2018年10月05日

Dorothy Ashby『The Rubaiyat Dorothy Ashby』

オリエンタル・ムードのレア・グルーヴ人気作☆Dorothy Ashby『The Rubaiyat Dorothy Ashby』
ルバイヤート・オブ・ドロシー・アシュビー
発表年:1970年
ez的ジャンル:ジャズ・ハープ系オリエンタル・ジャズ
気分は... :森羅万象・・・

ジャズ・ハープのパイオニアDorothy Ashbyによるストレンジ・ジャズ作品『The Rubaiyat Dorothy Ashby』(1970年)です。

ミシガン州デトロイト出身のジャズ・ハープ奏者Dorothy Ashby(1930-1986年)の紹介は、『Dorothy's Harp』(1969年)、『Afro-Harping』(1968年)に続き3回目となります。

本作『The Rubaiyat Dorothy Ashby』(1970年)は、『Afro-Harping』(1968年)は『Afro-Harping』(1968年)、『Dorothy's Harp』(1969年)と並ぶCadet三部作としてレア・グルーヴ方面で人気の1枚です。

Cadet三部作はプロデューサー/アレンジャーのRichard Evansとタッグを組み、ジャズ・ハープの未知の魅力や底知れぬ可能性を示した1枚です。

そのラスト作となる本作『The Rubaiyat Dorothy Ashby』は、ペルシャ絨毯の上でAshbyが琴を奏でるジャケが象徴するように、オリエンタルなムードが印象的なアルバムです。アルバム・タイトルには"Rubaiyat"とは11世紀のペルシャの詩人Omar Khayyamの代表的な詩集タイトルであり、その詩集『Rubaiyat』にインスパイアされたのが本作です。

また、詩集『Rubaiyat』からの引用を含むAshby自身のヴォーカル/ポエトリー・リーディング入りの楽曲が大半を占め、琴やピアノといったハープ以外のAshbyのプレイが印象深いのも本作の特徴です。

レコーディングにはDorothy Ashby(harp、koto、p、vo)以下、Fred Katz(kalimba)、Stu Katz(vibe)、Lenny Druss(fl、oboe)、Cliff Davis(as)、Cash McCall(g)、Ed Green(violin)等のミュージシャンが参加しています。

神秘的なオリエンタル・ジャズを楽しめる「Myself When Young」「For Some We Loved」「The Moving Finger」、Ashbyのヴォーカルを楽しめる「Drink」、トライバルなスピリチュアル・ジャズ「Wax And Wane」、ボッサ調の「Dust」「Heaven & Hell」あたりが僕の好みです。

ジャズ・ハープの枠を飛び越え、Dorothy Ashbyのトータル・アーティストとしての才を楽しめる1枚です。

楽曲はすべてDorothy Ashbyのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Myself When Young」
オリエンタル・ムードの幻想的なイントロに続き、美しいハープの音色と共にOmar Khayyamの詩をポエトリー・リーディング、さらに中盤以降はレア・グルーヴ仕様のリズミックな展開へ・・・と1曲で3回楽しめる"ひつまぶし的"オープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=hl9g10DSQGs

O.S.T.R.「Mam Plan」、Shape of Broad Minds feat. John Robinson「So Much (Chaos)」、Flying Lotus feat. GonjaSufi「Testament」、Electric Wire Hustle「Numbers and Steel」等のサンプリング・ソースとなっています。
O.S.T.R.「Mam Plan」
 https://www.youtube.com/watch?v=ir6fiWrAsWU
Shape of Broad Minds feat. John Robinson「So Much (Chaos)」
 https://www.youtube.com/watch?v=01iKSu1Ims0
Flying Lotus feat. GonjaSufi「Testament」
 https://www.youtube.com/watch?v=fDjFLT-KaUg

「For Some We Loved」
ここでのAshbyは琴をプレイ。中近東風グルーヴと日本の琴、アフリカのカリンバが織り成す摩訶不思議なオリエンタル・スピリチュアル・ジャズに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=er1eZPYozAE

Flying Lotuss「Dirty Chopsticks」のサンプリング・ソースとなっています。
Flying Lotus「Dirty Chopsticks」
 https://www.youtube.com/watch?v=luH-tUwc970

「Wax And Wane」
カリンバ等によるトライバル・リズムとエレガントなAshbyのハープによる僕好みのスピリチュアル・ジャズに仕上がっています。ハープに寄り添うLenny Drussのフルート、Stu Katzのヴァイヴもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=3czbF283X24

