル:ベルリン産クロスオーヴァー/モダン・ソウル
気分は... :果報は寝て待て!
新作からベルリンのプロデューサー/DJユニットJazzanova、待望の3rdスタジオ・アルバム『The Pool』です。
ベルリンを拠点に世界のクラブジャズ/クロスオーヴァーを牽引してきたプロデューサー/DJユニットJazzanovaの紹介は、1stアルバム『In Between』(2002年)、2ndアルバム『Of All The Things』(2008年)に続き3回目となります。
コンピ等のせいで数多くアルバムを出している印象もあるJazzanovaですが、純然たるオリジナル・スタジオ・アルバムはこれまで『In Between』(2002年)、『Of All The Things』(2008年)の2枚のみであり、本作『The Pool』は10年ぶりのスタジオ新作となります。待たせすぎです(笑)
本作におけるメンバーはAxel Reinemer、Stefan Leisering、Alex Barck、Claas Brieler、Jurgen von Knoblauchの5名。
全曲ヴォーカル入りです。
Jazzanova作品ではお馴染み、USデトロイト出身の男性R&BシンガーPaul Randolph、クロスオーヴァー/クラブミュージック好きにはお馴染みのUKブリストル出身の男性シンガーBen Westbeech、NZ出身、ベルリンを拠点にする新世代R&BシンガーNoah Slee、N.Y.ブルックリンを拠点とするラッパーOddisee、スコットランド出身の女性フォーク・シンガーRachel Sermanni、UKブリストル出身で2015年にはSonar Kollektivからアルバム『Colour』をリリースしているPete Josef、チリ、サンティアゴを極点とするDJ/プロデューサーRafael Silvaによるダンス・ミュージック・プロジェクトKPTN、ボリビア出身、ベルリンを拠点にする男性シンガー・ソングライターDavid Lemaitre、UKエセックス出身の人気男性ジャズ・シンガー/マルチ・プレイヤーJamie Cullum、UKの女性シンガーCharlotte OC、ワシントンD.C.出身、UK育ち、ベルリンを拠点に活動する男性R&BシンガーOlivier St. Louis、オーストリア、メルボルン出身の男性シンガーEdward Vanzetといった多彩なアーティストがフィーチャリングされています。
アルバム全体としては、前作『Of All The Things』の流れを汲む、クラブジャズ/クロスオーヴァー経由のモダン・ソウル作品に仕上がっています。それ以外に美しいサウンド&メロディが光る楽曲、Hip-Hop調の楽曲など飽きさせることなくアルバム1枚を楽しむことができます。
どの楽曲にもJazzanovaならではのサウンド・センスや味わい深さを満喫できるのがサイコーです。
勿論、自らのレーベルSonar Kollektivからのリリースです。
10年待たされましたが、充実の内容に大満足の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Now (L.O.V.E. And You & I - Part 2)」
Oddiseeをフィーチャー。タイトルからも分かるように、1stアルバム『In Between』のオープニングを飾った「L.O.V.E. And You & I」のパート2でアルバムは幕を開けます。「L.O.V.E. And You & I」の雰囲気を受け継ぎつつ、Jazzanovaらしいサウンド・カラーのHip-Hopを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k4aoN_D0GYY
「Rain Makes The River」
Rachel Sermanniをフィーチャー。先行シングルにもなったJazzanovaワールド全開の哀愁チューン。童心に戻っていく気分になる味わい深さがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rwx63pCRVDw
「Follow Your Feet」
Pete Josefをフィーチャー。Jazzanova流モダン・ソウルを楽しめる軽快なダンサブル・チューン。『Of All The Things』が好きだった人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=LAXS-oZIBgk
「No. 9」
KPTNをフィーチャー。ベルリン産クラブジャズ経由のHip-Hopチューンといった雰囲気がいいですね。聴き重ねるほどに気に入ってきました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZhSv7Z7OgKg
「Sincere」
Noah Sleeをフィーチャー。個人的に注目している新世代R&BシンガーNoah SleeとJazzanovaの共演というだけでワクワクします。両者の相性の良さを感じる良質のモダン・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Fi-OM0aQ89M
「Slow Rise」
David Lemaitreをフィーチャー。哀愁モードのグルーヴが心地好いダンサブル・チューン。David LemaitreのヴォーカルはJazzanovaサウンドにフィットしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=IUhrqyTRmno
「Let's Live Well」
UKの貴公子Jamie Cullumをフィーチャー。Jamie Cullumのヴォーカルは映える感動バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Lr9_QJJgaFY
「Everything I Wanted」
Charlotte OCをフィーチャー。エレクトリックな疾走感が格好良いクロスオーヴァーなダンサブル・チューン
https://www.youtube.com/watch?v=fEA31LaNEBQ
「Heatwave」
Olivier St. Louisをフィーチャー。硬質なビート、ソウルフルなOlivier St. Louisのヴォーカルが印象的なJazzanovaらしいモダン・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=5CZFg4q0cSo
「It's Beautiful」
Paul Randolphをフィーチャー。『Of All The Things』収録の名曲「Let Me Show Ya」でお馴染みのPaul Randolphですが、ここではアブストラクトなダンサブル・サウンドに乗って哀愁モードのヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vZr2zhOuYgA
「I'm Still Here」
Edward Vanzetをフィーチャー。ビューティフルなミディアム・チューン。美しいメロディ&サウンドは一度聴いたらやみつきになります。
https://www.youtube.com/watch?v=5M4SKoJsORE
「Summer Keeps On Passing Me By」
Ben Westbeechをフィーチャー。ラストは僕の大好きなBen Westbeechとの共演。このブルージーなモダン・ソウルは僕の期待通り!最近はあまり活動が伝わってこないBen Westbeechですが、この調子で自身の新作も届けて欲しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BUc973XGbYU
Jazzanova関連の過去記事もご参照ください。
『In Between』(2002年)
『Of All The Things』(2008年)
Thief『Sunchild』(2006年)
Alex Barck『Reunion』(2013年)