2018年09月06日

Gil Scott-Heron『Real Eyes』

Malcolm Cecilと組んだソロ名義アルバム☆Gil Scott-Heron『Real Eyes』
REAL EYES
発表年:1980年
ez的ジャンル:黒人吟遊詩人ジャズ・ファンク
気分は... :リアル・アイも持つために・・・

今回は黒人吟遊詩人Gil Scott-Heron(1949-2011年)が1980年にリリースした『Real Eyes』です。

これまで当ブログで紹介したGil Scott-Heron作品(Brian Jacksonとの連名作を含む)は以下の8枚。

 『Pieces Of A Man』(1971年)
 『Winter In America』(1974年)
 『The First Minute Of A New Day』(1975年)
 『It's Your World』(1976年)
 『Bridges』(1977年)
 『Secrets』(1978年)
 『1980』(1980年)
 『Reflections』(1981年)

本作『Real Eyes』は、Brian Jacksonとのコンビ解消後の初アルバムとなります。

プロデュースはGil Scott-Heron本人とMalcolm Cecil

全盛期のStevie Wonder作品を手掛けたことでお馴染みのMalcolm Cecilとは、本作、『Reflections』(1981年)、『Moving Target 』(1982年)の3作品でタッグを組むことになります。

レコーディングにはEd Brady(g)、Carl Cornwell (ts、fl)、Robert Gordon(b)、Vernon James(sax、fl)、Ethan Ivy(per)、Kenny Powell(ds)、Kenny Sheffield (tp)、Glen (Astro) Turner(key、syn、harmonica)という彼の新しいバックバンドAmnesia Expressの面々、それ以外にBrian Jackson(p)、Danny Bowens(b)、Reggie Brisbane(ds)というThe Midnight Band時代の仲間、Stemsy Hunter(as)、Harry Kim(tp)といったミュージシャンが参加しています。

Malcolm Cecilと組み、Amnesia Expressという新しいバンドを従え、新しいステージに入ったGil Scott-Heronワールドを楽しめます。


ガラージ人気も高い「The Klan」、サンプリング・ソースとしても人気の「A Legend In His Own Mind」、鮮やかなオープニング「The Train From Washington」あたりが人気だと思います。

個人的には格好良いジャズ・ファンクという点で「Waiting For The Axe To Fall」が一番のお気に入り。本作らしい愛に満ちた「You Could Be My Brother」「Your Daddy Loves You (For Gia Louise) 」、黒いBob Dylanと呼ばれたGilらしい「Not Needed」も悪くありません。

後回しにされやすいGil Scott-Heron作品ですが、サウンド面が充実しているので、意外に入門編としてもいいかもしれません。

全曲紹介しときやす。

「The Train From Washington」
アメリカ政府に鋭いメスを入れるオープニング。鮮やかなホーン隊と小粋なピアノが印象的なAmnesia Expressの演奏もグッド!Cee Roo「A Day in the Life」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=v9QC33os-uY

「Not Needed」
黒いBob Dylanと呼ばれたGilらしい1曲。Gilのヴォーカルに絡むハーモニカの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZWRg1t-C8KY

「Waiting For The Axe To Fall」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。格好良いジャズ・ファンクという点ではアルバム随一だと思います。The Midnight Bandとは異なるAmnesia Expressの魅力を満喫できる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=pGD0kTbibQc

「Combinations」
Brian Jackson(p)、Danny Bowens(b)、Reggie Brisbane(ds)というThe Midnight Band時代の仲間が参加。ジャジー・フィーリングのしっとりと聴かせる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5lPs67Q4EBM

「A Legend In His Own Mind」
今日的に再評価の高いメロウなミディアム・グルーヴ。落ち着いた語り口ながらも鋭いメッセージを発するGilのヴォーカルと、ジャジー・フィーリングを巧み織り交ぜたAmnesia Expressの演奏が実にマッチしています。ホーン隊も盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Y4cfc5V7NKU

印象的なイントロは、KDD「Mon Plus Beau Polo」、Mos Def feat. Q-Tip「Mr. Nigga」、Phife Dawg feat. Supa Dave West「Beats, Rhymes & Phife」、H16「Nemaj Stres」、Mistah F.A.B. feat. Fashawn & Lupe Fiasco「Yes Indeed」のサンプリング・ソースとなっています。
Mos Def feat. Q-Tip「Mr. Nigga」
 https://www.youtube.com/watch?v=LU-akKeXxaA
Phife Dawg feat. Supa Dave West「Beats, Rhymes & Phife」
 https://www.youtube.com/watch?v=TExBEH1CFz0
H16「Nemaj Stres」
 https://www.youtube.com/watch?v=J9NmSwZIOa8
Mistah F.A.B. feat. Fashawn & Lupe Fiasco「Yes Indeed」
 https://www.youtube.com/watch?v=tMdaNl9-Yxo

「You Could Be My Brother」
Gilの優しい語り口に包み込まれる心の温もりに満ちた1曲。フルートの優しい響きがよくフィットしています。

「The Klan」
Richie Havensのカヴァー(Richie Havens/David Gray/Alan Gray作)。オリジナルは『Somethin' Else Again』(1967年)に収録されています。 「A Legend In His Own Mind」と並ぶ本作のハイライト。あまりにGilにフィットした社会派ソングなので、彼のオリジナルだと勘違いする人も多いのでは?ガラージ方面で評価の高いリズミックでキャッチーなサウンドも含めてGil Scott-Heronらしさ全開だと思います。。
https://www.youtube.com/watch?v=VkncdKcZqsM

Groove Assassins & DJ RAW「Dancin' Warrior (Album Mix)」、Little Brother feat. Mike Burvik & Percy Miracles「Make Me Hot」のサンプリング・ソースとなっています。
Groove Assassins & DJ RAW「Dancin' Warrior (Album Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=bO3AQj3ZuCc
Little Brother feat. Mike Burvik & Percy Miracles「Make Me Hot」
 https://www.youtube.com/watch?v=WYHFQdg4gcI

「Your Daddy Loves You (For Gia Louise) 」
ラストは、ジャケそのままの我が子を愛する父の心情が歌われます。こういう親子愛に満ちたGil Scott-Heronも悪くありません。

Gil Scott-Heronの過去記事もご参照下さい。

『Pieces Of A Man』(1971年)
Pieces of a Man

『Winter In America』(1974年)
Winter in America

『The First Minute Of A New Day』(1975年)
MIDNIGHT BAND: THE FIRST MINUTE OF A NEW DAY

『It's Your World』(1976年)
It's Your World

『Bridges』(1977年)
Bridges

『Secrets』(1978年)
Secrets

『1980』(1980年)
1980(直輸入盤・帯・ライナー付き)

『Reflections』(1981年)
Reflection
posted by ez at 03:23| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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