J Dilla「Snappin' Necks in Africa」、Que. D「Michelle」、Andre Nickatina & Equipto「Jungle」、Quinto Andar「Vive Pra Servir, Serve Pra Viver...」、Lord Finesse and DJ Mike Smooth「Here I Come Remix」、deeB「Have We Met」等のサンプリング・ソースとなっています。
J Dilla「Snappin' Necks in Africa」
 https://www.youtube.com/watch?v=n_Tm4o73LyI
Que. D「Michelle」
 https://www.youtube.com/watch?v=UwAWsUjqjVE
Andre Nickatina & Equipto「Jungle」
 https://www.youtube.com/watch?v=IMFy3z2aDsc
Quinto Andar「Vive Pra Servir, Serve Pra Viver...」
 https://www.youtube.com/watch?v=sHxtdU8MOVs
Lord Finesse and DJ Mike Smooth「Here I Come (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=cmukAnkxeo0

「Drink」
美しいオーケストレーション&ハープと共に哀愁メロディをAshbyが歌い上げる幻想的ヴォーカル・チューン。格好良いイントロも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=hvopNKWDyQU

5 Elementz「Janet Jacme」、Homeliss Derilex「Live & Direct」、Miles Bonny「What It Is I See」、Ghostface Killah「Clips」、Algorhythms「Audrey Hepburn」、Tha Alkaholiks feat. Diamond D「The Next Level (Buckwild Remix)」、Reks「Kill Em」、Neek the Exotic feat. B-1「Comin' in Piles」、第三段落 97ページ「第三段落 97ページ」等のサンプリング・ソースとなっています。
Homeliss Derilex「Live & Direct」
https://www.youtube.com/watch?v=Xqa7TTMkilM
Ghostface Killah「Clips」
https://www.youtube.com/watch?v=T1PIKdqUGFw
Tha Alkaholiks feat. Diamond D「The Next Level (Buckwild Remix)」
https://www.youtube.com/watch?v=RXXI9zeLa5M
Reks「Kill Em」
https://www.youtube.com/watch?v=28Es2BiUO7s
Neek the Exotic feat. B-1「Comin' in Piles」
https://www.youtube.com/watch?v=uo4LUfgiR4A

「Wine」
ここでのAshbyはピアノをプレイ。Lenny Drussのフルート、Stu Katzのヴァイヴを従えて、スウィンギーなジャズ・プレイで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Rj5DBrcVkKA

「Dust」
ドリーミーなヴォーカル・チューン。ボッサ調リズムに乗って、Ashbyのヴォーカル&ハープが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=j-K7njSx5s4

「Joyful Grass & Grape」
琴のプレイを大きくフューチャーしたオリエンタル・ジャズ。Richard Evansのオーケストレーションと琴の音色が意外にマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=x4UDM7lzAWE

Murs & 9th Wonder「Asian Girl」、Madlib「Episode XVIII」のサンプリング・ソースとなっています。
MURS and 9th Wonder「Asian Girl」
 https://www.youtube.com/watch?v=oIdkaLLxfkM

「Shadow Shapes」
前半はエレガントなオーケストレーションをバックに、前半はAshbyがジャズ・ヴォーカリストばりのヴォーカルを披露してくれるビューティフル・バラード。中盤以降はAshbyの小粋なハープを楽しめるスウィンギーな展開となります。
https://www.youtube.com/watch?v=IT0lE67g_Xs

「Heaven & Hell」
再びボッサ調のビューティフル・チューン。ボッサ・リズムと美しいハープやヴァイヴの響きの相性は抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=f7_Baqn3hqM

「The Moving Finger」
ラストは琴をフィーチャーした神秘的なオリエンタル・ジャズ・グルーヴで締め括ってくれます。後半にエレクトリック・ギターが入り、いきなり電化ジャズっぽくなるのも面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=0kxuAZictJ4

Quasimoto「Real Eyes」、DJ Spinna & Shadowman「Drive」、J Dilla「1 for the Treble and 2 for the Bass」、Siriusmo「The Uninvited Guest」、Tuamie「Three Eyed Aliens」、KeKe「Z Boku」のサンプリング・ソースとなっています。
DJ Spinna & Shadowman「Drive」
 https://www.youtube.com/watch?v=jWGYc08-nFU
KeKe「Z Boku」
 https://www.youtube.com/watch?v=WOWiHHx38sc

Dorothy Ashbyの他作品もチェックを!

『The Jazz Harpist』(1957年)
Jazz Harpist

Dorothy Ashby with Frank Wess『Hip Harp』(1958年)
ヒップ・ハープ

Dorothy Ashby and Frank Wess 『In a Minor Groove』(1959年)
イン・ア・マイナー・グルーヴ

『Soft Winds: The Swinging Harp Of Dorothy Ashby』(1961年)
Soft Winds: The Swinging Harp of Dorothy Ashby (Remastered) [Bonus Track Version]

『Dorothy Ashby』(1962年)
Dorothy Ashby

『The Fantastic Jazz Harp of Dorothy Ashby』(1965年)
The Fantastic Jazz Harp of Dor

『Afro-Harping』(1968年)
Afro-Harping (Dig)

『Dorothy's Harp』(1969年)
ドロシーズ・ハープ

『Django/Misty』(1984年)
Django / Misty
posted by ez at 02:23| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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