2018年09月12日

Queen Latifah『All Hail The Queen』

女性ラッパーのパイオニアのデビュー・アルバム☆Queen Latifah『All Hail The Queen』
All Hail the Queen
発表年:1991年
ez的ジャンル:女性ラッパーのパイオニア
気分は... :クイーンの貫禄!

今日は女性ラッパーのパイオニアQueen Latifahのデビュー・アルバム『All Hail The Queen』(1989年)です。

1970年ニュージャージー州生まれのラッパー/シンガー/女優Queen Latifah(本名Dana Elaine Owens)の紹介は、2ndアルバム『Nature Of A Sista'』(1991年)に続き2回目となります。

若い世代の方は、彼女に対して女優/シンガーのイメージが強いかもしれませんが、フィメール・ラッパーのパイオニアという形容詞がQueen Latifaには相応しいと思います。

その意味ではDJ Mark the 45 King率いるFlava Unitの一員として強烈なインパクトを与えた『All Hail The Queen』(1989年)、『Nature Of A Sista'』(1991年)というTommy Boyからの2枚のアルバムにこそ彼女の魅力が詰まっています。

1stアルバムとなる『All Hail The Queen』(1989年)はリアルタイムで聴きましたが、僕に鮮烈な印象を与えた1枚です。

メイン・プロデューサーDJ Mark the 45 King以外にも、Prince PaulDaddy-OというStetsasonicの2人、KRS-OneBoogie Down Productions、今ではハウス界レジェンドとしてお馴染みのLouie Vegaがプロデューサーとして起用されています。

また、De La SoulDaddy-OMonie LoveDJ Mark the 45 KingKRS-Oneがフィーチャリングされています。

「Wrath Of My Madness」「Dance For Me」「Ladies First」「Come Into My House」「Mama Gave Birth To The Soul Children」といったシングル曲をはじめ、キャッチーかつ刺激的な楽曲がズラリ並びます。ジャンルの距離が近かった当時のN.Y.らしく、ヒップハウス、レゲエ/ラガ、アッパーなダンス・チューンのエッセンスも盛り込まれているのがいいですね。

東海岸Hip-Hop好きの人はぜひチェックを!
Queen Latifahのプリミティブな魅力の詰まったデビュー・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Dance For Me」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。アルバムからの1stシングル。Alvin Cash「Keep on Dancing」ネタのビートに乗って、Latifah姐さんが貫禄十分のライムを捲し立てます。途中のKool & The Gang「Rated X」ネタのホーン・サウンドやSly & the Family Stone「Dance to the Music」のヴォーカル・ネタ も実にキャッチーなHip-Hopクラシック。また、Naughty by Nature「Yoke the Joker」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=2q3DMZkEnjM

「Mama Gave Birth To The Soul Children」
Prince Paul(Stetsasonic)プロデュース。De La Soulをフィーチャー。アルバムからの4thシングル。De La Soulらしいとぼけた雰囲気が見事にハマったHip-Hopクラシック。Dennis Coffey & The Detroit Guitar Band「Scorpio」、Otis Redding「Merry Christmas, Baby」、Billy Squier「The Big Beat」、Ja'net DuBois「Movin' on Up (Theme From the Jeffersons)」 、Uncle Louie「I Like Funky Music」 をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=VXQTUysLlKM

「Come Into My House」
Queen Latifah/DJ Mark The 45 Kingプロデュース。アルバムからの3rdシングル。Anita Ward「Ring My Bell」、The Brothers Johnson「Ain't We Funkin' Now」 、Peech Boys「Don't Make Me Wait」ネタのヒップ・ハウス調トラックが印象的です。Funkadelic「One Nation Under a Groove」の声ネタもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=QcP5Wwr3c-Y

「Latifah's Law」
Louie Vegaプロデュース。Lafayette Afro Rock Band「Darkest Light」をサンプリングしたハウス界のレジェンドLouie VegaがHip-Hop然としたトラックをが手掛けていることを物珍しく思う人もいるかもしれませんが、当時の彼はハウス一辺倒ではなく、この手のHip-Hopも手掛けていました。
https://www.youtube.com/watch?v=j7QM4VPctO8

