録音年:1971年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ギター名手
気分は... :夏の終わりに・・・
今回はブラジル音楽を代表するギタリスト/コンポーザーBaden Powellが1973年にリリースした『Solitude On Guitar』です。
偉大なブラジル人ギタリストBaden Powell(1937-2000年)の紹介は、Vinicius de Moraesと組んだアフロ・サンバ名盤『Os Afro Sambas』(1966年)、『Images on Guitar』(1972年)に続き3回目となります。
本作は1971年にドイツでレコーディングされ、1973年にリリースされました。
ジャケや『孤独』という邦題が象徴するように、サウダージ感覚の味わい深い哀愁ギターが印象的な1枚です。基本はBadenのソロ・ギターが中心であり、曲によりドラム、ベースのアクセントをつけています。
レコーディング・メンバーはBaden Powell(g)、Eberhard Weber(b)、Joaquim Paes Henriques(ds)。
哀愁モードの「Introducao Ao Poema Dos Olhos Da Amada」、「Solitario」、サウダージな「Marcia, Eu Te Amo」、「Por Causa De Voce」、ロマンティックな「Brasiliana」、軽やかな「Fim Da Linha」、ミステリアスな「Na Gafieira Do Vidigal」、スリリングな「Bassamba」、リズミックな「Chara」のように様々な表情のBadenのギターを楽しむことができます。
ジャケも含めて、夏の終わりモードにフィットする1枚なのでは?
全曲紹介しときやす。
「Introducao Ao Poema Dos Olhos Da Amada」
Baden Powell/Paulo Soledade/Vinicius de Moraes作。本作を象徴するような味わい深い哀愁ギターを聴くことができるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=o8S00Gx9E74
「Chara」
Baden Powell作。ドラム、ベースが加わり、本作の中で比較的軽やかなでリズミックな演奏です。透明感のあるギターの軽やかな響きが心地好いです。
「Se Todos Fossem Iguais A Voce」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。当ブログではLenita Brunoのカヴァーを紹介済みです。Badenの穏やかなギターの音色に心が安らぎます。
「Marcia, Eu Te Amo」
Baden Powell作。本作らしいサウダージな郷愁ギターが胸の奥まで沁みてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=S3q_sm7EyRg
「Na Gafieira Do Vidigal」
Baden Powell作。バイーア感覚のミステリアスな雰囲気にグッとくる1曲。刺激という意味ではアルバム随一だと思います。
「Kommt Ein Vogel Geflogen」
トラディショナルをBadenがアレンジ。情感たっぷりのBadenの美しいギターを満喫できます。
「Fim Da Linha」
Baden Powell作。聴きやすさ、軽やかさという点ではコレがおススメ。カフェでお茶でもしながら聴きたい音ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ntdbZkd3UHw
「The Shadow Of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画『いそしぎ』の主題歌をカヴァー(Johnny Mandel作)。お馴染みのメロディを美しくも切ない音色のギターで、しっとりと聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UUXBili2IsI
本曲について、当ブログではJohn Patton、Lou Donaldson、Johnny Lytle、The Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited、Ann Burton、Pucho & The Latin Soul Brothers、Astrud Gilberto、Os Tres Brasileiros、Pauline London、Claude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Seven、Chris Montez
のカヴァーを紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。
「Brasiliana」
Baden Powell作。ロマンティックなセレナーデを素敵な音色で奏でます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZFcL81WWVWc
「Bassamba」
Eberhard Weber作。アコギ、ベース、ドラムのみですがクロスオーヴァー感のあるスリリングなサウンドにグッときます。特に作者Eberhard Weberのベースが目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=kvnxFyvW0fw
「Por Causa De Voce」
Antonio Carlos Jobim/Dolores Duran作。美しいサウダージ・ギターが郷愁感を誘います。
https://www.youtube.com/watch?v=2wLmOZdiSu0
「Solitario」
Baden Powell作。ラストはしみじみとした哀愁ギターで静かに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=groJ1GEAVSw
ご興味がある方はBaden Powellの他作品もチェックを!
『Baden Powell Swings with Jimmy Pratt』(1963年)
『A Vontade』(1964年)
『Le Monde Musical de Baden Powell, Vol. 1』(1964年)
Baden E Vinicius『Os Afro Sambas』(1966年)
『Tristeza on Guitar』(1966年)
『Le Monde Musical de Baden Powell, Vol. 2』(1969年)
『Estudos』(1971年)
『Images on Guitar』(1972年)
『The Frankfurt Opera Concert 1975』(1975年)
『Serenata Brasileria』(1988年)