発表年:2018年
ez的ジャンル:ローファイ系ドリーミー・ポップ/ファンク
気分は... :これぞ異才!
新作アルバムからエレクトロ・ポップ・ユニットKNOWERの活動でも注目を浴びている異才Louis Coleの最新3rdアルバム『Time』です。
Louis ColeはL.A.を拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサー、ドラマー/マルチ・プレイヤー。
大学でジャズを学び、まずL.A.ジャズ・シーンでドラマーとして腕を磨いていました。若くして逝った天才ジャズ・ピアニストAustin Peralta、超絶ベーシストThundercatというFlying LotusのレーベルBrainfeeder最強コンビとトリオを組んでいた時期もあります。
また、トラックメイカーやポップ職人的な顔も持ち、これまで『Louis Cole』(2010年)、『Album 2』(2013年)という2枚のソロ・アルバムをリリースしています。
また、女性シンガーGenevieve Artadiとのエレクトロ・ポップ・ユニットKNOWERとしても、『Let Go』(2013年)、『Covers』(2014年)、『Life』(2016年)という3枚のアルバムをリリースしています。
さらにJeff Babko、Tim Lefebvre、Timothy YoungとのユニットCrow Nutsとしても作品をリリースしています。
昨年の超話題作Thundercat『Drunk』(2017年)にソングライティング&演奏で参加したり、デジタル・リリースのみながらも高い評価を得ていたKNOWER『Life』(2016年)が今年に入り世界初のCD化が実現するなど、異才ミュージシャンとして日増しに注目度が高まっていたLouis Cole。
KNOWER『Life』(2016年)
「Hanging On」(From 『Life』)
https://www.youtube.com/watch?v=kLZJ-0IP9bY
そんな最高のタイミングでドロップされた最新3rdアルバム『Time』は、Flying LotusのBrainfeederからのリリースということで、さらに期待が高まります。
アルバムにはKNOWERの相方Genevieve Artadi、現代ジャズを代表するピアニストBrad Mehldau、彼の知名度向上に一役買ったThundercat、Thundercat『Drunk』にも参加していたキーボード奏者Dennis Hammがフィーチャリングされています。
ファルセットを駆使したヴォーカル・ワークにThe Beach Boysへの憧れがモロに反映されたドリーミー・ポップ、Michael JacksonやPrinceの影響を感じるダンス・チューン、KNOWERで磨かれたローファイなエレクトロ・ポップ、西海岸らしいTuxedo/Dam-Funkあたりに通じるファンクネス、Brainfeederらしいビートミュージック、クラシカルなオーケストレーションも手掛けるアレンジャーらしい美しいストリングス、出発点である現代ジャズといったLouis Coleの幅広い音楽性が巧みに組み合わされた唯一無二のポップ・ワールドが展開されます。
真面目なのか、不真面目なのか不明な点も多いLouis Cole作品ですが、本作はかなり本気だしているのでは?ただし、それをローファイ感覚で聴かせてしまうのが彼ならではの遊び心かもしれませんが。
Louis Coleというミュージシャンの底知れぬ才能を存分に満喫できる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Weird Part of The Night」
Tuxedo×MJといった雰囲気のダンサブルなオープニング。Zapp/Rogerばりのヴォコーダーも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=glgPZmSwC4M
「When You're Ugly」
KNOWERの相方Genevieve Artadiをフィーチャー。KNOWERのエレクトロ・ポップ・センスとG-Funk調のファンクネスが融合したLouis Coleらしいポップ・ワールド全開です。チープながらもMJ「Thriller」へのオマージュを感じるMVにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=vS4NxiURhEw
「Everytime」
The Beach Boys的世界観による美しいメロディとドリーミーなサウンドが印象的な1曲。
「Phone」
前曲の流れを受け継ぐThe Beach Boys調のドリーミー・ポップ。ビートにはトラックメイカーも窺えます。
https://www.youtube.com/watch?v=a6LhO7YsayY
「Real Life」
Brad Mehldauのピアノをフィーチャー。てっきりジャズ的アプローチの曲をイメージしていると、スピーディーなファンク・チューンで意表を突かれます。ビートミュージックのエッセンスも感じられるのがBrainfeederらしいですね。
「More Love Less Hate」
素晴らしいヴォーカル・ワークによるドリーミーな小曲。
「Tunnels in The Air」
Thundercatをフィーチャー。Louis Coleも参加していたThundercat『Drunk』に収録されていそうなメロウ・ミディアム。
「Last Time You Went Away」
クラシカルなオーケストレーションも手掛けるアレンジャーとしてのLouis Coleの才を感じる1曲。美しいストリングス・ワールドを堪能しましょう。
「Freaky Times」
Prince殿下×ビートミュージックといった雰囲気のダンス・チューン。これはLouis Coleにしか生み出せない音世界ですね。
「After The Load is Blown」
美しいストリングス隊とローファイ・サウンドのコントラストが面白い1曲。この人の異才ぶりがよく分かります。
「A Little Bit More Time」
60年代ソフト・ロックを2018年モードにアップデートしたかのようなセンチメンタルな爽快ポップ・チューン。
「Trying Not To Die」
Dennis Hammをフィーチャー。The Beach Boys的ポップ・センスをローファイ感覚で仕上げ、Dennis Hammの今ジャズ・ピアノでアクセントをつけたLouis Coleならではのポップ・チューン。
「Things」
The Beach Boys調のメロディ&ヴォーカル、エレクトロ・ポップ・サウンド、さらには美しいストリングスも加わった素敵なポップ・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=RhllQAiEQlM
「Night」
本編のラストはビューティフルなポップ・チューンで締め括ってくれます。
「They Find You」
国内盤ボーナス・トラック。美しいストリングスも交えたドリーミー・ポップ。本編にもあったストリングスとローファイ・サウンドの組み合わせを楽しめます。
Louis Coleの他作品やKNOWERのアルバムもチェックを!
『Album 2』(2013年)
KNOWER『Let Go』(2013年)
KNOWER『Covers』(2014年)
KNOWER『Life』(2016年)