「Wrath Of My Madness」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。記念すべきLatifah姐さんのデビュー・シングル。The Meters「Chicken Strut」ネタのビートに乗って、Latifahが初々しくもパワフルなフロウを聴かせてくれます。ラガ調のコーラスも印象的ですね。途中。Grover Washington Jr.「Black Frost」ネタのビートも使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=sCSvUEQqu6Q

Gang Starr feat. Krumb Snatcha「Put Up or Shut Up」、Ice Cube「True to the Game」、The Pharcyde「Groupie Therapy」等のサンプリング・ソースとなっています。
Gang Starr feat. Krumb Snatcha「Put Up or Shut Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=M87f365tyRc

「The Pros」
Daddy-O(Stetsasonic)をフィーチャー。プロデュースもDaddy-O。ラガ調トラックに乗ってLatifahとDaddy-Oが息の合ったフロウを聴かせてくれます。Miles Davis「Don't Lose Your Mind」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=ytDCeYj0fe8

「Ladies First」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。UKフィメール・ラッパーMonie Loveをフィーチャー。アルバムからの2ndシングル。7th Wonder「Daisy Lady」、King Errisson「Listen to the Music」をサンプリングした疾走感のあるトラックとフィメール・ラッパー2人の勢いのあるフロウが印象的なHip-Hopクラシック。
https://www.youtube.com/watch?v=8Qimg_q7LbQ

「A King And Queen Creation」
DJ Mark The 45 Kingをフィーチャー。プロデュースもDJ Mark The 45 King。Kool & The Gang「Music Is the Message」をサンプリングしたファンキー・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=YBzvGIuATf0

Portrait「Honey Dip (Swazz Mix)」のサンプリング・ソースとなっています。
Portrait「Honey Dip (Swazz Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=H26imOzrsmM

「Queen Of Royal Badness」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。Please「Ego Trippin'」 、Kool & The Gang「Rated X」、James Brown「Blind Man Can See It」、Tom Jones「Looking Out My Window」ネタのアッパー・トラックがこの時代らしいですね。

「Evil That Men Do」
KRS-One(Boogie Down Productions)をフィーチャー。プロデュースもKRS-One。Latifah姐さんとKRS-Oneの力強いフロウに圧倒されます。Gil Scott-Heron「Revolution Will Not Be Televised」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=bJrh0jmDkvE

「Princess Of The Posse」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。Collage「Get in Touch With Me」のベース・ラインのサンプリングが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=rDPAlBlBEBA

「Inside Out」
DJ Mark The 45 Kingプロデュース。Johnny Pate「El Jardia」、MFSB「T.L.C. (Tender Lovin' Care)」をサンプリングしたソウルフル・トラックをバックに、Latifah姐さんが丁寧にライムを紡いでいきます。The Pharcyde「Groupie Therapy」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=IeAmvYwtUYE

ここからはCDボーナス・トラック。

「Dance For Me (Ultimatum Remix)」
「Dance For Me」のUltimatumによるリミックス。よりアッパー感を増したダンサブル・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=HMJ-s78PpbE

「Wrath Of My Madness (Soulshock Remix)」
「Wrath Of My Madness」のSoulshock、Doctor Jamによるリミックス。Isaac Hayes「Walk on By」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=vBVMcznvVRU

「Princess Of The Posse (DJ Mark The 45 King Remix)」
「Princess Of The Posse」のリミックス。Barney Miller「Theme Song」、Jeff Beck「Come Dancing」をサンプリング。

Queen Latifahの他作品もチェックを!

『Nature Of A Sista'』(1991年)
Nature of a Sista

『Black Reign』(1993年)
Black Reign

『Order in the Court』(1998年)
Order in the Court

『The Dana Owens Album』(2004年)
Dana Owens Album

『Trav'lin' Light』(2007年)
Trav'Lin Light

『Persona』(2009年)
Persona
posted by ez at 01:50| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]