発表年:2007年
ez的ジャンル:イタリアン・ジャズ・ルネッサンス
気分は... :いぶし銀!
今回は"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"プロジェクトidea6の第2弾アルバム『Steppin' Out』(2007年)です。
イタリア・ジャズ界の仕掛人Paolo Scottiが"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"を目指し、結集したプロジェクトidea6の紹介は、第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)です。
第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)は、Gianni Basso、Dino Pianaというイタリアン・ジャズの至宝とも呼べるの大ベテラン2人が参加して話題となりました。
第2弾となる本作『Steppin' Out』(2007年)にもイタリアン・ジャズの至宝2人が参加しています。本作におけるメンバーはGianni Basso(ts)、Dino Piana(tb)、Guido Pistocchi(tp)、Andrea Pozza(p)、Riccardo Fioravanti(b)、Stefano Bagnoli(ds)という6名。
前作『Metropoli』からベースがLuciano MilaneseからRiccardo Fioravantiへ変更となっています。
さらに6名に加え、Francesca Sortino(vo)、Annibale Modoni(vibe)が参加しています。
ヴォーカル曲が加わったことで、全体として聴きやすくなったのでは?
アフロ・キューバン調の演奏が多いのも僕好みです。
帝王Miles作品のヴォーカル入りカヴァー「Tune Up」、"ちょいワルおやじ"的格好良さがある「Mr. G. B.」、
Basso、Piana、Pistocchiの3管によるアンサンブル、ソロを楽しめる「Steppin' Out」、アフロ・キューバン調の3曲「O. M. Blues」、「Tempura 4/4」、「Dance Of The Crickets」、疾走感が格好良い「Junior Is Back!」が僕のおススメです。
"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"の小粋な演奏を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Tune Up」
Miles Davis/Terry Crosara作。オープニングは帝王Milesの作品をカヴァー。Miles本人のヴァージョンは『Cookin'』(1956年)等に収録されています。ここではFrancesca Sortinoのヴォーカルをフィーチャーし、品格の中に小粋なセンスを織り交ぜた"イタリアン・ジャズ・ルネッサンス"に相応しい演奏を聴かせてくれます。Basso、Piana、Pistocchiの3管のコンパクトなソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=t3zQ2DLFn_I
「Mr. G. B.」
Fulvio Albano/Gianni Basso作。Riccardo Fioravantiのベースが牽引する、伊達男の国のジャズらしい"ちょいワルおやじ"的格好良さがある演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=IHIty3HxyTc
「Steppin' Out」
Renato Pistocchi作。タイトル曲はBasso、Piana、Pistocchiの3管による素晴らしいアンサンブル、ソロを楽しめます。ヨーロピアン・ジャズならではの優雅さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=uuBD9Ag56C0
「Bell's (I'll Be Waiting)」
Angela Josephine Corti/Renato Pistocchi作。Francesca SortinoのヴォーカルとAnnibale Modoniのヴァイヴをフィーチャー。ここでのメンバーはバッキングに徹し、SortinoのヴォーカルとModoniのヴァイヴを引き立てます。Andrea Pozzaの小粋なピアノもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=YIe3vnj8T1I
「O. M. Blues」
Franco Piana作。クラブジャズ好きも気に入りそうなアフロ・キューバン調の演奏です。メンバー達が演奏を楽しんでいる感じが伝わってきていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DRI2II3Q75k
「Tempura 4/4」
Franco Piana作。この曲もアフロ・キューバン調。古き良きイタリアン・ジャズを2007年仕様にアップデートさせている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Usnpo9t3Dd4
「Dance Of The Crickets」
Andrea Pozza作。作者Pozzaのピアノを中心にエレガントな演奏で魅せてくれます。Stefano Bagnoliのドラム・ソロも聴きものです。
https://www.youtube.com/watch?v=htm0-4W8P7Q
「Junior Is Back!」
Franco Ambrosetti作。クラブジャズも喜びそうな疾走感にグッとくる演奏です。3管がそれぞれ味のあるソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MfmMdYgdZ58
「Taboo」
キューバ人女性シンガー/ソングライターMargarita Lecuonaの名曲「Tabu」をカヴァー。Annibale Modoniのヴァイヴも加わっています。アフロ・キューバン調ですが、エキゾチックな魅力のある演奏を聴かせています。特にGuido Pistocchiのミュートが印象的です。
「It Ain't Necessarily So」
George Gershwin/Ira Gershwin作。オペラ『Porgy and Bess』の中の1曲をカヴァー。当ブログではThe Quartette Tres Bien、Brother Jack McDuffのカヴァーも紹介済みです。ラストはFrancesca Sortinoのヴォーカルをフィーチャーした哀愁バラードで締め括ってくれます。艶めかしいSortinoのヴォーカルをPozzaらのピアノ・トリオが好バッキングで引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=u4eDq_bs_ik
CDには上記CDに加え、DVDが付いています。
収録内容は下記の通りです。
「Intro & Interviews By Franco Fayenz To: Gianni Basso, Dino Piana, Guido Pistocchi」
「Tune Up (Video Clip)」
「Mr. G. B. (Video Clip)」
「Bell's (Video Clip)」
このプロジェクトで改めて存在感を示してくれたGianni Bassoは惜しくも2009年に他界しています。
未聴の方は第1弾アルバム『Metropoli』(2005年)もチェックを!
『Metropoli』(2005年)
ご興味がある方はGianni BassoとDino Pianaの両名が参加している下記アルバムの過去記事もチェックを!
Basso Valdambrini Quintet『Basso Valdambrini Quintet Plus Dino Piana』(1960年)
Sestetto Basso-Valdambrini『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)